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韓国観光公社主催の視察旅行で、2022年6月中旬『arucoソウル』の編集担当が約2年半ぶりに韓国へ。これまで日本-韓国の出入国やソウルの人気タウンの今、最新エンタメ情報などをお伝えしてきましたが、今回はコロナ禍でも予約倍増の豪華リゾートと最旬の新名所をレポート。少し足をのばすだけで韓国の新たな魅力に出会えました!
前回のレポートと前後しますが、視察旅行初日の宿泊は、仁川空港から車で約5分のパラダイスホテル&リゾート。東京ドーム約7個分を有するパラダイスシティ内にあり、韓国最大の外国人専用カジノや夜の遊園地がコンセプトのテーマパーク、韓国のチムジルバン(サウナ)とヨーロッパのメソッドを融合したヒーリングスパなどが隣接。とここまでは「地球の歩き方」の記事で何度も目にしているのである程度は想像していましたが、実際は想像をはるかに超えるインパクトで、PCR検査の結果待ちで客室にこもっている間も、ずっとワクワクが止まりませんでした。結局施設を見学できたのは夜になってからでしたが、前述のファシリティに加え、幻想的なライトアップや行く先々で出会う約3000点ものアート、喧噪の消えたガーデンやアーケードなど、スタイリッシュで落ち着いた雰囲気はまさに大人の楽園。
翌朝ビュッフェへ向かうと、韓国人のカップルやファミリーでにぎわい、昨晩の印象とは180度異なる光景が。欧米や韓国、中国の料理をふんだんに取り揃えた各エリアには、動物の顔を描いた点心など遊び心のあるグルメを用意し、幅広い客層に対応。以前はカジノ目的の外国人観光客がメインでしたが、コロナ禍で海外旅行へ行けなくなった国内からのゲストがここ2年で急増したそう。たしかにここには、異国情緒や日夜別の顔があり、日常やソウルのホテルにはないアミューズメントが完備。もちろん部屋から一歩も出ずに過ごす贅沢も……。今、地元の人が選ぶ極上のホカンス(ホテルとバカンスを組み合わせた韓国の造語)、仁川空港利用の入国・出国時にぜひ体験してみてください。
パラダイスシティ https://www.p-city.com/
パラダイスシティに後ろ髪を引かれながら次に視察したのは、京義道(キョンギド)水原(スウォン)。ここで位置関係をざっくり説明すると、パラダイスシティがあるのは仁川(インチョン)広域市で、右隣がソウル特別市。そのソウルをほぼドーナツ形に囲んでいるのが京畿道で、そのなかの南に位置しているのが水原です。仁川も水原もソウルから地下鉄で約1時間なので、人混みを避けたいソウルっこの絶好のプレイスポットとして注目を集めているそうです。
水原の一大観光名所といえば、1997年に世界遺産に登録された華城(ファソン)。韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』や『イ・サン』の舞台として有名ですが、建築そのものも“世界で最も美しい軍事施設”と称されています。朝鮮古来の築城術に西洋の技法を取り入れ、完成した1796年当時最高峰の粋を集結。機能性と造形美を兼ね備えた華城への称賛はそれだけでなく、それまで別々に築かれていた城と都を全長約5.7㎞にも及ぶ城壁で囲み、すべての市民を守れるように設計。時の王、正祖(李氏朝鮮第22代王/イ・サン)の理想とした都市形成が反映されている点も高く評価されています。
華城は歩いて巡るとゆうに3時間はかかりますが、時短で観光するなら車で城壁を周遊する華城御車と上空から一望するフライング水原がおすすめ。華城御車は主要スポットを走り、日本語の音声案内が流れるイヤホンジャックが設置されています。フライング水原は地上とケーブルで連結した気球を約80mまで上昇させ、約15分遊覧。高所が苦手な方には不向きですが、ユニークな体験にテンションが上がりました。
水原文化財団 http://www.swcf.or.kr/japan/
水原には華城以外にも見どころがたくさん。『パラサイト 半地下の家族』のチェ・ウシクと『梨泰院クラス』のキム・ダミ共演で話題となった韓国ドラマ『その年、私たちは』のロケ地が点在し、おしゃれなカフェも続々オープン。また、忘れてはならないのが王カルビと名高い水原カルビ。実はここでも正祖がおおいに貢献。市民の生活を助けるために牛を貸し出したことから牛肉の取引が盛んになり、現在の骨付き特大牛カルビへと発展したのだとか。おかげで韓国一(個人的感想)おいしいカルビを存分に堪能できました。今回案内してもらった水原カルビ専門店の佳甫亭(カボジョン)は3号館まである超繁盛店で、ちょっとドレスアップした水原マダムがひっきりなしに出入りしていました。
