イタリアの主要都市は?都市ごとの特徴や気候、観光スポットを解説

地球の歩き方編集室

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更新日
2025年10月22日
公開日
2025年10月22日
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イタリアには、個性豊かな都市が点在しています。首都ローマをはじめ、ファッションとデザインの中心地ミラノ、活気ある港町ナポリ、ルネサンス文化が残るフィレンツェなど、都市ごとに異なる魅力を満喫できます。この記事では、イタリアを代表する4つの都市の特徴と見どころを紹介します。イタリア旅行を計画する際に、ぜひ参考にしてみてください。

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イタリアのおもな都市

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イタリアには、その土地の歴史や文化、自然を感じられる都市が点在しています。行政区分は20の州(レジョーネ)に分けられ、そのなかに110の県、さらに市町村にあたるコムーネが存在します。20の州は、ピエモンテ州を含む北部7州、トスカーナ州を中心とした中部7州、カンパニア州や島部を含む南部6州に分けられます。

都市名 州名
ローマ ラツィオ州
ミラノ ロンバルディア州
ナポリ カンパニア州
フィレンツェ トスカーナ州

イタリアの首都「ローマ」

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イタリアの首都ローマは、永遠の都と称される歴史と文化の宝庫。いにしえより文化が花開いてきたこの町には、数多くの歴史的建造物が残されており、町を歩いているだけでタイムスリップしたような気分を味わえます。本場イタリア料理を味わう美食巡りやショッピングエリアでの買い物など、さまざまな楽しみ方ができるのも魅力。また、バチカン市国にアクセスしやすい点も特徴です。

ローマの基本情報

都市名
ローマ
面積
約1285平方キロメートル
日本からの直行便
あり(約15時間)
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

ローマの気候とベストシーズン

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ローマは地中海性気候で、日本と同様に四季があります。夏は雨が少なく、日本と比べると乾燥しています。梅雨はありませんが、冬にやや雨が多い傾向です。気温は東京と似ていますが、近年は季節外れの暑さや寒さが続くことがあり、注意が必要です。昼夜の寒暖差や屋内外の気温差があるため、羽織るものがあると便利です。また、緯度が高いので、夏は夜遅くまで明るいのも特徴。日本よりも日差しが強いため、帽子やサングラスなどのアイテムを携帯するのがおすすめです。

ローマ観光のベストシーズンは、春と秋。さわやかな晴れの日が多く、屋外での観光や町歩きに適しています。

ローマの空港と市内へのアクセス方法

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ローマ近郊にはフィウミチーノ空港(別名レオナルド・ダ・ヴィンチ空港)とチャンピーノ空港のふたつの空港があります。フィウミチーノ空港には日本から直行便が運航しており、所要時間は約15時間。

フィウミチーノ空港からローマ市内までは、列車や長距離バス、タクシーなどで移動可能。チャンピーノ空港から市内まではバス+地下鉄、長距離バス、タクシーなどでアクセスできます。

ローマのおすすめ観光スポット

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コロッセオ

コロッセオは古代ローマの円形闘技場で、ローマを象徴する観光スポットのひとつ。かつては剣闘士の試合や猛獣との戦い、時には処刑などが行われました。外観の壮大さに加え、地下施設やアーチなど高度な建築技術を間近で見られるのも魅力です。

トレヴィの泉

トレヴィの泉は、1762年に完成したバロック様式を代表する壮麗な噴水。中央にそびえ立つ海神ネプチューンの像は迫力満点で、訪れる人を魅了します。後ろ向きになって泉にコインを投げ入れると再びローマを訪れることができるという言い伝えがあり、観光客に人気のスポットです。

フォロ・ロマーノ

フォロ・ロマーノは、古代ローマ時代の政治、宗教、商業の中心地として栄えた歴史的遺跡。かつて神殿や公会堂などが集まっていた場所で、現在でも多くの遺跡が残されており、2000年以上前のローマの栄華を間近に体感できます。コロッセオとあわせて訪れることで、古代ローマ文明の奥深さをより深く味わえるでしょう。

