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イタリア・ナポリには、紀元前後に建立された古代遺跡と並んで、中世の時代に建てられた古城が今でも数多く残っています。なかでも、卵城(たまごじょう:カステロ・デル・オーボ Castel dell'Ovo)は独特の形をした古城として有名で、多くの観光客をひきつけるナポリ屈指の観光スポットです。イタリア・ナポリを訪れたのなら、ぜひとも立ち寄ってほしい中世の古城、卵城を紹介します。
卵城は、かつて、漁村だったサンタルチア地区の美しい海岸通りに建つ城です。海の中に突き出すように造られた巨大な石の要塞です。
古代ローマ帝国時代より、この地はメガリデの小島と呼ばれていました。そのメガリデの小島にあった卵城は、もともとはローマの軍人、ルクルスが建てた豪華な別荘でした。城塞として建て替えられたのは、10世紀頃だといわれています。
13世紀頃になると、卵城はアンジュー家の王の住居として使われるようになりました。さらに月日は流れ、ついには税を納める倉庫としても使われるようになりました。
さて、どうして卵城と呼ばれているのでしょうか。それは、城を建てた時、魔術師が基礎部分に卵を埋めて、「この卵が割れるときには城もナポリも滅びる」という呪文をかけたという伝説に由来します。
卵城は、ふたつの大きな塔からなり、余計な飾りのないシンプルな石造りの城です。城内に一歩足を踏み入れると、格式の高い石畳の床に巨大な柱が並ぶメインホールが現れます。
石造りのメインホールを後にして階段を上っていくと、卵城の屋上へとたどり着きます。絶景が現れるのは、もうすぐです。
卵城の見所は、なんといっても屋上からの風景です。「ナポリを見てから死ね」というイタリアに伝わる格言は、この卵城の屋上から見た風景のことを指しているといわれます。
卵城の屋上からはサンタルチア湾をはじめ、ナポリの町並み、天気がよければ、ヴェスヴィオ山、カプリ島まで見渡すことができます。陸の方に目を向けると、豪華なホテルや有名レストラン、老舗のピッツェリアがずらりと並びます。
いかがでしたか。卵城周辺は海岸沿いでもありますから、週末にはナポリっ子たちのデートスポットとしてにぎわいます。今度のナポリ旅行の際は、中世の古城、卵城に足を運んでみてください。
初回掲載: 2018年10月8日
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