- 広島県
お得なきっぷで攻略 !3日間でワイドに楽しむ広島旅
2024.7.17
キーワードで検索
多彩なグルメと観光スポットが揃う広島市、嚴島神社が鎮座する宮島、呉や三原などの町並みや瀬戸内の島々など、魅力いっぱいの広島県。観光列車「etSETOra(エトセトラ)」と観光型高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」を使えば、なかなか個人では行きにくいスポットも効率よく周遊することができるんです。瀬戸内の陸と海の絶景を堪能する、2泊3日の欲張りプランをお届けします!
目次
東京から広島へは東海道・山陽新幹線「のぞみ」でアクセス。新幹線車内では、普通車の窓側・最前部・最後部席にコンセントが設置されており、バッテリー残量を気にせずスマホを使えるため、行きたいスポットや気になるお店をチェックするなど、移動時間も有効活用できるのがうれしいポイント。8:00に東京駅を出発し、広島駅到着までは約4時間。車窓の景色を眺めつつ、これから始まる旅の情報収集をしていると、広島まであっという間に到着です!
12:00頃広島駅に到着したら、市内の主要観光スポットを巡ってみましょう。
まずは、広島駅から路面電車やバスで15分ほどの「平和記念公園」へ。原爆死没者の慰霊と平和への祈りをつなぐ場所として開設された広島を代表するスポットです。園内には原爆ドームや広島平和記念資料館をはじめ、平和への願いが込められた60ものスポットが設置。貴重な資料を通した学びは、ここ広島でしかできない体験です。公園内には誰でも自由に撞ける「平和の鐘」もあり、ぜひ祈りを込めて鳴らしてみましょう。
続いて向かうのは、平和記念公園から徒歩5分の場所にある「おりづるタワー」。2016年にオープンした施設内の見どころは、屋上展望台「ひろしまの丘」です。高さは50mほどですが、周囲に高い建物がないため眺望抜群!原爆ドームはもちろん、晴れた日には同じく世界遺産である宮島の弥山まで見渡すことができます。
ちなみに1Fから屋上展望台まではエレベーターの利用も可能ですが、帰りは気分を変えてスパイラルスロープ “散歩坂”の利用がおすすめ。長さ約450m、9層のらせん状のスロープで、歩き進むにつれて変わる景色を楽しみながら散歩気分で歩いて上り下りできるエリアです。また、スパイラルスロープの中央部には螺旋状のすべり台「くるくるくーる」もあり、アクティブに楽しみながら滑り降りることもできちゃいます!
ほかにも、ぜひ体験してほしいのが「おりづるの壁」。施設の名称でもあるシンボル・おりづるを、自分の手で折って投入することができます。壁は透明のガラスになっており、外からは何層にも積み重なった色とりどりの鶴が見られます。多くの人々の祈りがのせられた無数のおりづるは圧巻の光景。自分のものが完成したら、そっと飛び立たせあげましょう。
広島市内を満喫したら、夜は広島のグルメを求めて「エキニシ」を散策してみませんか?「エキニシ」とは広島駅西側の飲み屋が立ち並ぶディープなエリア。広島駅からは徒歩約3分という好立地にあります。以前はどちらかというとおじさん達の飲み屋が立ち並ぶちょっと場末の街のイメージでしたが、ここ数年で突如イケてる飲み屋街に変貌を遂げてきています。牡蠣が食べられるお店も多く、はしご牡蠣を楽しむのもおすすめ。広島駅に隣接する立地もあってか、平日は地元のサラリーマンから若い女性のグループ、出張のビジネスマンなどでにぎわいます。
2日目は、観光列車「etSETOra」(エトセトラ)に乗車して三原駅を目指します。広島駅を出発し呉経由で運行するこの列車は、瀬戸内海に沿って走るため窓いっぱいに広がる絶景が魅力です。見晴らしのよいポイントでは、一時停車してくれたり速度を落としてくれたりするサービスも。特に海岸線に近づくエリアでは、まるで海に浮かんでいるような感覚が味わえます。
さらに、もうひとつの魅力が車内で堪能できる限定デザート。事前予約で提供される「瀬戸の小箱」(2000円~)は目にも楽しい華やかな見た目で、移動中も盛り上がること間違いなし。和菓子、洋菓子、セイボリーなどから選べ、往路と復路で種類が異なるのもうれしいですね。ほかにも、島ごころレモンケーキ(300円)やはっさくビール(750円)など、予約不要で買える車内メニューも充実。沿線エリアの素材を使ったフード&ドリンク片手に、車窓の景色を満喫しましょう♪
