更新日
2023年6月23日
公開日
2023年3月21日
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1880 年に開催されたメルボルン国際博覧会会場として建築され、1888 年にはヨーロッパによる植民地化から100 周年を記念した博覧会も催した王立展示館。当時は6 ヵ月の期間中、メルボルンの人口の2 倍となる200万人以上が訪れたといわれている。19 世紀に行われた大型博覧会会場のなかで、現存する唯一の建物として2004 年世界文化遺産に登録されている(当時の博覧会場はほとんどが仮設建築であった)。しかもここは、現在も各種博覧会の会場として利用されているのだ。

王立展示館を見学する

建物はシティにあるタウンホール同様、当時の著名な建築家ジョセフ・リードJoseph Readの手によるもので、ビザンチン、ロマネスク、ルネッサンスを複合した当時の典型的な展示館となっている。毎日1 回英語ガイド付きツアーが催行されているので、それに参加してぜひ内部を見てみよう。

中に入ってまず圧倒されるのが広々とした十字形のフロアと中央のドーム天井。ドーム天井の下とフロアが交差する各角には、愛と平和を表すビーナス、知性を表すマーキュリー、情熱と活動を表すマーズ、援助を表すジュピターが描かれている。また柱上部には先住民のレリーフや、アジア移民の増加を象徴するような中国人の顔のレリーフもあり、見逃したくない。 この建物は、1901年に開催された第1 回オーストラリア連邦会議の会場でもあった。オーストラリア国旗が初めて掲揚されたのはドーム天井の上にある掲揚台。また会議の様子を描いた絵画が2階に展示されている。参加者一人ひとり総勢343名を認識できるよう克明に描かれているのが特徴だ。

1990 年、サウスバンクにメルボルン・コンベンション&エキシビジョンセンターができるまでは、メルボルン最大の収容人数を誇るスペースであったことから、メルボルン大学の入学試験会場や学校関係の各種式典会場としても長く利用されてきた。また現在もモーターショーや旅行博など各種トレードショーの会場として利用されている。

写真

  • 中国人のレリーフ
  • 先住民のレリーフ
  • 愛と平和の象徴ビーナスの絵
  • ドーム形天井を中心に十字に建物が広がる
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