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ボッティチェッリやレオナルド・ダ・ヴィンチなどに代表されるルネッサンス文化の中心となったフィレンツェ。“屋根のない美術館”と称される美しい町並みを歩けば、いたるところで芸術に触れられます。また、フィレンツェは美食の町としても有名。アートとグルメの両方を楽しめます。
イタリア中央部に位置するトスカーナ州の州都がフィレンツェ。中心部の歴史地区が世界遺産に登録されています。おもな見どころは約2.5kmの範囲に集中しているので、徒歩で気軽に巡れるのが魅力です。
まず訪れたいのは、主要な観光スポットが集中するチェントロ地区。町の象徴である「花の聖母教会」ドゥオーモ、ウッフィツィ美術館、ヴェッキオ橋などがあります。
ドゥオーモ北側のサン・ロレンツォ地区にはメディチ家ゆかりの見どころが集中。さまざまな食材が売られている中央市場もあります。
サンタ・マリア・ノヴェッラ地区は同名の教会と薬局が人気。ブランドショップが軒を連ね、ショッピングが楽しめます。
ドゥオーモの東にはルネッサンス彫刻の傑作が残るバルジェッロ国立博物館と、壮大なサンタ・クローチェ教会があり、町の南のサント・スピリト地区には昔ながらの町並みが残っています。
フィレンツェ郊外にも、ルネッサンスの巨匠たちが生まれた村やメディチ家の別荘など、魅力的なスポットがいっぱい。
ミラノやローマからの国内線のほか、ヨーロッパ各地から国際線がフライト。日本からはローマへの直行便を利用すると、出発日の夜に到着することも可能です。鉄道やバスも発達しているので、ピサやボローニャといった周辺の観光都市への周遊もできます。
日本の気候と比較的似ているイタリアにおいて、フィレンツェの気候は東京のようだと言われます。盆地のため夏はやや蒸し暑く感じますが1日のなかで温度差があり、朝晩は過ごしやすくなります。年間を通して晴天率が高く、雨は晩秋から冬にかけてやや多く降ります。
服装は、東京の同じ時期を想定すれば問題ありません。特に夏季は日中との寒暖差があるため、羽織れるものを持っておくと安心です。
■フィレンツェ(イタリア)の天気&服装ナビ
・URL: https://www.arukikata.co.jp/weather/IT/FLR/
一番の見どころであるドゥオーモは、正式名称をサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂と言い、1296年から約140年の歳月をかけて建てられました。
ドーム型のクーポラは予約すれば上ることもでき、屋上からは朱色の瓦屋根が広がるフィレンツェの町並みを一望できます。
ドゥオーモからアルノ川へ向かって歩いて行ったところにあります。歴代のメディチ家が収集した約2500点もの美術品が展示されている世界最古の美術館で、主にトスカーナ地方を中心としたイタリアの絵画を鑑賞できます。
見逃せないのはボッティチェッリの『春/プリマヴェーラ』や『ヴィーナス誕生』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』といった、言わずと知れた名画の数々。
観光シーズンには行列ができるので、朝早くから並ぶか閉館前の時間を狙うのもおすすめ。
アルノ川に架かる、1345年に造られたフィレンツェ最古の橋。
橋の両側に商店が並ぶようになったのは13世紀以降で、15世紀には精肉店が軒を連ねていましたが、16世紀の終わりに貴金属と宝石商が集められました。
橋の上にはウッフィツィ美術館とピッティ宮を結んだヴァザーリの回廊が通っています。メディチ家の人々は喧騒を避けるため、ここを歩いたと言われています。
ヴェッキオ橋を渡るとピッティ宮が見えてきます。正面の幅が200m以上もある、ルネッサンス期最大規模を誇る邸宅です。
メディチ家と対抗し、フィレンツェの大商人ルーカ・ピッティが起工。ところが巨額の建築費を払い続けられなくなり、メディチ家のコジモ1世の妃が買い取りました。内部にはいくつかの美術館や博物館があり、特にラファエロのコレクションが豊富なパラティーナ美術館は必見です。