9:30頃に広島駅を出発し、3時間ほどで三原駅に到着。三原は瀬戸内でも有数のマダコの産地として知られており、肉厚&プリプリの新鮮な味が堪能できます。タコ飯、タコ天、タコ刺し、タコ焼き……などバラエティ豊かな料理も産地ならでは。ぜひランチで楽しんでくださいね。
広島市までの帰り道は、観光型高速クルーザー「SEA SPICA」(シースピカ)に乗船!2020年デビューの新しい船で、2023年に開催されたG7広島サミットで各国の首脳たちが乗船したことでも知られる、今注目のクルーズなんです。13:25に三原港を出発し、瀬戸内に浮かぶ個性的な島を周遊していきましょう。約4時間半の道中では、船上からしか見られないフォトスポットを通過するほか、2島では下船時間も設けられています。
2階建ての船内で、1階に角度にもこだわったゆったりくつろげるソファ席が。気持ちいい海風を感じたい方は、2階のスピカテラスへどうぞ。ソファやデッキチェアに座って、のんびりと船旅を満喫できる空間です。
最初の見どころは、三原港から約40分で到着する「大久野島」(おおくのしま)です。“ラビットアイランド”として知られるこの島には、500~600羽のうさぎたちが生息。その愛らしい姿を求め、世界中から観光客が訪れる人気のスポットなんです。ここでは約30分の観光時間が設けられており、下船してうさぎとの触れ合いを楽しみましょう。周囲4kmほどの島で約1時間半あれば島を一周できるため、30分でも十分に満喫することができますよ。
現在は癒やしスポットとして知られる大久野島ですが、実は戦時中には毒ガス工場があり、地図から消された悲しい歴史があります。1950年には国立公園に指定され、うさぎが暮らす自然豊かな景観が今日まで守られてきました。
そんな島のうさぎは警戒心が弱く、人懐っこい性格が特徴。島のあちこちで見ることができ、日向ぼっこをしたり草を食んだりする姿は心温まる光景です。抱っこしたり無理に追いかけまわしたりせず、優しく撫でてあげましょう。到着前には船内で餌を購入することもできるため、ぜひ餌やりも体験してみてくださいね。
35分ほどで次の寄港地、「大崎下島」(おおさきしもじま)に到着します。ここはレトロ可愛い町並みで知られる「御手洗地区」(みたらいちく)がある島。諸大名が立ち寄る風待ち・潮待ち港として栄え、江戸時代に多くの船や人々が行き交いました。当時の建物は今も多く残されており、どこか懐かしさを感じる景色が魅力です。約60分設けられた観光時間で、カメラを片手にノスタルジックなフォトさんぽはいかがですか?
御手洗港から歩いてすぐの場所にあるのが、「御手洗町並み保存地区」。レトロなポストや看板など、思わず写真に収めたくなるスポットばかり。一歩路地に入れば、まるでタイムスリップしたかのような気分が味わえます。なかでも地区内にある「乙女座」は、昭和30年代まで島で親しまれてきた劇場です。2002年に復元された館内は、当時のまま畳敷きの客席が設けられており、昭和風情漂う雰囲気が演出されています。
「SEA SPICA」は船上から眺める絶景も盛りだくさん!続いては、ここでしか見られないフォトジェニックなスポットを巡っていきます。初めに通過するのが、平清盛が切り開いたと伝えられる海峡「音戸の瀬戸」(おんどのせと)。ここで目に入るのが、「音戸大橋」「第二音戸大橋」と呼ばれるアーチ橋です。美しい真紅の色彩は青空や海とのコントラストが絶景!春になれば、桜とツツジが咲き誇りいっそう華やかな景色を見せてくれます。
そしてクルーズ最後の見どころとなるのは、かつて東洋一の軍港として知られた「海上自衛隊呉基地」です。現在は潜水艦や護衛艦など、多彩な艦船を間近に眺めることができ迫力満点!船上からだけの特別な景色をウオッチングしてみましょう。呉港到着は17:25頃のため、運よく日の入り15分前の場合は「君が代」のラッパ音とともに自衛艦旗が降下する時間帯に遭遇することもあるそう。
徐々に日が沈んでいくと、船内のテラスにはほのかな灯りがつきライトアップ。昼間とはひと味違ったロマンティックな雰囲気に包まれながら、18:00に広島港へ到着です。
広島旅行といえば、パワースポットとして名高い「宮島」は外せません。広島駅からJR山陽本線で宮島口駅まで約30分でアクセスし、約10分のフェリーを経て到着。広島駅から1時間もかからず行くことができるため、最終日でも気軽に立ち寄れるのが魅力です。
