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ロッテルダムの魅力Part1:新しいエネルギーにあふれる奇抜スポット5選

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2019年8月29日
公開日
2019年8月29日
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立方体の家が森をつくる

ヨーロッパ最大の貿易都市、ロッテルダム。港町特有のちょっとガサガサしていてあっけらかんとした空気と、常に新しい何かが生まれるエネルギッシュな雰囲気に満ち溢れています。今回は、ロッテルダムを建物、港町、カフェ&レストランの3パートに分けて、その魅力に迫ってみたいと思います。第1回目では、そんなのあり? な奇抜な建物をご紹介します。

ロッテルダマーの誇り――RotterdamCentraal

ロッテルダム中央駅。書体もカッコいい。

駅は旅の玄関口。ロッテルダム中央駅(Rotterdam Centraal)に降り立つと、旅気分が一気にあがります。これから散策する町を予感させるユニークなフォルム、光に反射してキラキラと輝く黄金の屋根。ロッテルダマー(ロッテルダムの人たち)の自慢の駅です。

オランダ国内のみならず、ロンドン、ブリュッセル、パリ、フランクフルト発着の国際線が乗り入れる主要駅で、毎日10万人以上が利用しています。

他の主要駅と同じく、エキナカに飲食店とショップが軒を連ね、到着した時や出発前に一息つくことができます。駅前の大きな広場を挟んだ対面に同じフォルムの駐輪場があるのが、さすが自転車王国のオランダ。

■ ロッテルダム中央駅
・住所: Statonplein 1, 3013AJ, Rotterdam

町の中に森を作る――Kijk-Kubus

黄色い立方体の家が38個並ぶ

ロッテルダム中央駅から一駅先にあるブラーク(Blaak)駅のまわりには、ずらっとユニークな建物が並んでいます。なかでも黄色い立方体の建物は突出したユニークさ。KijkーKubusという名前の建物群で、博物館かと思いきや、普通の住宅です(1軒はミュージアムになっています)。建築したのはアムステルダム出身の建築家ピート・ブロム(1934~1999年)。1960年代のPROVO(オランダのカウンターカルチャーを先導した若者の集団)やオランダ建築物のターニングポイントである機能主義から発展した構造主義の影響を受け、ヒューマンスケールに合わせたモダンな建物の形を立方体に見出しました。

完成は1982~1984年。愛称はブラークの森(Blaakse bos)。柱を木の幹と見立て黄色い箱が連なる様子は、確かに森のようにまとまったひとつのかたまりに見えます。斜面になった壁が邪魔にならないだろうかと心配になりますが、中は意外なほど広々としています。ミュージアムのほか、手頃な値段のホステルになっている建物もあるので、空間を“体験”することもできます。

■ Kijk-Kubus Museumwoning
・住所: Overblaak 70, 3011MH, Rotterdam
・開館時間: 10:00~18:00
・入館料: €3.00、65歳以上と学生€2.00、子ども(~12歳)€1.50、10人以上のグループ€2.00
・URL: http://www.kubuswoning.nl/

食の大聖堂――Markthal

住居を兼ねたフードコート

Kijk-Kubusと広場を挟んだ対面に、かまぼこ型の巨大建物があります。名前はマルクトハル(Markthal)。国内外から集めたデリ、レストラン、キッチングッズ、スーパーなど70軒以上が軒を連ねるフードコートで、2014年のオープン以来、ロッテルダムのランドマークになっています。ユニークなのは住居も兼ねているところで、紅かまぼこに例えるなら、紅部分がアパートで白い部分がフードコート。アパートは228戸だそうです。

中に入ると眼が奪われるのが、黄色や緑、ピンクのカラフルな色彩で描かれた植物や生き物の壁画。
4,000個以上のタイルが敷き詰められ、40mという高さの天井いっぱいに広がっています。その面積は何と11,000 ㎡。畳6,030枚という途方もない大きさです。オランダ人アーティスト2人組によるもので、”豊穣”を表現しているそうです。地元の人々は「食の大聖堂」と呼んでいます。

こだわりの高級デリからスイーツ、生鮮食品、スナック、ワイン、地ビールなど、ここで一通りのおみやげを揃えることができます。デリショップの上階で飲食も可能です。

■ Markthal
・住所: Ds. Jan Scharpstraat 298, 3011GZ, Rotterdam
・営業時間: 月~木・土曜10:00~20:00(金曜~21:00)、日曜12:00~18:00
・URL: https://markthal.klepierre.nl/

水の上の牧場――FloatingFarm

世界初の水上酪農場として、2019年6月にオープン

Kijk-Kubusやマルクトハルのあるブラークから約6㎞のところに、誕生して間もない酪農場フローティング・ファーム(Floating Farm)があります。その酪農場は地上にありません。大型のクレーンやドックヤード、作業用船舶が停泊する埠頭の水上にあります。将来来るかもしれない食糧危機や人口増に対処するひとつの実験として、この6月にオープンしました。

現在、40頭の乳牛が飼われています。潮風に吹かれながら草をのんびりと食む牛の姿たち。水辺で "田舎の香水" を嗅ぐのはかつてない体験でしたが、ここで働く酪農家によると、牛たちは水辺の環境に違和感を抱くことなく、すんなりなじんだそう。建物の横に太陽光パネルを設置して、エネルギーも自前で賄っています。一般公開される日もあり、新鮮な牛乳やヨーグルトを買うことができます。

■ Floating Farm
・住所(事務所): Gustoweg 10, 3029AS, Rotterdam
・一般開放時間: 木~土曜11:00~16:00
・入園料: €4.50、4~18歳€3.00(グループは要予約)
・URL: https://floatingfarm.nl/

哲学者を名乗る大橋――Erasmusbrug

高さ139mのエラスムス橋。後ろにレム・コールハースによる建物が見える

ロッテルダムを北と南に分ける河川ニューヴェ・マース川にかかる全長800mの大橋は、オランダ人の偉大な哲学者エラスムスの名前を冠しています。一本の支柱から40本の鋼鉄ワイヤーがかけられた力強くも優美な姿に、白鳥(De Zwaan)という愛称も持っています。

遠くから見る姿もステキですが、徒歩で渡ってみることをおすすめします(自転車道も整備されています)。川沿いに建つ箱を重ねたようなビルは、ロッテルダム出身の有名な建築家レム・コールハースによるもの。日暮れにかかると、白鳥シルエットと建物が見事な夕景を作り出します。

■ エラスムス橋
・住所: Erasmusbrug 1, 3072AP, Rotterdam

協力: オランダ政府観光局
https://www.hollandflanders.jp/

水迫尚子(オランダ在住ライター)

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