
「はじまりの大地」エチオピアの未来を拓くまちづくりに、日本の地方都市が与えた大事なヒント
2024.9.20
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エチオピアの歩き方
エチオピアは歴史と文化が交差する国だ。その地には何千年もの歴史が刻まれ、古代文明の名残が今なお息づいている。例えば世界遺産に登録されているラリベラの岩窟教会群や、アクスム王国の遺跡など、エチオピアは過去の偉大さを誇る宝庫である。しかし、エチオピアの魅力は遺跡だけに留まらない。エチオピア高地の壮大な景観や、ダナキル砂漠の地球とは思えない異世界のような風景、そしてエチオピアコーヒーの香りただよう首都アディスアベバの町並み。これらが混じり合うことで、エチオピアは訪れる者を驚かせる。冒険心をくすぐり心を豊かにしてくれる場所なのだ。
地球上で最も過酷な場所のひとつとされるダナキル砂漠は、エチオピアのなかでも特に異彩を放つエリアで、硫黄の噴出やカラフルな温泉が見られる火山地帯だ。さらに、エルタアレ火山では常に溶岩が流れ、地球の生命力を感じることができる。この砂漠の旅は地球の原初の姿を目の当たりにする体験であり、冒険好きにはたまらない魅力がある。極限の環境のなかで、生きる力を感じながら、地球の息吹を全身で感じる冒険が待っている。
エチオピアは、世界的に有名なコーヒーの発祥地として知られている。エチオピアでのコーヒー体験は、単なる飲み物としての楽しみを超えて、文化そのものを味わうことになる。アディスアベバのカフェで提供されるコーヒーは、深いコクと芳醇な香りが特徴で、その味わいはほかでは味わえないものだ。さらに、エチオピアの伝統的なコーヒーセレモニーに参加することで、現地の人々と深いつながりをもつことができる。この儀式は、時間をかけて1杯のコーヒーをていねいに淹れることで、日常のなかにある喜びと感謝を分かち合う特別な時間だ。
エチオピアの食文化は、ユニークかつ刺激的だ。なかでもインジェラという独特の酸味がある発酵パンは、エチオピア料理の中心的存在だ。このパンを使って、ワットという辛いシチューや、キットフォという生肉料理を手で食べるのが一般的。特に首都アディスアベバのレストランでは、伝統的なエチオピア料理を楽しむことができ、その味わいはほかのアフリカ諸国の料理とは一線を画す。
エチオピアは、古代文明の残響が今も鳴り響く国だ。特にアクスムやラリベラといった歴史的な地を訪れると、悠久の時を超えて伝わる宗教や文化に圧倒される。ラリベラの岩窟教会群は、13世紀頃に掘り出された巨大な岩山の中に、十字架の形をした教会が存在する。信仰と芸術が融合したこの場所は、まるで地上に現れた奇跡のようだ。一方アクスムでは、紀元前から存在する石碑や王宮の跡を目の当たりにすることができ、エチオピアがかつて繁栄を誇った古代帝国であったことを物語っている。
エチオピアの自然は、まさに壮観のひと言。シミエン山地国立公園はその代表格だ。ここでは切り立った山々や深い渓谷が織りなす壮大な景観に圧倒されるだろう。標高4500mを超えるラスダッシェン山を含む山々は、ハイキングやトレッキングに最適な場所で、自然愛好家にとっては夢のような場所だ。またここには絶滅危惧種であるゲラダヒヒやシミエンフォックスが生息しており、野生動物との出合いも楽しみのひとつ。大自然のなかで日常から切り離された静寂と雄大さを感じながら、心と体をリフレッシュさせられる。