
ウガンダのローカルフード「ロレックス」とは?
2023.4.17
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執筆者:朝比奈千鶴
2017年、教育と平和構築分野の専門家としてアイ・シー・ネットに入社。2021年から学研教室を海外展開する事業に従事。トルコに住むシリア難民支援の案件や、ルーマニアに住むウクライナ難民の子どもたちが学研教室の教材を使って学習するための支援に携わった。アフリカとチョコレートをこよなく愛し、将来はアフリカにチョコレート工場、最終的にはチョコレートの街をつくる野望を持つ。
カカオというとアフリカや南米を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は東南アジアでも生産されています。今回は、ミャンマー、ラオス、マレーシア、ベトナムで出合ったチョコレートやチョコレート屋をご紹介します。
目次
「カカオベルト」という言葉があるのをご存じでしょうか。日本では残念ながら生産がなかなか難しいカカオは、赤道を挟んで南緯20度から北緯20度の地域を指します。ただ、この地域であればどこでも育つのではなく、カカオの最適な生育条件というものがあり、実際にカカオが生産されるのはカカオベルトに当てはまる地域の中でも、生育条件に適合している国になるのです。
東南アジア地域では、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどで生産されています。アフリカや南米に比べると、東南アジアのカカオはあまり有名ではないかもしれませんが、実はインドネシアは世界のカカオ豆の収穫量の約2割を占めていた記録もあるんです。今回は、ミャンマー、ラオス、マレーシア、ベトナムの4ヵ国で食べ歩いたチョコレートをご紹介します。
ミャンマーでは、カカオが生産されていることはあまり知られていません。オフィスの現地スタッフにおいしいチョコレートを知っているかと聞いたら、「カカオが採れないから、私たちはあまりチョコレートを食べないわ」と言っていました。確かに、ショッピングモールなどでも外国から入ってきたドーナツ屋やスイーツのお店が多く、なかなかミャンマーのチョコレートが見つけられませんでした。
そんななか、おみやげを買おうとスーパーに入ったら、お菓子売り場に「メイド・イン・ミャンマー」のチョコレートを見つけたのです。その名は「アナンダ・チョコレート(Ananda Chocolate)」。しかも、「ビーン・トゥ・バー」のチョコレート。
あまり期待していなかったのに、食べてみるとこれもまたいい意味で裏切られたと思うほど、おいしいのです。筆者が購入したのはミルクチョコレートですが、普段日本で食べるミルクチョコレートよりも少しビターな感じがしました。原材料を見てみると、やはり、カカオが45%。普通の日本のブラックの板チョコが50%なので、甘いものが苦手な人でも抵抗なく食べられると思います。さらに、原材料には「努力と情熱 (a lot of work and passion)」という記載もあり、生産者の方たちの強い思いが伝わってきます。
カカオベルトの地域には該当するラオスですが、実際にはあまり栽培されていません。チョコレートのお店も首都ビエンチャンですら見かけず、ちょっとおしゃれなカフェにチョコレートケーキがあるくらいです。
そんななか、同僚とランチを食べた近所の何の変哲もない現地のレストランのレジの近くに、ぽんと置かれていた黒い物体が目に留まりました。商品名は「ブラウニー」。私が知ってるブラウニーとは違うな、と思いつつもチョコレートを見たからには買わないと気が収まらない筆者。見た目が蒸しパンのようなブラウニーを食べてみると、意外と濃厚。たまにナッツが顔を出し、またいい感じの食感を与えてくれます。見た目で判断してはいけないことを学びました。
そこまで多くはないですがカカオの生産もされているマレーシアでは、チョコレートのお店も充実しています。おしゃれなチョコレートのおみやげ屋やチョコレートのカフェもあります。
マレーシアでチョコレートに困ることはありません。その中でも、日本で有名なのはベリーズ(Beryl‘s)ではないでしょうか。アーモンドチョコや板チョコ、おみやげ用にクアラルンプールのペトロナスタワーの絵が入った缶のチョコレートなど種類も豊富です。チャイナタウンにあるベリーズのお店は、カフェと併設されていて外観も映えます。ただ、筆者が行った時間はカフェが開いておらず、食べられなかったのが残念です。次回こそ、行ってみたいと思います。そして、何とベリーズのチョコレートは日本のスーパーでもたまに見かけます。
ほかにもハリストンブティック(Harriston Boutique)というチョコレート屋があります。こちらはおみやげ用の大袋のものが多いのですが、その横にちまっとあるスペースで、1粒ごとに売られているチョコレートが、本当においしかったです。おしゃれなうえに、とってもクリーミーな舌触りでした。おみやげに買ったつもりがひとりで食べてしまいました。マレーシア国内でもチョコレート好きは多く、マレーシアのブランドだけでなく様々な国のチョコレートのお店がマレーシアのショッピングモールでは出合えます。
フランスの植民地だったベトナムは、1800年代からカカオ生産が始まりました。カカオが国内で生産されているため、チョコレートも身近な存在です。今回はベトナムで生産されているカカオが使われているビーン・トゥ・バーのチョコレートをご紹介します。
ハノイで有名なチョコレート屋さんマルウ(Marou)は2023年日本でも最大規模のチョコレートの祭典サロンデュショコラにも出展しています。フランス人のショコラティエにより設立されたチョコレート屋で、併設されているカフェではチョコレートができるまでの工程を見ながらそこで作られたチョコレートを楽しむことができます。
メゾン・マルウ・サイゴン
詳細をみるまた、ハノイにはフェヴァ(Pheva)というチョコレートのお店もあります。いろいろな味のカレ(正方形の薄いチョコレート)が並べられており、箱のサイズを選んで、自分で好きな味を詰めていくことができます。ペッパーチョコレートという味はお酒好きの方に好まれるようです。
フェヴァ
詳細をみるホーチミンでは、ビノン(Binon)というチョコレート屋に出合いました。おしゃれなパッケージに包まれたチョコレートを眺めつつ、店内のカフェを楽しむことができます。
今回は4ヵ国で出合ったチョコレートについてお話させていただきました。どの国も特長があり、おいしいチョコレートがあります。
ぜひ、どこかに行かれた際はその国のチョコレートにも目を向けてみてください!
監修:地球の歩き方
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