【ハワイ 旅の最新事情】ポノトラベラーになるために：ハワイのエコな生活を在住者がレポート

2011年にホノルルでアジア太平洋経済協力会議（APEC）が開催されました。そして2030年までに持続可能な社会目標の達成を目指して、ハワイでは2014年に6つの取り組みを「アロハプラスチャレンジ」として設定。ハワイのSDGsは10年以上も前から進められていました。その影響が、私たちハワイ在住者の生活にも少しずつ浸透してきています。ハワイを訪れる旅行者のみなさんがポノトラベラー（責任ある旅行者）としてハワイを楽しめるように、ハワイのエコな生活をレポートします。

オアフ島では、2020年1月1日からプラスチック製レジ袋の無料提供が禁止になりました。段階を踏んでの全面禁止でしたが、最初の頃は、エコバッグを車の中に置き忘れて戸惑うこともありました。今では、カバンの中やら車の中やらあちこちにエコバッグを常備するようになり、いろいろな素材や大きさそしてデザインがあるので楽しんでいます。

ハワイ州では、購入時にペットボトルやドリンク缶1本に5セントのデポジット（委託金）を支払い、デポジットは空になったペットボトルや缶をリサイクル業者に持ち込むと払い戻してもらえます。でも、そんな面倒なことをするくらいなら、家で浄水した水やお茶を水筒に入れたほうが簡単ですし安上がり。もちろん脱プラスチック（以下、脱プラ）にもなります。学校に水筒を持参する子供たちも増えました。

カハラマーケット入店時にはマスク着用は必須となります。入口にはマスク着用を促す看板と手指消毒液が設置されています。

カハラモールにある老舗のキッチン用品店「コンプリートキッチン（Compleat Kitchen）」でも地球に優しいエコな商品を扱うようになりました。

2021年4月1日～、レストランやカフェそしてバーなどでは、プラスチック製ストローの使用が禁止となり、紙製のストローを使っています。紙製ストローは脱プラでエコなのですが、なにせ紙なので時間が経つとふにゃふにゃになります。なので、自宅用にはステンレス製やシリコン製のストローが人気です。特に、噛んでしまった際に割れる心配のないシリコン製は、子供用にと購入する人が多いとか。

今までなら、テイクアウトフードの購買時には無条件でもらえたフォークや割り箸といったカテラリーは、「お願いします」とリクエストしないともらえなくなりました。そのせいもあるのか、カテラリーセットが売れています。竹製や小麦を原料にしたエコなカテラリーセットにはストローも含まれていて便利です。お弁当のお供にもいいですね。

コンプリートキッチンでもマスク着用が必須となります。またソーシャルディスタンスを保つために店内は10人までのみ入店可能です。

ワイキキから車で10分ほどのカイムキに「廃棄物ゼロ」を目標にするエコな店があります。2020年12月にオープンした「キープイットシンプル（Keep it Simple）」では、量り売りでボディソープやハンドソープ、スクラブやローション類を販売しています。

洗って何度も使えるガラス瓶を購入することもできますし、他のお客さんが店の片隅に置いていったガラス瓶をリサイクルして使用してもいいシステムです。「リサイクルした瓶は洗浄して、次回の来店時に持ってくる」という、なんともハワイらしい大らかな取り組みです。

量り売りだけでなく、まるでジュースかビールの缶のようなアルミ缶に入ったボディソープやハンドソープもあります。プラスチックよりもリサイクルしやすいアルミ缶を使用しているそうです。

その他にも石鹸のような固形シャンプーや固形コンディショナー、ペーパータオルの代わりになるネル地のタオルもありました。

カテラリーや食器は木製、中でもココナッツの殻で作ったボウルは人気だとか。その他にもカエルやカメやタコの飾りが愛らしいハンドメイドのガラス製ストローもありました。

SDGsなエコな生活というと、ハードルが高いように聞こえるかもしれませんが、実は小さなことから始められます。ハワイでは普段から「ポノ（ハワイ語で「道徳的に正しいこと、道義をわきまえた」という意味）」な生活を心がけています。次回の旅行では、ぜひポノトラベラー（責任ある旅行者）としてハワイを楽しんでみてください。

■キープイットシンプル（Keep it Simple）
・住所： 3571 Waialae Avenue, Suite 102 A, Honolulu, HI 96816 USA
・営業時間： 午前11時〜午後6時
・URL： https://www.keepitsimplezerowaste.com/
・入店に際してはマスク着用

※当記事は、2021年11月15日現在のものです

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