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2025.5.12
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今月は、浅口市金光町をご紹介しています。金光町には町名の由来となっている金光教の本部があります。金光教は、同じ江戸時代末期に開かれた黒住教、天理教とともに幕末三大新宗教の一つに数えられています。今日は、その金光教のお膝元にある大谷地区の商店街の街並みをご紹介しましょう。
いかがですか?
昭和の町並みを色濃く残す大谷地区の商店街です。もちろん、街並み保存地区でもありません。私が初めて訪れた時は、令和の今もこんなノスタルジックな街並みが残っていることに大変驚きました。
この風景が昭和30年代が舞台になる映画「とんび」にぴったりということでロケ地のひとつとして選ばれました。
この商店街は、映画の主人公・阿部寛扮するヤスが暮らす「備後みゆき通り商店街」として使われました。映画も「ロケーションジャパン大賞グランプリ」に選ばれ、映画が公開された直後は、映画で使われたセットの看板なども残され観光客で賑わっていました。
「大谷みかげスクエア」の前にやって来ました。この古い建物は、映画の中で薬師丸ひろ子さんが女将を演じた小料理店「夕なぎ」として使われていたものです。今も「夕なぎ」の看板が残っています。
古川酒店さんは、元々神具を扱うお店だったそうですが、今は酒屋の看板をあげています。ガラス窓の左側に「とんび」のポスターが貼られていますね。このポスターは、今も街の中でよく見かけました。
「小川屋」さんは金光饅頭を製造販売しているお店のひとつです。
右のお饅頭が金光饅頭です。このお饅頭は金光教の本部がある金光町の銘菓で、金光教の紋が印されています。カステラ生地にこし餡の昔ながらの素朴なお饅頭です。
他のお店で売っている金光饅頭には、つぶ餡や抹茶餡などもあります。
東西に伸びるアーケード。空地も目立ちましたが、どの商店も味わい深いたたずまいで、中には金光教関連の施設もありました。
アーケード街の入り口にある「つちや食堂」には、懐かしのサンプルメニューが並んでいました。この食堂の人気メニューは、「光るかつ丼」だそうです。SNSで話題になっていたので、どんなかつ丼か食べてみたかったのですがあいにくのお休みでした。
こじんまりとしたアーケード街ですが、一軒一軒が趣のある商店が並んでいます。
看板の数々がいい味を醸し出しています。「たばこ」の看板も専売公社の頃からのもので、昔はこの下には公衆電話があったりしましたよね。
商店街の入り口付近に「ぼだいじゅの実」という小さなお菓子屋があります。NPO法人のお店で障がいをもつ方々が焼いたマドレーヌなどの焼き菓子を売っています。
この商店街に初めて来た時、お付き合い程度で買ったのですが、食べてびっくり!プロ級の美味しさでした。それ以来、この辺りを通過するときには必ず立ち寄り、わが家での定番のおやつになりました。
大きな看板と昭和を思わせる店構えで、気軽に立ち寄れるお店です。
お店の中には、イートインスペースもあり、コーヒーが1杯100円で飲めます。新しく発売されたマドレーヌには名前の前に「シン」がついています。
マドレーヌの奥にあるオートミールクッキーも絶品です。ひとつ130円という安さで日持ちもするので爆買いしてしまいます。
そして、アーケードの突き当りは金光教本部です。奈良の天理教には及びませんが、街中を歩くと関連施設が多くあり、地図を見てもこの奥には巨大な建築物が見られました。
毎年3月には金光教の大祭があります。令和元年まで「金光臨」と呼ばれる臨時列車で、多くの信徒さんが金光駅にやって来ていました。先月の大祭の時も少なくなったとはいえ、4千人を超す信徒さんが集まったと報道されていました。