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世界のジャガイモ料理15選。南米から海をわたった食の旅

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2020年4月10日
公開日
2020年4月10日
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イタリアのニョッキもジャガイモで作られる©iStock

南米原産のジャガイモは、黄金を求めてやってきた征服者によりヨーロッパにもたらされました。寒さに強く栄養価の高いジャガイモは、重要な食材として世界中に広まり、そこでさまざまなジャガイモ料理が生まれました。
世界各国の、国民食とも言えるジャガイモの定番料理を見てみましょう。

パパ・ア・ラ・ワンカイーナ/PapaalaHuancaína(ペルー)

日本人の口にも合うパパ・ア・ラ・ワンカイーナ©iStock
ジャガイモの原産地、ペルーのアンデス地方のジャガイモ

ジャガイモの原産地ペルーには約3000種類ものジャガイモがあります。ジャガイモ料理の種類も多く、料理により使うジャガイモを使い分けるほどです。
数あるジャガイモ料理のなかでも、ジャガイモ本来の味を楽しめるのがペルー北部、ワンカイヨ地方のこの料理。「パパ」はジャガイモのことで、ワンカイヨ風ジャガイモという意味になります。
クリームやチーズ、アヒ・アマリージョという黄色いトウガラシのペーストなどを加えたソースを、ゆでたジャガイモの上にたっぷり。ゆで卵とオリーブを添えるのが一般的です。

フリッツ/Frites(ベルギー)

食べだしたら止まらないフリッツ©iStock

「フリッツ」とは日本で言うフライドポテトのこと。太めにカットしたジャガイモをカラリと揚げた、誰もが大好きな食べ物です。
ベルギーにはフリッツ専門店がたくさん。マヨネーズやマヨネーズベースのさまざまなソースが選べ、揚げたてフリッツにたっぷりとつけていただきます。

レシュティ/Rösti(スイス)

レシュティはドイツ語圏の定番料理©iStock

スイスの首都ベルンがある、ベルン地方を代表する郷土料理。もともとは朝食の定番だったそう。
少し硬めにゆでたジャガイモを、粗めにおろすか細切りにして、フライパンで時間をかけてこんがりと焼きます。スイスにはレシュティ用のジャガイモすりおろし器があるほど身近な料理です。
野菜やベーコンなどを加えて焼き、そのまま食べることもありますが、牛肉のクリーム煮込みゲシュネッツェルテスや、ソーセージなどのつけ合わせとして出てくることが多いです。

オリヴィエ/Olivier(ロシア)

具だくさんのポテトサラダ、オリヴィエ

ロシアのサラダを代表するオリヴィエ。ジャガイモ、ニンジン、鶏肉、ゆで玉子、ピクルス、ハムなどをマヨネーズで和えた、ちょっと日本のポテトサラダに似たものです。
ちなみに、オリヴィエはサラダを考案したシェフの名前。モスクワにあったエルミタージュ・ホテル発祥のため、サラータ・スタリーチヌィ(首都のサラダ)とも呼ばれます。

ドラニキ/Draniki(ベラルーシ)

ジャガイモのパンケーキ風ドラニキ©iStock

ロシアやポーランドなど5ヵ国に囲まれた、世界最北の内陸国ベラルーシの国民食。
すりおろしたジャガイモに小麦粉、卵、挽肉、タマネギのみじん切り、ニンニク、サワークリームなどを混ぜ、フライパンで両面をこんがり焼いたものです。
具材や味つけは家庭ごとのアレンジがあります。
ヨーグルトのような「スメタナ」をたっぷりかけて召し上がれ!

ブラートカートッフェルン/Bratkartoffeln(ドイツ)

日本でもおなじみのジャーマンポテト

ジャガイモが主食のドイツには、さまざまなジャガイモ料理があります。
日本でジャーマンポテトと呼ばれるものは、ドイツではブラートカートッフェルンといいます。カートッフェルンはジャガイモのことで、ジャガイモの炒め物という意味です。
角切りにしたジャガイモとタマネギ、ベーコンを炒めるだけの簡単料理ですが、ジャガイモとベーコンの相性が最高です。

ヤンソン・フレステルセ/JanssonsFrestelse(スウェーデン)

グラタンのような「ヤンソン氏の誘惑」©iStock

日本語に訳すと「ヤンソン氏の誘惑」という名前のジャガイモ料理。スウェーデンを代表する家庭料理で、特にクリスマスには欠かせない一品です。
作り方は、細切りにしたジャガイモとタマネギ、アンチョビを交互に重ね、生クリームや牛乳をかけ、バターをのせてオーブンでじっくり焼き上げます。
アンチョビの塩味が効いたポテトグラタンのような味わいです。

クロケット/Kroket(オランダ)

