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12月に入り肌寒い日が続いている台北。日本に比べるとクリスマス(聖誕節)ムードは控えめですが、百貨店の前にはクリスマスツリーが登場しました。さて、前編に続き、台北市の西部、大稻埕(迪化街)エリアの街の様子をお届けします。観光客に人気の高い民生西路から南側のエリアは、新店も続々オープンしていますよ!コロナ収束後の旅の予習として、ぜひチェックしてみてください。
迪化街の中心部にある永樂市場は、1908年に建てられ、前身は「公設永樂町食料品小賣市場」として栄えました。1階は生鮮食品のほか、行列ができるおこわ弁当「林合發油飯店」や、蒸しパン(饅頭)専門店「老竹子三發包子」、新鮮なネタが好評の寿司店「丸隆生魚行」などで食事を楽しめます。2階は100店舗以上の生地店が並び、台湾の家庭で親しまれてきた花布柄や、台湾の注音符号ボポモフォ柄(写真左下)、台湾先住民族の伝統柄など台湾ならではの柄をモチーフにした布もあります。3階には仕立て屋があるので、2階で購入した布を3階へ持ち込んでオーダーメイドでバッグやポーチを作ることができます。建物の外にはレンタルバイク(YouBike)のステーションがあるので、自転車でのアクセスもおすすめです!
■永樂市場(永樂布業商場) (ヨンルーシーチャン)
・住所: 台北市大同區迪化街一段21號
・最寄り駅: MRT松山新店線「北門」駅3番出口から徒歩約10分
・営業時間: 10:00~18:00
・定休日: 日曜日
・電話番号: 02-2558-8846
迪化街のパワスポと言えば、永樂市場のすぐ北にある台北霞海城隍廟です。主神の霞海城隍爺は、交通安全や仕事運にも御利益がある神様で、1821年に中国福建省同安県から開拓民とともに台湾へやってきました。当初は艋舺(現在の萬華)で祀られていましたが、移民間で大規模な争いが起こり、1856年に今の場所に移されました。敷地内には、霞海城隍爺のほか、赤い糸を授けて縁を結ぶ月下老人、家庭円満の城隍夫人、海の守り神である媽祖など、なんと600以上の神様が祀られています。旧暦5月14日は霞海城隍爺の生誕祭、旧暦8月15日は月下老人の生誕祭が行われ、多くの参拝客が訪れます。日本語での説明書きやガイドもいるので、参拝方法がわからない人でも安心です。
■台北霞海城隍廟 (タイペイシアハイチョンフアンミャオ)
・住所: 台北市大同區迪化街一段61號
・最寄り駅: MRT松山新店線「北門」駅3番出口から徒歩約10分
・営業時間: 7:00~19:00
・定休日: 無休
・電話番号: 02-2558-0346
19世紀に茶産業の黄金期を迎えた大稲埕では、台湾北部で栽培された烏龍茶をこのエリアで焙煎、製茶していました。当時、この辺りには200店舗以上の茶葉店が並んでいたそうです。有記名茶は、1890年に中国福建省安渓アモイで「王有記茶荘」として創業したのが始まりで、1907年に台湾へ来て茶行をスタートしました。炭火を使ってじっくり焙煎する伝統製法は今でも受け継がれています。現在は5代目である王聖鈞さんが後を継ぎ、工場見学ができるようにしたり、台湾人デザイナーとタッグを組んで茶葉のパッケージデザインを一新したりするなど新しいことにもチャレンジしてきました。2020年9月には、有記名茶の隣に「Wangtea Lab」をオープン。スタイリッシュな店内にて、タップで注ぐドラフトティーやスパークリングティーが味わえます。
■有記名茶Wang Tea (ヨウジーミンチャー)
・住所: 台北市大同區重慶北路二段64巷26號
・最寄り駅: MRT松山新店線「北門」駅3番出口から徒歩約12分
・営業時間: 9:00〜18:00
・定休日: 日曜日
・電話番号: 02-2555-9164
・URL: https://wangtea.com.tw/home-jp
台湾茶を楽しめるスポットはいくつかありますが、迪化街の中心部で手軽に楽しむなら「南街得意」がおすすめです。築100年以上の町屋をリノベーションした落ち着きのある店内には、アンティーク家具が配され雰囲気抜群。台湾を代表する凍頂烏龍茶や文山包種、鉄観音、東方美人茶、紅玉など常時18種類の茶葉を扱っています。お茶請け付きで、1ポット250元(約1000円)。メニューに日本語での茶葉解説もあり、実際に茶葉の香りを確認しながら選べるのもうれしいポイントです。古建築のため12歳以下は入店不可となっています。1階は茶器を販売する「民藝埕」があり、南街得意で扱っている「台客藍」の茶器も購入できますよ。小籠包型の調味料入れがとってもキュートです!