ファッションの発信地「ミラノ」

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北部に位置するミラノは、イタリアを代表するファッションとデザインの都市。世界的に有名なミラノ・コレクションが開催されるファッションの中心地で、ショッピングスポットや高級ブランドの旗艦店が立ち並びます。また、壮麗なゴシック建築のドゥオーモ(ミラノ大聖堂)や、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』が置かれているサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会など、芸術や歴史に触れられる名所も点在しています。さらに、町には数多くのレストランがあり、多種多様なグルメやカフェ文化を楽しむこともできます。

ミラノの基本情報

都市名
ミラノ
面積
約182平方キロメートル
日本からの直行便
あり(約15時間)
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

ミラノの気候とベストシーズン

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ミラノの気候は、四季がはっきりと感じられるのが特徴。夏は30度を超える日もあります。冬は寒さが厳しく、気温が0度前後まで下がる日もあり、防寒対策が必要です。夏でも朝晩は冷え込むことがあるため、薄手の羽織りを携帯するなどの工夫をするとよいでしょう。

ミラノ観光のベストシーズンは、春と秋。比較的穏やかな気温が続き、観光や町歩きに適した時期となります。

ミラノの空港と市内へのアクセス方法

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ミラノ近郊にはミラノ・マルペンサ空港ミラノ・リナーテ空港オーリオ・アル・セーリオ空港の3つの空港があります。マルペンサ空港には日本から直行便が運航しており、所要時間は約15時間。

マルペンサ空港からミラノ市内までは、中・長距離バスや列車、タクシーなどで移動可能。リナーテ空港から市内までは地下鉄やシャトルバスなど、オーリオ・アル・セーリオ空港から市内まではバスやタクシーなどでアクセスできます。

ミラノのおすすめ観光スポット

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ドゥオーモ(ミラノ大聖堂)

ドゥオーモは、ゴシック建築の大傑作として知られる壮麗な大聖堂で、ミラノを象徴する観光スポットのひとつ。外観を彩る135本の尖塔や彫刻は圧巻で、細部まで緻密に施された装飾が訪れる人を魅了します。内部にある美しいステンドグラスも必見。屋上からは、町並みや遠くアルプスを望むパノラマビューを楽しめます。

ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア

ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアは、19世紀に建てられたミラノを代表するアーケード。美しいガラス天井とモザイク床が織りなす優雅な雰囲気の中に、ブランドショップや老舗カフェ、レストランなどが並び、ショッピングやグルメを楽しめます。ライトアップされた夜の姿も必見です。

スカラ座

スカラ座は世界的に有名な歌劇場で、クラシック音楽や舞台芸術の殿堂として知られています。オペラやバレエの鑑賞はもちろん、場内のスカラ座博物館では舞台衣装や楽譜の展示とともに劇場見学が可能。音楽好きはもちろん、芸術や歴史に触れたい人にもおすすめのスポットです。

活気ある港町「ナポリ」

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ナポリは、イタリア南部に位置する地中海に面した港町。ユネスコ世界遺産に登録された旧市街を中心に歴史ある建築物が点在し、歩くだけで多彩な文化を感じることができます。また、ナポリは美食の都としても名高く、本場のナポリピッツァは一生に一度は味わっておきたいもの。ナポリ湾越しに望むヴェスーヴィオ火山や海岸線も美しく、豊かな自然も楽しめます。

ナポリの基本情報

都市名
ナポリ
面積
約117平方キロメートル
日本からの直行便
なし
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

ナポリの気候とベストシーズン

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ナポリは地中海性気候に属し、年間を通して比較的温暖で過ごしやすいのが特徴。夏は日差しが強く、気温が30度を超えることもあります。梅雨はなく、比較的天候は安定しています。11月頃になると冷え込み始め、数年に1度は雪が降ることも。

ナポリ観光のベストシーズンは春と秋。穏やかな天気が続き、町歩きや屋外での観光に最適です。

ナポリの空港と市内へのアクセス方法

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ナポリ近郊にはナポリ・カポディキーノ空港があり、空港からナポリ市内までは、バスやタクシーなどで移動可能です。

なお、2025年10月現在、日本からナポリ・カポディキーノ空港への直行便は運航していません。ヨーロッパの主要空港を経由してアクセスする方法や、イタリア国内の主要都市から鉄道で移動する方法などがあります。