ここまでソウル郊外の注目エリアをレポートしてきましたが、最後に韓国人が今、最も話題にしているソウルの新名所についてお話しします。韓国政治の中心を担う大統領府が移転したことにより、旧大統領府として青瓦台(チョンワデ)を2022年5月に一般市民へ開放。青瓦台はその名の通り、背景の北岳山(プガクサン)に映える鮮やかなブルーの瓦屋根が特徴で、本館を中心に迎賓館、春秋館、緑地園、無窮花の丘、七宮などから成っています。本館入口で靴にカバーをしたら、見学スタート。ルートはほぼ決まっていますが、写真・動画撮影が可能なため、ニュースなどでたびたび目にしていた大統領の執務室や外国の首脳との会談が行われる接見室、赤いじゅうたんが敷かれた階段など、自撮り、もしくは家族で記念撮影をしている人で渋滞になっている個所も。
歴代大統領と家族が暮らした官邸は、今までイメージがなかったので興味津々。ただしここは内見はできず、建物を一周し窓越しになかを見学する仕組みに。リビングや寝室、美容室にドレスルームなど、それぞれの部屋に案内があり、覗いては暮らしぶりを妄想……。キッチンの前にはキムチ用のかめと今風のグリルがありました。
去り際に本館前でステージのようなセットを見かけたので、あとで調べてみたら、なんと見学した6月17日、19:00からK-POPアーティストRAINのライブが! こういう開かれた部分も韓国の魅力ではないでしょうか。ライブの様子は秋以降にNetflixで放映予定なので、楽しみに待つことにします。
青瓦台のある三清洞(サムチョンドン)を南へ下った北村(プッチョン)に、韓国の食文化をあれこれ学べる施設が誕生。キムチなどの歴史や器の展示、料理体験、伝統茶や韓菓子が楽しめるカフェ、韓食ライブラリーなどがあり、散策のひと息にいいかもしれません。伝統酒ギャラリーではイケメンソムリエの説明を聞きながら試飲することができました。外国人観光客向けにまだ整備されていないところはありますが、韓国料理やマッコリ好きは要チェックです。
韓食文化空間イウム https://www.hansik.or.kr
3回に分け、視察旅行で見たまま感じたままの韓国をレポートしましたがいかがでしたか。韓国も日本同様ここ1ヵ月で新規陽性者3万5883人、死者17人(7月25日時点)と増加傾向にあり、入国後のPCR検査が72時間以内から24時間以内(到着翌日23:59まで)へと強化され、陰性結果が出るまではホテルで待機と少し厳しくなってしまいました。とはいえ、今のところ入国やVISA発給についての変更情報はありません。
無理せず慎重に、ウィズコロナの韓国旅行にもきっと楽しい発見がいっぱいあるはず。そろそろ渡韓準備、はじめましょうか?
取材協力: 韓国観光公社
★今回の視察取材の記事はこちらもチェック!
・「日本-韓国の出入国と“ソウルの今”を最速レポート 渡韓準備はそろそろはじめどき!」の記事はこちら
・「“今、行くべき韓国”を最速レポート! 『梨泰院クラス』ロケ地に聖水洞、そして明洞へ」の記事はこちら
人気のレトロな韓屋タウン“益善洞”に、おしゃれなカフェ巡りが楽しい“延南洞”、リノベ建築がスタイリッシュな“聖水洞”など、旬のエリアを徹底紹介。フォト散歩が楽しい壁画村やパワスポと名高い王宮の楽しみ方もピックアップ。人気韓国コスメブランドの気になるアイテム情報も必見です!
■地球の歩き方 aruco 2 ソウル 2019年~2020年版
・URL: https://hon.gakken.jp/book/2080138600
※当記事は、2022年7月27日現在のものです
TEXT&PHOTO: 『地球の歩き方 aruco ソウル』編集担当 井上香菜美
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
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◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html