クロケットは衣カリカリ、中とろり©iStock

日本のコロッケの由来は、オランダのクロケットだと言われています。コロッケと同じようにマッシュしたジャガイモにパン粉をつけてフライにして作る、オランダ定番の軽食です。
中身はジャガイモだけのシンプルなものもありますが、挽肉やチーズ入り、野菜入りなどさまざま。アムステルダムにはクロケットの自動販売機があり、気軽にクロケットが味わえるんですよ。
ジャガイモが主食のオランダでは、ほかにも多彩なジャガイモ料理を楽しめます。

アリゴ/Aligot(フランス)

のびるアリゴは時間をかけて練り上げるのがコツ©iStock

フランス版ののびるマッシュポテトがアリゴ。南部山岳地帯オーブラック地方の郷土料理です。
牛乳やバターを加えてなめらかなピュレ状にしたジャガイモに、ニンニクのみじん切り、トムチーズを入れてじっくり練り上げて作ります。
おもに肉料理のつけ合わせで出てくるので、肉や野菜につけて食べます。

ニョッキ/Gnocchi(イタリア)

プリッとした食感のニョッキ©iStock

パスタと並びイタリア料理に欠かせないニョッキは、ジャガイモと小麦粉で作られます。
ゆでて潰したジャガイモに小麦粉を加え、よくこねて棒状に伸ばしてからカットし、フォークの背で成形してからゆでます。ゆであがったニョッキにトマトやクリームソースなど、好みのソースを和えれば完成。
イタリアでは、パスタと同じくひと皿目の料理プリモピアットとして、メインの2皿目セコンドピアットの前にいただくのが一般的です。

ボクスティ/Boxty(アイルランド)

ボクスティの形は店や家庭によりいろいろ©iStock

寒冷地のアイルランドではジャガイモは欠かせない食材で、主食もジャガイモです。
ボクスティは、わかりやすく言えばジャガイモのパンケーキ。すりおろしたジャガイモに小麦粉と少量のミルクを加えて焼き上げます。家庭ではすりおろしジャガイモとマッシュポテトを混ぜて作ることも。
ジャガイモ本来の味が楽しめる朝食の定番です。

プティン/Poutine(カナダ)

気軽に楽しめるカナダのB級グルメ、プティン©iStock

カナダ全土で食べられているジャガイモのスナック。フライドポテトにグレービーソースとチーズ(チーズカード)をかけたものです。
ケベック州のシェ・アシュトンという店が発祥で、州内に約25店舗を展開しているほど人気があります。
揚げたてのフライドポテトの上で溶けたチーズがグレービーソースと混ざり合い、一度食べたらクセになる味わい。
スタンダードなプティンのほかにも、ベーコンやソーセージのトッピングや、チリソースなど、店によりバリエーションがあります。

サモサ/Samosa(インド)

インドらしいスパイシーさが特徴のサモサ©iStock

ジャガイモ、タマネギ、羊の挽肉、豆類などの具が入った、三角錐(または三角形)の形をしたインドの人気スナック。
カラッと揚がった皮をかじると、クミンやコリアンダー、トウガラシなどのスパイシーな風味が口のなかに広がります。
食堂でいただけるのはもちろん、大きな鉄鍋でサモサを揚げる屋台もあり、気軽に味わうことができます。

ハッシュドポテト/Hashedpoteto(アメリカ)

アメリカンダイナーの定番、ハッシュドポテト©iStock

細切りにしたジャガイモを成形して揚げた、アメリカの朝食の定番。アメリカではハッシュブラウン、日本ではハッシュポテトとも呼ばれます。
有名なファストフード店のメニューにもあり、老若男女に愛されているジャガイモ料理です。
アメリカでは指でつまめる小さいものから棒状、俵型といろいろな形や大きさがあります。冷凍になっているものを、揚げたり焼いたりするのが一般的です。

いもだんご/日本(北海道)

餅のような食感から「いももち」とも呼ばれる

日本のジャガイモはインドネシアのジャワ島からもたらされました。
いまでは肉じゃがをはじめ、コロッケやポテトフライ、カレーの具材など、ジャガイモは日本人にとってなくてはならない食材です。
「いもだんご」は日本一のジャガイモの生産地、北海道の郷土料理。すりおろしたジャガイモにデンプンを混ぜてフライパンで焼き、甘辛のタレをからめたものです。デンプンもジャガイモから作られるんですよ。
もちもち食感のいもだんご、北海道で見かけたらぜひ食べてみて!

食べ歩きできるベルギーのフリッツ©iStock

世界のジャガイモ料理、いかがでしたか?
ゆでても焼いても揚げてもおいしいジャガイモは、食材の万能選手です。
いろいろなジャガイモ料理を味わってみてください。

TEXT: クルーポ・ピコ
PHOTO: iStock、武居台三(グルーポ・ピコ)

※当記事は、2020年4月9日現在のものです。

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