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エッシェンシャルビジネス”ダイソー”と桑港金物店と種

美丸(Mimaru)

美丸(Mimaru)

アメリカ・カリフォルニア州特派員

更新日
2020年5月17日
公開日
2020年5月17日
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▲ピースプラザ

明後日からサンフランシスコは、経済活動再開に向けてフェーズ2に移行して少しずつ日常の生活へと復旧して行きます。そんななか本当に久しぶりに日本町に行ってきました。

▲紀伊国屋書店前

フェーズ2の基準では月曜日から再開になるも、"紀伊国屋書店"前の広場はひっそり。まるふくラーメンが持ち帰り用にオープン準備をしていました。

▲オン・ザ・ブリッジ

オン・ザ・ブリッジ(ブキャナン通りの上の通路)は、日本のギフトショップや太鼓道場やギャラリーなどがあるのですが、人ひとりいない。

▲たこ焼きやまちゃん

和風スイーツ系は、すべてクローズでしたが、「たこ焼きやまちゃん」は持ち帰りのみ営業で、11時からのオープン。

▲ダイソー

ロックダウン当初から、開いているはずがないと諦めていた百円ショップ「ダイソー(DAISO・JAPAN)」がなんとオープンしていたのです。勝手に"ダイソー=バラエティーショップ"と思い込んでいましたあ〜、どうもすみませんダイソーはバラエティーに富んだ立派なエッセンシャルビジネス(必用不可欠な商売)だったんです。

▲店内

しかも、午前中10時すぎということもあって入店制限はあってないようなものでお客さんは数人。久しぶりにあれにしようかこれがいいかと"迷う楽しみ"を味わえました。久しぶりに普通に買い物、必要不可欠ではない買い物だったかもしれません(無駄遣いという意味ではありません)。

▲スーパーミラ

地域密着型の日系食材店「スーパーミラ」もウインドーはベニヤ板で覆われてますが、オープンしてます。もう2ヵ月になるロックダウン。最初の頃は、いたし方ないかと長い行列にも並んでみましたが、結局必要不可欠な食品は大きなスーパーじゃなくても十分こと足りのがわかりました。次に大きなスーパーだけに、入店するとは嫌でも人との距離が置きにくくなり棚の間の通路が密になる。仕事帰りで買い物したり昼から待ってる時間を考えると、案外コーナーストア(角にある小さい酒屋みたいな店)が便利だったり、意外にクオリティーが高かったり発見もあります。話は逸れてしまいましたが、新型コロナウイルス後は真摯に営業している小さなお店がパワーアップしそうな気がするし、応援したい。

老舗金物屋で日系人の歴史的な種を買う

▲桑港金物

創業1925年「桑港金物・ソーコーハードウエア」は、立派にエッセンシャルビジネス。一般的なハードウエアに日本のキッチン雑貨などいわゆる金物屋さん。頼んでいた梅干し用の梅が来月初めに手に入るので、梅干し用道具を物色。2020年の今年も梅干し10lb(約4.5kg)作ります。

私にとっては、DAISOとは少し違うバラエティーショップみたいなお店です。

調理器具などは専門的な物もあり、日本の方や日系人、そしてアメリカ人も御用達の金物屋さん。 どことなく一世代前の雰囲気"昭和の風"を感じるお店です。

▲シソの種

ソーコーハードウエアで買ったのが、梅干しにはまさに"必要不可欠な"赤シソの種を買いました。

アメリカで最初の日系種屋の「北澤商會(Kitazawa Seed Company®)」。創業1917年の100年企業です。アジア系の野菜果物を中心に450種類の種を取り扱っています。遺伝子組み換えなし(Non-GMO)もうれしいし、パッケージが写真入りじゃないのがかえって特別感を出してます。"北澤商會""AO SHISO""AKA SHISO"とか日本を感じさせ、内容量のグラム(Grams)表記がNIPPONじゃありませんか!

この北澤シードカンパニーの歴史も古く。1917年創業、日本の種屋に勤めていた北澤ギジュウ氏は、後に別の道を歩むことになる兄ブンエモン氏と共にサンノゼのダウンタウンで商売を始める。西海岸の日系農家にはすこぶる評判がよく、ファーマーにとってこの家族経営の種屋さんはなくてなならない存在でした。しかし、1941年12月パールハーバーの奇襲攻撃そして第2次世界大戦へ。年が明けた1942年2月に、北澤ファミリーはワイオミング州の強制収容所に収容なりました。終戦後再びビジネスを再開するパワーがあった北澤ファミリーです。1963年ギジュウさんは他界、息子アーネストさんが引き継ぐことになりました。1980年代初めサンノゼ空港拡張工事にともない調整区域に引っかかり家屋取り壊し、オークランドで1992年再々開です。その頃からの私の記憶では、オークランドに日系の種屋さんがあると聞いたことがありました。その頃から茶封筒っぽいパッケージのデザインは変わりません。

一方、マヤさんという方がカリフォルニア中央部フレズノ郊外に住んでいまして実家のお爺ちゃんは農家。セントラルバレーと呼ばれているこのエリアはアメリカで最も農業が盛んなエリアです。1990年代後半ともなると野菜の種は郵便で郵送なんて時代だったのですが、いつものように種を頼んでも一向に届かず、不思議に思ったマヤさんはオークランドへ向かいました。そこで見たものは、経営に苦慮していていた北澤ファミリー、後を継いだ娘婿が病気で倒れ四苦八苦し、もう諦めようかと考えていたところだったらしい。そこでマヤさんは先代の日系人の残したビジネス、アメリカにおける日系人の歴史を絶やすことはできないと考えました。2000年マヤさんは北澤シード会社を引き継ぐことになりました。

ちっちゃな種に大きな歴史を感じた1袋、頑張って育てようと思いました。

【北澤シード】

種リスト:https://www.kitazawaseed.com/all_seeds.html

カタログ請求:https://www.kitazawaseed.com/catalog.html

■桑港金物店地図↓

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