古くから「神の島」としてあがめられる宮島には、593年創建の「嚴島神社」が鎮座しており、なかでも満潮時に大鳥居が海の中に浮かぶ様子は、一度は見てみたい幻想的な光景です。沖に突き出した火焼前(ひたさき)と呼ばれる場所から正面の姿を収めたり、回廊から能舞台越しに撮影したり……さまざまな角度から大鳥居を眺めてみましょう。干潮時に大鳥居の下まで歩き、その堂々たる大きさを間近で体感してみるのもおすすめですよ。
小腹がすいたら、約70店舗が軒を連ねる「表参道商店街」に立ち寄ってみましょう。ここでは宮島発祥の「もみじまんじゅう」や広島名物の「焼き牡蠣」など、気軽に食べられるワンハンドグルメが充実。さらに宮島の名物グルメといえば、「あなごめし」もマスト。島には100年以上続く歴史ある店もあり、各店が提供するこだわりの味を堪能してみてくださいね。ほかにも伝統工芸品・宮島杓子などを販売する工芸品店も並び、おみやげ買いにもぴったり。にぎやかな雰囲気を楽しみつつ、のんびり散策を楽しんでください。
まだおみやげが買い足りない!という方は、広島駅に戻ったら中国地方最大級の広さを誇る駅ビル「ekie」に立ち寄ってみてください。スイーツから調味料まで、選びきれないほどの豊富なおみやげが揃い、必ず欲しいものが見つかるはずです。
両手いっぱいのおみやげを抱え、17:00発の新幹線のぞみ号に乗って東京へ。広島駅で購入した駅弁を食べれば、楽しかった旅の思い出話もさらに盛り上がります。フォトジェニックな旅写真も車内無料Wi-Fi(※一部車両を除く)を利用し、スムーズにシェア!快適な車内で、最後の最後までとことん旅を楽しみつくせます。
「etSETOra(エトセトラ)」は呉線経由で広島駅~尾道駅を1日1往復運行する観光列車。列車名である「etSETOra(エトセトラ)」は「その他いろいろ」というラテン語の意味以外に、広島弁で「えっと」=「たくさんの」という意味もあります。車内グルメも充実していて、尾道駅~広島駅の復路ではバー空間も登場するんです(呉駅到着後に終了)。スイーツやドリンクに舌鼓を打ちながら、魅力あふれる瀬戸内を堪能しましょう。
約半日をかけて瀬戸内の魅力を余すことなく満喫する、観光型高速クルーザーの「SEA SPICA(シースピカ)」。広島港~三原港を1日1往復運航し、クルーズの時間を盛り上げてくれる仕掛けが盛りだくさん!立ち寄る島々での観光や、船上からの絶景が魅力です。往復両コース、「呉の海上自衛隊呉基地」と「音戸の瀬戸」の鑑賞、また「大久野島」でのうさぎとの触れ合いが共通で楽しめますよ。ちなみに、今回紹介できなかった広島~三原間の東向きコースは、「下蒲刈島の三ノ瀬地区」での散策、瀬戸内の軍艦島「契島」が含まれています。
プランは乗船のみのほか、寄港地での昼食つきや期間限定プランまで豊富に用意。さらに「etSETOra」と「SEA SPICA」の両方に乗車できる、お得なパッケージプランも人気!旅プランや行きたい場所に合わせて、好みのコースを選んでみてくださいね。
「etSETOra(エトセトラ)」と「SEA SPICA(シースピカ)」を使えば、陸と海の絶景を堪能しつつせとうち広島を効率よく回れます。「行きたいスポットはたくさんあるけど、一度で全部回りきるのは難しそう……」と週末旅行を諦めていた方にもぴったり。
歴史あるスポットが多い広島県ですが、2023年9月には、HITひろしま観光大使として「ひろくま」が誕生するという新ニュースも!また、現在広島県では広島ファンが広島のことを教えてくれて、まるで広島に友達がいるような感覚で広島の情報を知ることができるひろしま観光アプリ「KINSAI」(きんさい)というサービスを提供中。事前に行先についてチェックしたり質問を投稿することで、あまり知られていないディープな情報を得られるかも⁉今度のお休みは新&旧の魅力が混在する広島県へ、列車とクルーズを使った旅を楽しんでみませんか?
●ひろしま公式観光サイト「Dive!Hiroshima」
https://dive-hiroshima.com/
●ひろしま観光アプリ「KINSAI」(きんさい)
https://kin-sai.com/
TEXT:渡辺菜々子(ART LOVE MUSIC)
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
(関連記事)https://www.arukikata.co.jp/web/catalog/article/travel-support/