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秋までの期間限定! アメリカ・ヨセミテ国立公園グレーシャーポイントとマリポサグローブ

美丸(Mimaru)

美丸(Mimaru)

アメリカ・カリフォルニア州特派員

更新日
2019年8月29日
公開日
2019年8月29日
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必ず立ち寄りたいトンネルビュー。いつも観光客でにぎわっています

ヨセミテ国立公園は、アメリカ・カリフォルニア州のシエラネバダ山脈に広がる自然公園です。1890年に国立公園となり、1984年にユネスコの世界遺産に登録されました。年間の訪問者数は5,000,000人以上で、世界有数の観光地として知られています。四季を通じてさまざまな景色を堪能できるヨセミテ国立公園ですが、なかでも秋は、日本とは比べものにならないほどのワイルドな大自然を感じることができます。今回は、秋ならではのヨセミテ国立公園の楽しみ方を紹介します。

ロッククライマーの憧れ!一枚岩の「エルキャピタン」

花崗岩の一枚岩「エルキャピタン」

世界遺産は、文化遺産と自然遺産があります。ヨセミテ国立公園は、自然遺産に登録されています。ヨセミテ国立公園の代表的な展望地、トンネルビュー(Tunnel View)からの景色を観れば、この地形がどのように形成されたのかがよくわかります。

ほかにも、ロッククライマーの憧れでもあり、地上でもっとも大きい花崗岩の一枚岩「エルキャピタン(El Capitan)」も必見です。これがひとつの塊なのかと思うと、自然のすごさを感じます。

一度は見ておきたい!期間限定の「グレーシャーポイント」

標高2,199メートルの「グレーシャーポイント」

ヨセミテ国立公園には、冬になると雪に閉ざされ行けない場所があります。たとえば、標高2,199メートルの「グレーシャーポイント(Glacier Point)」や、500本以上のジャイアントセコイア(セコイアデンドロン)が林立する「マリポサグローブ(Mriposa Grove)」などです。

まずは、「グレーシャーポイント」を紹介しましょう。「グレーシャーポイント」の景観を楽しめるのは、春雪解けのぬかるみがなくなる5月頃から霙が降り始める11月頃までのおよそ6ヵ月間です。

日の出の前は真っ暗!

筆者が特におすすめしたいのは、観る者を虜にする「グレーシャーポイント」の日の出です。

朝5:30頃、辺りはまだ真っ暗です。山の麓から目的地まで、標識はほとんどありませんが、ほぼ一本道ですから迷う心配もあまりありません。道なりに登って行きます。移動中、何か動物に出くわすかと思いましたが、この時間は動物も寝ていたようで、合うことはありませんでした。

わずかなオレンジ色が神々しい

30分くらいで「ウォッシュバーンポイント(Washburn Point)」に到着する予定です。移動中、視線を山際に向けると、山のシルエットと白んでくる空、わずかなオレンジ色が細く間に入り、とても美しいフォトジェニックな風景が目の前に広がります。

ハーフドームのかわいらしいシルエット

6:00頃、「グレーシャーポイント」の駐車場に到着しました。この日は、5台の車が停まっていました。車を停めて空を仰ぐと、ハーフドームのかわいらしいシルエットに、目がくぎ付けになります。

「4マイルトレイル」の標識

見晴らし台まで歩くこと10分くらい。標識にある「4マイルトレイル(Four Mile trail)」は、オバマ前大統領が家族旅行で歩いたトレッキングコースとしてかなり有名になりました。

本コースは、中級者向けのトレイルです。公園で運営されているバスで登って来て、帰りはトレイルを歩いて降りる方法もあります。現在は、迂回路を通るようになっていますので、実質7.7キロメートルのコースとなっています(2019年8月現在)。

日の出までもうすぐ!

朝日が当たり始めました。

神々しい朝日

この日の「グレーシャーポイント」の日の出は、6時50分頃でした。日没の頃は、フォトグラファーが大勢いますが、朝日を撮影する人は意外と少ないようです。この日は、カメラを構えていたのは2人だけでした。

ネバダ滝の音が聞こえてくる

日の出の頃がおすすめな理由は、周りが静かなところです。日中から夕方にかけては観光客が多く、周りの音がかき消されてしまいます。誰もいない朝は、落差180メートルのネバダ滝(Nevada Fall)の水が落ちるドーっという音が聞こえます。

キャラメルの香りがする「ジェフリーパイン」

朝日を眺めた後は、駐車場の近くにある「バタースコッチの木」といわれている「ジェフリーパイン(Jeffrey Pine)」を探してみてください。この木の皮の匂いを、嗅いでみましょう。微かにキャラメルの香りがします。

