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中国の広州といえば何といってもグルメ!「食材広州(食は広州にあり)」といわれるくらい、豊富な食材やメニューがあります。今回は、2025年2月に広州に行った際に実際に食べたもののなかでおすすめをご紹介。
広州を代表する食文化ともいえるのが朝早くから飲茶をいただくこと。現地の言葉では「早茶(ザオチャー)」といい、広州でこの早茶をやらずして帰れない! と、早起きして市内の老舗の飲茶店「蓮香楼」へ。店に入ると、歴史を感じる内装と見るからに地元の常連客で埋まっている様子に心がおどります。飲茶ではまずはお茶を選ぶところからスタート。好きなお茶を注文し、店員さんがていねいにお茶を淹れてくれるのを眺めるのは至福のひとときです。中国では、二次元コードをかざしてスマホからの注文がかなり広まっていますがここでは昔ながらの鉛筆で注文票を書く方式でそれもまた旅のワクワク感を刺激してくれます。
まわりを見渡すと、常連のおじちゃんおばちゃんたちは朝ごはんを食べにきているというより、お茶を飲みながら新聞を読んだり、顔なじみのお客さん同士でおしゃべりしたりと朝のルーティン時間を過ごしているよう。そんな雰囲気を楽しめるのも、広州の早茶の魅力なのだなと感じました。
ところでこの「蓮香楼」はおみやげも充実しているのがポイント。1階はショップになっており、クッキーや月餅など中華菓子がずらりと並んでいます。今回、広州に詳しい方におすすめしてもらった「鶏仔餅」を購入。見た目はざくざくしたクッキーのような形で、中にサラミのような細かいお肉が入っていて甘い&しょっぱいを同時に味わえます。鶏という漢字ですが、肉は豚肉とのこと。ちょっとびっくりする味ですが、意外とハマるひとも多く、ワインのおともなんかにも合いそうな逸品です。
広州は町なかに屋台や夜市も点在し、食べ歩きも楽しめるのがうれしいポイント。気軽に立ち寄れるようなスタンド形式の屋台もあれば、ゆっくり座って食事ができるようなイートイン形式の店もあります。
今回私は広州の名物のひとつ、「牛雑(ニウザー)」をチョイス。牛のさまざまな内臓の部位を煮込んだ、いわゆる日本のもつ煮込みのようなもの。注文すると目の前でランダムに部位を選んでチョキチョキ切って提供してくれます。ホルモン大好きな身としては絶対に食べたかった一品でした。実際に食べてみると、見た目よりもとっても食べやすく、また複数の部位が入っているのでモチモチしていたりコリコリしていたりいろんな食感が楽しめて美味! 広州に来たら必ず試していただきたいB級グルメです。
広州に行ったらもうひとつ食べておきたいのがお粥。広東式のお粥は魚介やお肉などさまざまな具材がたっぷり入っているのが特徴。お粥でありながら食べ応えがしっかりあり、具の濃厚なうま味が感じられて満足感がケタ違い。今回は帰国日に、町なかのカジュアルなお店へ駈け込んで魚介のお粥を注文。同じく広州の名物である「腸粉」とあわせて26元(=約520円)というコスパのよさも魅力です。
今回は、広州のお隣にある潮州市の料理も味わえるレストランにも行きました。潮州料理は、広東省潮州市を起源とする中華料理の一種で広東料理を基盤としつつ、海鮮を使った料理も充実素材の持ち味をいかした調理法が多いのも特徴です。
最後は広州のスイーツ店をご紹介。広州発祥の有名デザート「姜撞奶(生姜牛乳プリン)」をいただける町なかの小さな路面店へ。この生姜牛乳プリンというのは、水牛のミルクに生姜の絞り汁を足すとゼラチンなどを足さずともプルンと固まるというなんともふしぎなデザート。生姜の香りとピリっとした辛みがスパイスとなり、あとを引くおいしさです。そのほかにもこちらの店では、さまざまな中華スイーツが勢ぞろい。なかでも注目したのが「牛奶椰子雪莲炖桃胶(桃の樹液とココナッツミルク)」。桃の木の樹液なんて生まれて初めて口にしましたがゼリーのような食感でほんのり甘くさっぱりとしたお味。体を温める作用や美容効果もあるそうで、さすがデザートまで素材にこだわるのが医食同源の中国だなぁと感じました。
第1回の記事では、広州のおすすめ観光地をご紹介!こちらもあわせてチェックしてみてください。
広州は今回紹介したグルメ以外にもおいしいものがたくさん。日本では出合えない食べ物もいっぱいなので、ぜひいろいろトライしてみてくださいね。
『地球の歩き方 広州 アモイ 桂林』編では今回紹介したスポットはもちろん、広州の観光名所をほかにも多数紹介しています。
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2019/02/20発売華南最大の都市広州、菜の花畑の美しいブ源、魅力ある福建土楼。多くの民族が暮らす中国南東部と珠江デルタに特化した一冊
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TEXT/PHOTO:地球の歩き方編集室 斉藤麻理