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世界的なベストセラーである小説と、映画やミュージカルでも話題となった「マディソン郡の橋」。
物語の舞台となったのが、アイオワ州ウィンターセットにある屋根付き橋(Covered Bridge)です。この特徴的な木造橋は、中西部や東部の州を中心に、19世紀から20世紀初頭にかけて1万基以上全米各地につくられていましたが、補修や復元を経て残っているのは、約800から1000基程度だそうです。メリーランド州内で現存している6つの屋根付き橋のうち、ボルチモアエリアでは唯一のジェリコ橋Jericho Covered Bridgeをご紹介します。
ジェリコ橋Jericho Covered Bridgeはガンパウダー・フォールズ川の河川に架けられ、ボルチモア郡、ハーフォード郡の郡境をまたぐ形で立っている木造の屋根付き橋です。1865年に最初に作られ、最近では2016年に修復されました。メリーランド州内では、他に州の西部と北部に数か所保存されていますが、ボルチモア近郊ではジェリコ橋が現存する唯一の屋根付き橋です。
今も公道として自動車が通過できる橋ですが、車の高さと重量制限があり、なお一車線通行であるので、橋を渡る前に反対側から車が来ていないかを確認しなければなりません。また、橋の床板も木製であるため、車が通るたびに「ドゴドゴドゴ」と大きな音が響きます。
もちろんゆっくり歩いて渡ることもできます。橋の内部を眺めながら歩いていると、映画「マディソン郡の橋」のワンシーンが頭に浮かんできそうです。
屋根付き橋の管理は隣接するジェルサレム・ミル歴史村Jerusalem Mill Historic Villageを含む、ガンパウダー・フォールズ州立公園の管理局が行っています。
歴史村では毎週末に18世紀から20世紀半ばまで実際にこの村で行われていた生活風景(鍛冶屋や料理など)を実演しており、近世のアメリカの日常生活を学ぶことが出来るほか、結婚式などのプライベートイベントレンタル会場として利用でき、夏には野外コンサートも行われています。歴史村についてはまだ改めて詳細をご紹介したいと思います。