スイス旅行、何日あればどれだけ回れる? 日数・目的別周遊モデルコース

公開日 : 2023年08月28日
最終更新 :

スイスは公共交通網がよく整っており、運行時間も正確ですので、日本同様に時刻表で組んだ旅プランをそのまま実行することが可能です。個人旅行のしやすさでは世界でもトップクラスの国と言っていいでしょう。スイス旅行を楽しむためには、いったい何日間の滞在が必要なのでしょうか。具体的な周遊プランを示しながらご紹介します。

訪問場所や旅の目的で変わる滞在日数

食事も楽しめるパノラマ観光列車、グレッシャー・エクスプレス
食事も楽しめるパノラマ観光列車、グレッシャー・エクスプレス

九州ほどの面積のスイスでは交通網がよく整っています。ですので国の端から端まで移動することも、難しくはありません。しかし観光で訪れる場合、長距離移動は日程作りに大きく影響します。人気のグレッシャー・エクスプレスに乗車する場合、起点となるツェルマットやサン・モリッツへの移動もそれなりに時間を要しますので、フライト利用の前後にプラス1日ずつくらいの余裕が必要です。一方でチューリヒや首都ベルン、レマン湖地方を訪問するのであれば、直行便を使えば4泊6日でも無理なく旅程を組むことが可能です。

1週間の滞在ではどこに行ける?

コンパクトだが見どころが多くアクセスもしやすいルツェルン
コンパクトだが見どころが多くアクセスもしやすいルツェルン

自分自身で行動できる旅行経験があることを前提に説明します。直行便ならルツェルン、欧州系経由便(現地に当日深夜着)ならチューリヒに1泊します。翌日の午前中に市内観光をしたらユングフラウ地方に向かいます。グリンデルワルトで2泊しましょう。次はツェルマットに移動します。できれば3泊したいですが、こちらでも2泊しましょう。最終日はチューリヒまで戻り1泊します。2カ所の山岳リゾートを巡る日程で6泊8日となります。ツェルマットをあきらめれば、1都市増やして日程も短縮できます。グリンデルワルトのあとはローザンヌに移動しましょう。ここで2泊すればレマン湖地方を満喫でき、5泊7日でスケジュールを組めます。

注目度ナンバーワンの新路線アイガー・エクスプレス
注目度ナンバーワンの新路線アイガー・エクスプレス

ツェルマットとグリンデルワルトコース

レマン湖地方では見逃せないシヨン城
レマン湖地方では見逃せないシヨン城

グリンデルワルトとレマン湖地方訪問パターン

グレッシャー・エクスプレスに乗車したいが最低限の日数は?

スイス三大名峰として人気のマッターホルンを望むツェルマット村
スイス三大名峰として人気のマッターホルンを望むツェルマット村

まずはチューリヒに1泊。翌日サン・モリッツに1泊してツェルマットに移動します。ツェルマットで2泊したらユングフラウ地方へ。2泊したらルツェルンに移動し1泊しましょう。最終日はルツェルンからチューリヒに向かいますが電車で1時間なので無理はありません。7泊9日で有名山岳リゾート滞在とグレッシャー・エクスプレス乗車が可能です。

グレッシャー・エクスプレスを日程に組み入れる場合の大事な注意点をひとつ。2022年から予約を入れづらい状況が続いていましたが、2023年は予約率がさらに高くなり1席のみでも空席を探すのが難しくなっています。2人以上で旅するなら半年前から計画を立て、予約も入れておきましょう。

2週間あったらどう動けるの?

