地球の歩き方からeSIMがリリース!レンタルWi-Fiとの使い分けを徹底解説
2024.10.28
キーワードで検索
今や海外旅行でなくてはならないスマートフォンやタブレット。ショップやレストラン情報の検索や地図案内、宿や交通機関の予約、翻訳機能など、使えると便利なシーンが多いだけに、通信環境は旅の快適さを大きく左右します。今回はそんな海外の通信事情をご紹介! 旅のスタイルやどんな機能を優先して使いたいかなどを考慮しながら、自分に合った方法を見つけましょう。
| 料金 | 通信速度 | 持ち運びやすさ | 複数人での使用 | 事前準備の手軽さ | |
| ①SIMカード・eSIM | ○ | ◎ | ◎ | △(テザリングする場合は複数デバイスで使用可能) | △ |
| ②海外ローミング | △ | ○ | ◎ | △(テザリングする場合は複数デバイスで使用可能) | ○ |
| ③Wi-Fiルーター | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
| ④フリーWi-Fi | ◎ | ○ | ー | ◎ | ◎ |
海外でスマホをネットにつなぐ方法は、以下4つあります。
ここからは、それぞれの特徴や長所と短所、利用方法などを詳しく紹介します。旅のスタイルやニーズに合った方法を選んでみてください。
「頻繁に海外に行く」、「海外出張が多く、現地滞在日数が長い」という人にはSIMカードの利用が便利です。現地のモバイル回線を使用できるSIMカードを、SIMフリーのスマホに挿入・設定して利用します。比較的割安な料金で通信環境も良好なうえ、使いすぎによる高額請求の心配も不要です。
SIMカードとは、携帯の電話番号情報や携帯電話回線に接続するための情報などが書き込まれたカードのこと。渡航先で利用できるプリペイド式のSIMカードを購入し、自分のSIMフリースマホに差し込み・設定すれば、現地の回線を利用することができます。
SIMカードには、カード型の「物理SIM」と電子型の「eSIM」の2タイプがあります。
物理SIMは日本で事前に入手するか、現地で購入するかのふたつの方法があります。
物理SIMにはいろいろな種類があり、規格が合わないと利用できないので、購入時には注意しましょう。
eSIMは、Airalo(エラロ)やWorld eSIM(ワールドイーシム)をはじめとしたサイトやアプリで購入できます。国やデータ量、有効期間などのプランを選び、オンラインで決済を行います。このとき、自身の端末がeSIM対応であることを事前に確認してから購入しましょう。購入後にQRコードやダウンロードリンクが送られ、スマホの設定画面からプロファイルを追加すれば利用可能。
SIMカードによる通信にはいくつかのメリットとデメリットがあります。
「国内と同じように手軽にスマホを使いたい」、「旅行中だけ使えればいい」という人には、日本で使用しているスマホを介して渡航先のモバイル回線を使用して通信を行う、海外データローミングがおすすめ。いつも使っているスマホのまま、利用したいときにネット接続ができます。また、携帯電話回線を利用するので、SMSの利用もOK!
海外ローミング(国際ローミング、データローミング)とは、日本の携帯電話回線をそのまま海外で利用する仕組みで、現地キャリアの通信設備をとおして通話やデータ通信を行います。現地キャリアと接続されるゆえ高額請求になるおそれがあるため、国内のキャリアはローミングが使えるプランを2種類用意しています。
出発前に各携帯キャリアのウェブサイトなどで、料金や内容、利用可能エリアなどを確認し、海外用アプリがあればダウンロードしておきましょう。必要な設定を済ませておけば、現地到着後にお知らせメールが届き、利用開始可能となります。
オプション加入型プランの一例
月額内で利用可能型プランの一例
海外ローミングは、特別な機材を用意する必要がなく、いつものスマホで簡単に利用できるのがメリット。テザリングが利用できるため、複数人や複数端末で接続できるのも魅力です。
海外渡航時にオプションとして加入するローミングプランは、必要な時だけ利用できる柔軟さがメリット。旅行日数に応じて使う日分だけ料金が発生するため、短期旅行や一部の日だけデータを使いたい人に適しています。ただし、使用する「1日」は日本時間の0:00~23:59が基準のため、現地時間と混同しないよう注意が必要です。
一方、月額料金内で海外ローミングが利用できるプランは、追加料金を気にせず海外でも日本と同じ感覚で通信できる点が魅力。渡航前に追加でオプション契約をする必要がなく、出発してすぐに利用できてスムーズです。ただし、データ容量に上限がある点や上限を超えると通信速度制限がかかる点などに注意が必要。
「到着後すぐにスマホを使いたい」、「グループで旅行する」、「通信速度が速くないとイヤ」という人には、モバイル用の小型Wi-Fiルーターをレンタルするのがおすすめです。通信速度も十分で、ルーター1台でスマホやパソコンなどの複数の端末につなげられるのも魅力。レンタル料金が割安なうえ、グループ旅行などで仲間とシェアすればさらにお得です。