町の南東の丘に位置するミケランジェロ広場からは、フィレンツェの町が一望できます。ドゥオーモのクーポラ、ヴェッキオ宮殿、ジョットの鐘楼などのすばらしいパノラマ風景を満喫できます。
行列のできる見どころが多いフィレンツェ。一部の施設では、予約なしで優先入場できるフィレンツェカードを使うとスムーズ。
ドゥオーモ関連施設やウッフィツィ美術館、ピッティ宮各館など、市内約75ヵ所の美術館や教会で利用できるフリーパスです。72時間有効で€85。窓口やオンラインで購入できるほか、スマホ専用アプリもあります。
※2023年7月現在、フィレンツェカードは利用可能です。
・URL: http://firenzecard.it/
フィレンツェを代表するショッピングスポットがサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局です。サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のすぐそばにある13世紀から続く施薬院で、趣ある調度品に囲まれた薬局内はまるで美術館のよう。店内には自家製ハーブを使ったソープやコスメティックが充実しています。
フィレンツェに咲く花や香草を使った香水やソープは、香りがよく、パッケージもステキなのでおみやげに最適です。
ランチがてら買い物を楽しめるのが中央市場。庶民の台所と親しまれる屋内市場にはさまざまな食材店がひしめいています。
瓶詰めのトリュフ、ハートや教会をかたどったかわいいパスタ、各種ハーブなどをおみやげにいかが。試食できる商品もあり、おすすめを聞きながら選ぶのも旅の楽しみ。
お腹が空いたら、気軽な屋台食堂、ネルボーネNerboneをのぞいてみて。トスカーナ地方名物のモツをはさんだサンドイッチ「ランプレドット」など、庶民的なフィレンツェグルメに出合えます。
職人の町フィレンツェには、代々続く多くの工房があります。
革手袋を扱うルチアーノもそのひとつ。熟練の職人による手作りの革手袋は、実際に手にはめてみると心地よくフィット。20以上ものカラーバリエーションを取り揃えています。
サンタ・クローチェ広場周辺にも革製品の店が集まっています。
陶磁器を探すならぜひ、イタリアを代表するメーカー、リチャード・ジノリの本店へ。定番の白の陶磁器「ベッキオホワイト」から、フルーツなどが絵付けされた代表作が揃います。手頃な価格で購入できるアウトレット・コーナーもあるので、好みの一点を探すのも楽しみ。
フィレンツェは紙製品の歴史も古く、代表的なのが伝統のマーブル模様。1923年創業のパリオーネでは、センスのいいマーブル模様のカードやレターセット、鉛筆などを購入できます。オリジナルの紙製品に名入れをしてくれるサービスも(名入れ物の完成は、注文してから約1週間)。
ディナーにはフィレンツェ名物ビステッカをぜひ。オーブンでじっくり焼き上げたぶ厚い牛肉のTボーンステーキは、驚くほど軟らかくてジューシー。
老舗のブーカ・マリオでは、「ブカ」という穴蔵を改装したトスカーナの伝統的な料理が味わえます。ビステッカは1人前が約600gあり、ふたりでシェアしても十分な量!
美食の町ではスイーツも欠かせません。ヴェッキオ宮近くにあるリヴォワールは、自家製のチョコレートを使ったケーキやホットチョコレートが評判のカフェ。ひと息つくのにぴったりです。
フィレンツェの中心で他のスポットへの便利なドゥオーモ周辺のおススメホテルをご紹介します。
ヴェッキオ橋のドゥオーモ側のたもとに位置する4つ星ホテル。ナチュラルな雰囲気で統一された室内は明るく開放的。屋上のルーフガーデンから夕日が望めます。
ドゥオーモ側のアルノ川に面する4つ星ホテル。クラシックな雰囲気が漂う館内は近年改装。ヴェッキオ橋が一望できる客室もあります。
歴史と芸術がつまった魅力的な町、フィレンツェ。治安も良く、徒歩で見て回れる観光のしやすさも魅力です。職人の町ならではの手工芸品に触れ、ボリューム満点の肉料理を味わい、心もお腹も大満足の旅になるでしょう。
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TEXT: グルーポ ピコ
PHOTO: 武居台三、iStock
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