自動車がない方は、ツアーを利用するとよいでしょう。ヨセミテバレーロッジから「グレーシャーポイントツアー(Glacier Point Tour)」(大人57ドル)が催行されています。

8:30、13:30出発と、日の出を観ることはできませんが、途中、トンネルビューに立ち寄ったりする約4時間のツアーです。観光のピーク時は、車両の規制があったり、渋滞があったりしますので、ツアーに参加するのをおすすめします。

2年間の改修工事を終えて再開した「マリポサグローブ」

「マリポサグローブ」の玄関口

「マリポサグローブ」は、ヨセミテ国立公園の南側、ヨセミテバレーロッジから1時間30分ほどのところにあります。「マリポサグローブ」には、高さ60メートルを超すセコイアの大木が500本以上もあり、大迫力の自然を感じることができます。

「ウエルカムプラザ」の外観

「マリポサグローブ」へ行くには、ギフトショップやインフォメーションコーナーがある「ウエルカムプラザ(Welcome Plaza)」から無料のシャトルバスに乗りましょう。

「マリポサグローブ」へ行く無料のシャトルバス

無料のシャトルバスは、8:00〜20:00、10分間隔で運行されています。「マリポサグローブ」には一般車両は入れませんので、ここで車を停めてシャトルバスに乗車しましょう。10分ほどで「マリポサグローブ」に到着します。

たくさんのトレイルがある「マリポサグローブ」

「マリポサグローブ」には、いくつかのトレイルがあります。ワオナポイント(Wawona Point)へ行く「マリポサグローブトレイル(Mariposa Grove Trail)」は、11キロメートル以上ある本格的なコースです。

もう少し気軽にトレイルを楽しみたいのなら、「グリズリージャイアントループ(Grizzry Giant Loop)」がおすすめです。カリフォルニアトンネルツリー(California Tunnel Tree)までの道のりで、往復40分くらいで歩ける初心者向けのコースです。

トレイルを歩いて行くとフォトスポットがめじろ押し

トレイルを歩いて行くと、江戸時代の頃に倒木したといわれる「フォーリンモナーク(Fallen Monach)」や、4本の木がかたまって生えている「バチェラーアンドスリーグレース(Bachelor&Three Graces」などを観ることができます。

自然の偉大さに圧倒されていると、目の前に現れるのが、樹齢1,900〜2,400年、幹の周囲が約28メートル、公園内最大の「グリズリージャイアント(Grizzly Giant)」です。

公園内最大の「グリズリージャイアント」
青空に映える「グリズリージャイアント」

大きすぎて根元部分と上部を一緒に写せません。最初の枝の太さは2メートルぐらいあるそうです。幹ではなく枝の太さが2メートルとは驚きです。1,000年を超える巨木の間を歩くと、人間の小ささを痛感します。

こちらも大きい!「カリフォルニアトンネルツリー」

こちらの「カリフォルニアトンネルツリー(California tunnel Tree)」も、なかなかの大きさです。1895年に馬車でも通れるくらい大きな木だという宣伝のために、幹がくり抜かれました。かつては、お客さんに来て欲しくて、こんな事までしていたなんて、今ではとても信じられない話です。トンネル状にくり抜かれた部分から樹液が流れていて、今なお生きている木の生命力に感嘆します。

ヨセミテ国立公園を観光するためのちょっとした工夫

まるで鏡のように映る湖水の絶景

ヨセミテ国立公園を歩く時は、小さいボトルでよいので必ず水を持って行きましょう。水飲み場(給水所)は、比較的いろいろなところにありますので、水がなくなったら補給しましょう。

また、日よけ用の帽子、目の保護にサングラス、急に天候が変わることもありますので、上着など温度調整ができるような服装で散策するとよいです。靴は歩きやすく、滑りにくい靴底が必須です。

今回紹介した場所は、有名なエリアですから電波の状況も比較的よいです。しかし、時折、電波の状態が悪くなる時もあります。念のために、地図も用意しておいた方がよいかもしれません。公園入り口やビジターセンター、インフォメーションコーナーなどで地図を手に入れましょう。

なお、晩秋になると、天候によって各スポットが閉鎖したり、再開したりと、刻々と状況が変わります。秋以降は、事前の情報収集を必ずしましょう。なお、熊の嗅覚はたいへん優れています。自動車で周遊する方は、車内に食べ物を絶対に置いたままにしないようにしてください。

日ごとに秋めいてきているヨセミテ国立公園。この時期にしか観られない、期間限定の観光スポットをたっぷりと楽しんでください。

※初回掲載:2018年10月2日

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