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【パリ】セーヌ川に無料の遊泳場が夏季限定でオープン!多くの市民で賑わう

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2025年7月5日
公開日
2025年7月5日
©︎Yukinobu Shuzui ブラ・マリー遊泳場

セーヌ川での遠泳競技を実施した2024年のパリ・オリンピックから1年。パリ市が今夏、セーヌ川に遊泳場を期間限定でオープンさせました。ここ約100年は水質の悪化などにより遊泳が禁止となり水浴とは無縁だったセーヌ川。遊泳場のオープンで開かれた泳げる川への第一歩になりました。

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テーマ【現地の人はココに行く!夏に行くべき避暑スポット】

パリ市内のセーヌ遊泳場は3ヵ所

©︎Yukinobu Shuzui パリ中心部にあるブラ・マリー遊泳場

遊泳が可能になったセーヌ川ですが、どこでも泳げるわけではありません。遊泳は3ヵ所に限定されていて、それ以外での遊泳は行政命令(アレテ)で禁止されています。

その3ヵ所とは、4区ブラ・マリー(シュリー橋の西側、サン・ルイ島東端の北側対岸)、12区ベルシー(シモーヌ・ド・ボーヴォワール橋の西側、国立図書館の対岸)、15区グルネル(ビル・アケム橋の南、白鳥の小径の左岸側対岸)。各エリアへの入場は無料。ただし遊泳場への立ち入り時間、同時に泳げる定員は決まっています。

 

©︎Yukinobu Shuzui 遊泳を楽しむ人々

今回の遊泳場はパリで毎夏開催されているパリプラージュ(2025年は7月5日〜8月31日)の一環。パリプラージュとは、2002年からパリ市が夏季に始めたイベントで、市内のセーヌ河岸に砂浜やゆっくりと過ごせるアトラクションを設けてパリにいながら誰でも夏のバカンスを楽しめるようにする試みのこと。以前は、この期間だけ本物の砂が敷かれていましたが、2017年からは砂浜の敷設は取りやめになっています。

■ブラ・マリー遊泳場
住所:Baignade du Bras Marie 75004
営業時間:8:00〜11:30(月〜土曜)、〜 17:30(日曜)
定員:150人

■ベルシー遊泳場
住所:Baignade de Bercy 75012
営業時間:11:00〜21:00
定員:700人が場内へ入場可(遊泳は300人まで)

■グルネル遊泳場
住所:Baignade de Grenelle 75015
営業時間:10:00〜17:30 (月〜金曜)、〜16:45(土曜)、10:00〜12:00・12:30〜14:15・14:45〜17:30(日曜)
定員:200人が場内へ入場可(遊泳は150人まで)

セーヌ川水浴場の使い方

©︎Yukinobu Shuzui

市内3カ所にある遊泳場の使い方は簡単です。市内中心部にあるブラ・マリー遊泳場の場合、入口から遊泳エリアへ入ったら、デッキスペースで服を脱いで泳ぎます。デッキにあるベンチの下がロッカーになっていますので、所持品はそこに入れて鍵をかけます。川へ入水する階段近くに浮具がありますので、浮具のベルトを腰につけて浮具を装着して川へ入ります。泳げるエリアはブイで囲まれた範囲に限られます。

ブラ・マリー遊泳場の場合は、近くに仮設トイレはありますが更衣室はありません。ベルシーとグルネルはあります。そのため、ブラ・マリーの場合は、服の下に水着を着てから水浴場へ行くなど、すぐに泳げる格好で来ることをおすすめします。遊泳を終えた後も同じで、手間をかけず町中を歩ける格好に戻りやすい服装や、着替えるための大判のタオルがあると重宝します。着替えの際に目隠しにもなります。

遊泳場には簡易的なシャワーがありますが、川の水をささっと流す程度のもの。シャンプーを使ったり豊富な水量でしっかりと流すようにはできていないため、本格的なお風呂は家や宿などに戻ってからになります。

つまり、着替えやすい格好で所持品は少なく、貴重品は可能な限り持たずに遊泳場を訪れましょう

オープン初日から多くの市民が参加

©︎Yukinobu Shuzui パリのアンヌ・イダルゴ市長

7月5日の川開きの日には、朝8時の開場前から市民が列を作りました。パリのイダルゴ市長も市内3ヵ所の遊泳場を視察。最初に訪れたブラ・マリー遊泳場での会見では「セーヌ川の遊泳場はとても大きな挑戦だった」と成果を強調しました。昨夏に「来夏(2025年)はセーヌ川で泳げるようにする」と掲げた公約を実行した形になります。

©︎Yukinobu Shuzui ブラ・マリー遊泳場で会見するイダルゴ市長

市長が最初に訪れたブラ・マリー遊泳場の気温は15度。外にいると肌寒さを感じる日でしたが、多くの市民が水着姿になり、浮具を付けて遊泳を楽しみました。

泳いでいた市民に声をかけると「水温は25度で水泳にはちょうど良い」という答えも返ってきました。年齢層も幅広く、年配の人も多く参加している印象でした。イダルゴ市長が姿を現すと、市民から「ありがとう、市長!」といった声も。今回のブラ・マリー遊泳場では、昨夏のオリンピック前のようなイダルゴ市長による遊泳はありませんでしたが、「水の中へ!」といったコールも市民から笑顔でかかりました。

各遊泳場の営業は8月末まで。パリ・オリンピックでのトライアスロンやマラソンスイミングの実施なども含め、さまざまな意見があったセーヌ川での遊泳も、今後はパリの夏の風物詩として定着していきそうです。

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