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首都プラハにほど近い中央ボヘミア州には、王や貴族、領主たちによる城や城館、屋敷が数多く建てられました。その数は300を超えると言われており、人気の観光名所として開放されているところもあります。また、ホテルとして利用されている古城も多く、地元チェコや欧米の観光客の間で話題を呼んでいます。
プラハの南西約約25km、緑豊かな丘陵地帯にある古城で、14世紀に神聖ローマ皇帝カレル4世により建てられました。最初は王族の住居や財宝を保管するための要塞として利用され、その後は歴代の王の離宮としての役割を果たしていました。丘の上にそびえるゴシック様式の建物は美しく、多くの絵画のモチーフにもなっています。城内は広く、ふたつのガイドツアーで回ることができます。ひとつ目のツアーは、所要約1時間。カレル4世が実際に使用した謁見室や礼拝堂、宝物庫がメインです。ふたつ目のツアーは所要約100分で、 ツアー1のルートに加えて聖十字架礼拝堂などが組み込まれます。プラハからのアクセスは鉄道がメインとなりますが、駅から城までは30分ほど坂道を歩きます。スニーカーなど歩きやすい靴を用意しましょう。
カルルシュテイン城のお膝元にある町、カルルシュテインは、チェコを代表するワインの産地としても知られています。毎年9月下旬にはブドウの収穫を祝う祭りが盛大に行われます。人々は中世の服装に身を包み、通りを練り歩きます。グルメの屋台やライブパフォーマンスが町のあちこちに出て盛り上がります。クライマックスは、2日間の祭りのフィナーレを飾るパレード。カレル4世を先頭に、臣下たちが町のメイン通りを行進します。
中央ボヘミア州の小都市、ベネショフBenešovの町外れに建つ古城です。13世紀後半に創建され、チェコやドイツの貴族の手に次々と渡った末、最後にオーストリアのフランツ・フェルディナント皇太子Franz Ferdinandが1887年に購入し城主となりました。城は最初ゴシック様式で建てられましたが、後にルネッサンス様式に改修。城内は当時のままに保存されていてギャラリーのようになっています。オーストリアの皇族が使っていた家具や芸術品、刀剣や銃器のコレクションも必見ですが、最も有名なのがフランツ・フェルディナントが趣味の狩猟で集めた獲物の剥製。生涯で約30万頭もの動物を狩ったとされ、壁一面に剝製や首印、シカの角などがびっしりと並びます。なかにはインドのトラやシベリアクマの剝製も。城の周りにはフランス式の庭園が広がり、また周辺の森林は公園として整備されています。
切り立った崖の上に13世紀中頃に建てられた古城。城名の「シュテルン」はドイツ語で「星」という意味で、これは城を創建したディヴィショヴェツ家の家紋に由来しています。城は数々の戦闘の舞台となり、何度も破壊と改修が行われました。現在の初期バロック様式になったのは17世紀に起こった三十年戦争後。「スタッコ壁」と呼ばれる美しい装飾漆喰(しっくい)が特徴的です。城内はガイドツアーでのみ見学できます。ハイライトは騎士の広間。壁から天井にいたるまで、人物や植物をモチーフにした装飾漆喰が覆い尽くす様子は圧巻です。また豪華なシャンデリアなど、インテリアも必見です。
中央ボヘミア州にある城の中には、宿泊することができるところもあります。豪華なインテリアに囲まれて眠れば、王侯貴族の気分になれること間違いなし。おすすめのシャトーステイのできるホテルはこちらの4つ。
17世紀創建の貴族の館を利用した5つ星のラグジュアリーリゾートです。チェコでは初となるオーガニックウェルネスホテルで、併設のスパでは自然派プロダクトを使ったトリートメントが楽しめます。食事は地元の食材を多用したガストロノミーで、城の元所有者であったタクシス家のレシピを再現しています。森に囲まれた静かな村ムツェリにあり、城を取り囲むイングリッシュガーデンでのピクニックもできます。
「迷路の城」として有名な城です。城のイングリッシュガーデンには12の迷路が作られており、生け垣や石、木など個性豊か。城内見学のガイドツアーと合わせて楽しめます。敷地内にホテルがあるほか、城内に泊まることもできます。
ベネショフ近郊の村、ラトメリツェにあるブティックホテル。もともとは19世紀建造のネオクラシック様式の城館でしたが、モダンなデザインにリノベーションされホテルとして開業しました。周囲は森に囲まれており、チェコでは最も高い42mの2本のセコイアはホテルのシンボル。地元食材を使ったチェコ料理が楽しめるレストランでの食事も楽しみです。
中央ボヘミアの小さな村の元領主の館を改装したホテルです。客室はスタイリッシュなデザインに改装されており、スパやレストランなども併設しています。
中央ボヘミア州には、さまざまな体験プログラムを実施している施設が点在しています。プラハの西約40kmのズベチュノZbečnoにあるハムス農場は、17世紀の農家をそのまま展示した民俗博物館。農具や部屋を通して昔の農家の暮らしや文化を学ぶことができます。ガイドツアーのほかパン焼きなどのイベントも随時行われています。
また、ズベチュノの南西約10kmのニジュボルNižborには今も手作業でのガラス造りを続けるリュックル・ガラス工房があります。併設のショップで伝統的なボヘミアンガラスを購入できるほか、工房の見学、またガラス吹きやカッティング、絵付けなどを自分自身で体験することも可能です。
中央ボヘミア州の旅は、名城を巡るだけでは終わりません。中世の王や貴族が築いた空間を実際に歩き、ときには泊まり、その土地に息づく文化や伝統に触れることで、旅の印象はぐっと深まります。プラハから気軽に足を延ばせる距離にあり、日帰りでも宿泊でも楽しみ方を自由に組み立てられるのも魅力です。城ごとに異なる表情や歴史、周囲に広がる自然や人々の暮らしに触れていくうちに、チェコという国の奥行きが自然と見えてくるはず。少しだけ時間に余裕をもって、自分なりの古城の楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。