■南街得意(ナンジエドゥーイー)
・住所: 台北市大同區迪化街一段67號2F
・最寄り駅: MRT松山新店線「北門」駅3番出口から徒歩約10分
・営業時間: 10:20~18:20
・定休日: 旧暦大晦日
・電話番号: 02-2552-1367(#21)
・URL: https://www.facebook.com/TeaDelight
工芸好きの方は、メイン通りの迪化街から少し外れた静かな路地にあるこちらのセレクトショップへ。2016年にオープンし、今年で5周年を迎えました。オーナーの謝欣翰さんが厳選した、台湾や日本で活動する現代工芸家の作品が並びます。一見、骨董品にも見える商品は、伝統工芸からインスピレーションを得て作られた作品ばかり。例えば、「白花花BY HUA HUA」さんの作品(写真右下)は、中国清代に刊行された彩色版画絵手本「芥子園画伝」の絵図をモチーフに作られた小皿や茶杯です。一点一点、作家の想いや作品作りのストーリーがあるのでじっくり見てみてください。店内では不定期でワークショップやトークショーなどのイベントも開催しています。商品にもよりますが、日本からもネット購入ができます!
■地衣荒物 Earthing Way (ディーイーファンウー)
・住所: 台北市大同區民樂街34號
・最寄り駅: MRT中和新蘆線「大橋頭」駅D3出口から徒歩約11分
・営業時間: 10:30〜19:30
・定休日: 月、火曜日
・電話番号: 02-2550-2270
・URL: https://earthingway.waca.ec/
もとは松山文創園區にあったコーヒー好きが集うカフェですが、2021年9月に迪化街へ移転オープンしました。バリスタでもあるオーナーの高振御さんは、過去にはコーヒーとカレーのお店「寅樂屋」や一席だけのカフェ「一席 Alone Together」を営んでいた方です。この日おすすめされたのは、中沢乳業のホイップクリームをたっぷりのせた新メニュー、維也納咖啡250元(約1000円)。ほろ苦いコーヒーに、まろやかなクリームが相性抜群です。台北で人気のチョコレート専門店「Chocoholic」が、このお店のために作った生チョコレートも絶品でした。少し雑談をしたあと、「どんな音楽が聴きたいですか?」と聞かれて咄嗟に答えられずにいると「これなんかどうだろう」とおすすめされたのが、台湾を代表するR&Bシンガーである陶喆が1997年にリリースしたアルバム。神曲である「飛機場的10:30」を聴きながらのんびり過ごしたのでした。
■菸花《Op.118.2》 (イエンファー)
・住所: 台北市大同區迪化街一段14巷38號
・最寄り駅: MRT松山新店線「北門」駅3番出口から徒歩約8分
・営業時間: 13:00〜20:00
・定休日: 木曜日
・電話番号: 0930-024-003
・URL: https://www.instagram.com/op_118_2/
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※当記事は、2021年12月22日現在のものです
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◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
TEXT&PHOTO:トラベル・キッチン 大西稚恵