2時間半弱の乗車でも大満足できるベルニナ・エクスプレスの旅
2時間半弱の乗車でも大満足できるベルニナ・エクスプレスの旅

旅程も2週間確保できると、夢が大きく広がります。ハイジの里マイエンフェルトのハイキングもたっぷり楽しめます。まずはチューリヒに1泊し、翌日はマイエンフェルトに1泊しましょう。次はサン・モリッツです。2泊すれば、世界遺産に登録されているベルニナ線の鉄道旅もできます。サン・モリッツからはグレッシャー・エクスプレスでツェルマットへ。贅沢に3泊してじっくりと楽しみましょう。ツェルマットからはローザンヌへ行き2泊。最後はユングフラウ地方に滞在します。ユングフラウ地方に2泊してもう1泊を都市滞在にするか、3泊してチューリヒに直行するかはお任せします。これで12泊14日の旅程です。ローザンヌ滞在を1泊削ってユングフラウ地方滞在に回すのもいいかもしれません。

弾丸トラベルは以前よりもハードルが上がった

世界遺産エリアを一望できるユングフラウヨッホ展望台
世界遺産エリアを一望できるユングフラウヨッホ展望台

以前の直行便のフライトスケジュールでしたら、ユングフラウ地方とツェルマットに2泊ずつ滞在して4泊6日で旅することも可能でした。今はフライトに乗り遅れるリスクがあるのでおすすめできません。ユングフラウ地方2泊とどこか1都市の滞在でしたら可能ですが、その日程で旅を楽しめるかというと疑問です。どんなにタイトなスケジュールになるかは以下のタイムテーブルをご覧ください。飛行機が1時間遅れたり、どこかの区間で列車が遅れたりしたら目的地にたどり着けない危険満タンなプランです。

<直行便を使った場合の現地での移動プラン>
○直行便スケジュール(2023年10月28日まで)
チューリヒ着(月、火、木、土、日) 18:10 空港を出発できるのは19:10以降を想定
チューリヒ発(月、水、金、土、日)13:00 空港到着は3時間前の10:00が望ましい

○往路ツェルマットin 復路サン・モリッツout
チューリヒ空港発20:08 2回乗り換え ツェルマット着 23:48(最終の乗り継ぎ便)
サン・モリッツ発 04:45 3回乗り換え チューリヒ空港着 08:12
サン・モリッツ発 05:41 2回乗り換え チューリヒ空港着 09:44
サン・モリッツ発 06:45 2回乗り換え チューリヒ空港着 10:12
※これ以降は11:00以降の到着なので利用しないほうがいい

鉄道網が発達したスイスならではの究極プランとは?

首都のベルンはスイス中央部に位置する落ち着いた町
首都のベルンはスイス中央部に位置する落ち着いた町

今はなきスイス旅行に強かった会社の企画です。発売当時は「そんな方法があったのか!」と業界をざわつかせました。スイスの交通機関の利便性を極限まで利用したプランです。滞在先は首都のベルン1カ所。この町の5つ星ホテルに連泊して、スイス国内の見どころを巡るという、画期的なツアーでした。

山も都市も観光でき、荷ほどきも荷造りも1回だけ。楽ちんツアーです。「ツアーだからできるんでしょ」と思ったあなた、個人旅行でも実行できますよ。オリジナルは4連泊でしたが、ここでは5連泊プランを示します。

毎日朝御飯を食べてから行動しても、ユングフラウヨッホやマッターホルンが見られるゴルナーグラート展望台まで行けます。スイスの交通機関おそるべし! 

このプランが究極なのは、天気の具合を見て訪問先を変えることができる点です。天気が悪ければ町に、天気がよければ山の観光に出かけられます。

まとめ 国土の狭いスイスで連泊滞在は効果的

スイスの交通機関の利便性を生かして、縦横無尽に動く1カ所滞在プランはいかがでしたか? 連泊滞在の場合、乱暴なことを言えば、気に入った場所を見つけたらそこに1泊してくるという手もあります。連泊すればすべてに余裕が生まれます。洗濯しても十分乾くまで干せますし、具合が悪ければ休めます。
筆者もできるだけ1ヵ所に3泊以上して、天気が悪い場合でもリカバリーできるように旅程を組んでいます。4日間ずっと悪天候ということはそうそうないからです。ベルン連泊プランを売っていた件の会社ですが、グリンデルワルト5連泊+ツェルマット4連泊というプランも作っていました。Wunderbar(ブンダバー/ステキです)!

筆者

地球の歩き方スイス記者

小山田 浩明

写真撮影の現場キャリアは30年以上で、リバーサルフィルムの時代から一眼レフで撮影しています。世界にはまだまだこんな場所がある、という感動をお伝えできればと思います。

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