モバイルWi-Fiルーターとは、携帯可能なWi-Fiルーター(機器)のこと。「スマホ」と「モバイルWi-Fiルーター」の間はWi-Fiで接続され、「モバイルWi-Fiルーター」と「携帯基地局」の間は携帯電話回線で接続されます。そのため、日本国内で使用している一般的なモバイルWi-Fiルーターは海外では使えず、海外用に設定済みのものを持参することになります。
あらかじめネットでレンタル予約し、渡航時に指定した空港のカウンターで受け取るのが基本。出発当日に、空港カウンターでの事前予約なしの申し込みもできますが、レンタル機器が出払っている可能性もあるので事前手配が確実です。また、専用カウンターのない空港を利用する場合や乗り継ぎのために専用カウンターに立ち寄れない場合は、宅配便で受け取ることもできます。
モバイルWi-Fiルーターによる通信には、いくつかのメリットとデメリットがあります。
近年は、海外でも使えるSIMフリーのモバイルWi-Fiルーターもリリースされているので、複数台の端末を持って頻繁に海外に出かける人は、これを購入してしまうのもひとつの手。国内外問わず使いたいときに使いたい分をチャージするだけで利用でき、回線名義の登録や端末返却などの面倒な手続きも不要です。
渡航時は、行き先に対応しているSIMカードを挿入して使用。複数国に対応しているSIMカードもあり、出張や周遊でいくつかの国を巡る場合に重宝します。
フリーWi-Fiは無料で利用できる点が最大のメリット。ただし、Wi-Fi設備のあるエリア周辺でしか使えず、旅の行程のなかでは利用するタイミングが限られます。通信速度やセキュリティ面でも不安があるので、「あまりネットを利用しない」、「通信にコストをかけたくない」という人のための選択肢です。
フリーWi-Fiとは、ホテルやカフェなどの公共施設が、施設利用者のために無料で使えるように設置したWi-Fiルーターのこと。パスワードが必要ないフリーWi-Fiもある一方、施設利用者以外の「ただ乗り」を避けるために、パスワード設定をしたうえで、施設利用者のみにパスワードを教えている場合もあります。
ホテルやカフェ、レストラン、空港、駅などに、フリーWi-Fiルーターが設置されていれば使用可能。これらの場所で、スマホの「設定」から「Wi-Fi」を開くとWi-Fi一覧が表示されます。表示されるすべてがフリーWi-Fiというわけではないので、施設の公式Wi-Fiかどうか、案内表示などで確認しましょう。
フリーWi-Fiによる通信には、いくつかのメリットとデメリットがあります。
海外でスマホを使う際は事前の準備が必要です。この準備を怠ると、知らないうちに不要なデータ通信が行われ、あとで高額請求に泣くことになりかねません。海外でスマホをネットに接続する4つの方法のどれを使うかによって多少異なりますが、いずれも「通信料が高額にならないための準備」、「海外で接続するための申し込み」、「事前の下調べ」が不可欠です。
海外ローミングにより、提携していない現地キャリアとつながった場合は高額請求のおそれがあるので、利用しないなら「モバイルデータ通信」をオフにしましょう。また、一番注意したいのは海外に移動する前後。飛行機に乗り込む前に「モバイルデータ通信」と「データローミング」をオフにしておくことを忘れずに。
また、スマホの設定で「アプリの自動更新」をオンにしておくと、知らない間に大量のデータをやり取りしてしまうことがあります。急ぐものでなければ、海外旅行中に自動更新されない設定にしておきましょう。クラウドサービスのように、データが更新されるたびにデータの送受信を行うサービスについても、同期の設定を「Wi-Fiと接続したときのみ同期」などに変えておくのがおすすめ。
スマホ端末によってメニューや設定方法が異なる場合があります
現地のフリーWi-Fiでは不安という人は、SIMカード・eSIMの購入や海外ローミングサービスの申し込み、海外用モバイルWi-Fiルーターのレンタル手配などをしておきましょう。【基礎知識編①】を参考に、自身の旅のスタイルや好みに合った通信手段を見つけてください。
現地で海外用モバイルWi-FiルーターやフリーWi-Fiを利用するのであれば、Wi-Fiの接続方法を覚えておきましょう。フリーWi-Fiの場合は、現地Wi-Fi設置者などのウェブサイトが表示されることもあるので、その場合は画面の指示に従って接続します。
現地SIMカードやeSIMに切り替えても、データ通信やWi-Fiを使ったインターネット環境下であれば日本国内と変わりなくLINEを利用できます。ただし中国は、情報規制のために国内の通信に制限がかけられており、LINEやX、Facebook、Instagram、Google関連のサービスなどは、基本的に使えないので注意が必要です。ただし、VPN(※)を利用したり、電話番号ではなくFacebookアカウントで登録したLINEを利用したりすれば、使用できる場合もあります。
VPNとは、仮想的にプライベートなネットワークを構成することで、第三者に侵入されないようなネット接続をすること
マイペースなひとり旅やにぎやかなグループ旅行、タスク満載のビジネストリップなど、旅の目的やスタイルによって必要な通信環境は異なります。旅行先の国のネットワーク事情や便利さ、安さ、手軽さなど、さまざまなシーンをシミレーションしながら最適な接続方法を選び、快適・安全に旅を楽しみましょう。