ナポリのおすすめ観光スポット

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スパッカ・ナポリ

スパッカ・ナポリは「ナポリをふたつに割る」という意味をもつ旧市街。歴史ある教会や建築物が点在し、ナポリの歴史や文化を肌で感じることができます。また、レストランやカフェ、市場なども並び、ナポリらしいにぎやかで下町感のある雰囲気も魅力。

サンテルモ城

サンテルモ城は、ナポリ市街を一望できる小高い丘に建つ星形の要塞。14世紀に築かれ、16世紀に今のような姿となり、現在は美術館として利用されています。要塞からはナポリ湾やヴェスーヴィオ火山、旧市街の町並みまで見渡せる美しいパノラマビューを楽しめます。

ポンペイ遺跡

ポンペイ遺跡は、西暦79年のヴェスーヴィオ火山噴火によって、一瞬にして火山灰に埋もれた古代都市の遺跡。広大な遺跡には神殿や浴場、円形闘技場、邸宅などが点在し、かつてそこに存在した古代都市の姿を体感できます。2000年前の人々の暮らしや文化を間近に感じられる、歴史ファン必見のスポットです。

芸術家が愛した花の都「フィレンツェ」

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フィレンツェはトスカーナ州の州都で、ルネサンス文化の発祥地として知られる芸術と歴史の町。ここでは、ダヴィンチやミケランジェロ、ボッティチェリなどの偉大な芸術家や建築家の作品が今もいたるところで息づいています。赤いドームが目を引くドゥオーモや川に架かるヴェッキオ橋をはじめとした美しい町並みや石畳の小道は、絵画のような美しさ。また、豊かなトスカーナ料理やワインも魅力で、歴史や芸術、美食を堪能できます。

フィレンツェの基本情報

都市名
フィレンツェ
面積
約102平方キロメートル
日本からの直行便
なし
日本との時差
-8時間(サマータイム期間中は-7時間)

フィレンツェの気候とベストシーズン

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フィレンツェは、四季の変化がはっきりしているのが特徴。春は気温が穏やかで、花が咲き誇る美しい町並みを楽しめます。夏は暑さが厳しく、日中は30度を超える日も。秋は過ごしやすく、紅葉を楽しめます。冬は冷え込むものの、降雪はまれで比較的穏やかな気候となります。

フィレンツェ観光のベストシーズンは、穏やかな陽気が続く春と秋。花や紅葉など季節ならではの景色を楽しめるのも魅力です。

フィレンツェの空港と市内へのアクセス方法

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フィレンツェ近郊には、フィレンツェ・ペレトラ空港ピサ空港があります。フィレンツェ・ペレトラ空港からフィレンツェ市内まではトラムやタクシー、ピサ空港から市内までは電車やバス、タクシーなどで移動可能。

なお、2025年10月現在、日本からフィレンツェ・ペレトラ空港、ピサ空港への直行便は運航していません。ヨーロッパの主要空港を経由してアクセスする方法や、イタリア国内の主要都市から鉄道で移動する方法などがあります。

フィレンツェのおすすめ観光スポット

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サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)

フィレンツェの象徴ともいえるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、壮大な赤いドーム(クーポラ)が目を引く大聖堂。ブルネッレスキが設計したドームは圧巻で、内部に描かれた『最後の審判』のフレスコ画は必見! 展望台に登れば、赤れんが屋根が広がる美しいフィレンツェの町並みを一望できます。

ヴェッキオ橋

ヴェッキオ橋は、アルノ川に架かるフィレンツェ最古の橋。彫金細工店や宝飾店などが橋の両側に並び、散策するだけで優雅な雰囲気に浸れます。アルノ川に映る姿は絵画のように美しく、橋から眺める夕日もフィレンツェ滞在中に一度は見てみたいもの。

ウッフィツィ美術館

ウッフィツィ美術館は、多くの名画を所蔵する世界的に有名な美術館。館内には、ボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』をはじめ、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなどの巨匠たちの傑作が多数展示されています。展示品が豊富なため、時間を確保してじっくりと見学するのがおすすめです。

まとめ

この記事では、イタリアの主要4都市の特徴や見どころをご紹介しました。旅の目的に合わせて訪れる都市を選べば、イタリア旅行はより充実したものになるはずです。本記事を参考に、ぜひイタリア旅行を計画してみてはいかがでしょうか?

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