【米国・サンフランシスコ】Amazonの物流拠点を見学!“翌日配送”の秘密
2026.4.1
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前回ご紹介した「グリーンウィッチ・ステップス」に続き、今回はその隣、Telegraph Hillの代名詞ともいえる「フィルバート・ステップス(Filbert Steps)」に行ってきました。今回もリーバイス・プラザ横のサンサムStから登る王道ルートを選択。急勾配のサンフランシスコはまさに修行の連続。グリーンウィッチを制覇しているので若干過信しすぎたか?やや息切れに太ももプルプル。しかし丘の中腹に隠された緑の世界は別世界が広がっていました。
サンサムStから見上げると、そこには壁のような斜面に階段が張り付いています。思わず見上げるフィルバートの階段は約400段。19世紀後半、丘に住む人の生活道路として整備されたのだそうです。一歩足を踏み入れると、そこはまるで垂直に広がる庭園。花や樹木が何段にも折り重なるように繁り、階段そのものも緑に包まれていきます。そして足の長い人が設計したであろう証拠が、一段の段差が大きい。「よっこらしょっ」とつい声が出る。
この斜面はかつて荒れていた時期もあったようですが、長い年月をかけて周辺住民がコツコツ手入れを続け、今の姿に育てた思い入れが積み重なってできた少し特別な居住区です。
中腹まで登ると、空気がふっと変わります。現れるのが木造の通路が続く一帯です。この階段の鬱蒼とした緑は、ただの風景ではなく、人々がつないできた営みそのもののように感じられました。
「ネイピア・レーン(Napier Lane)」。板張りの小径に、小さな家々が肩を寄せ合うように並び、その佇まいはどこか非現実的。まるで映画のセットの中に紛れ込んだような感覚になります。
階段では多くの人とすれ違いましたが、この一角だけは少し時間の流れが違うようで、そっとしておきたくなる静けさがありました。
ふと目に留まったのが、庭に立つ一枚のプレート。「Grace Marchant Garden」と記されています。この庭は、1949年に始まり、長い年月をかけて人の手で守られてきたことを伝えています。荒れた斜面を美しい庭園へと変えた一人の決断と、それを引き継いだ誰かの時間が重なっています。
この日は聞くことができませんでしたが、タイミングが合えば、ギャーギャーと甲高い鳴き声が響くはずです。野生化したオウムたちは、いつの頃からかこの丘に住み着き、今ではすっかり“テレグラフヒルの住人”。逃げ出したペットの子孫とも、自然繁殖とも言われていますが、はっきりとしたことは分かりません。そんな曖昧さもまた、この場所に漂う小さな都市伝説のひとつです。
車が入れないこの場所では、日々の買い物から家具の搬入まで、すべてが人力。ふと「大型の荷物はどうやって運ぶのだろう?」と現実的なことを考えてしまいます。しかしその不便さのおかげでこの風景がいつまでも守られているのだと気づきます。ここは観光地である前に、今も人が暮らす生活の通り道です。
時折振り返ると開けた視界からサンフランシスコ湾、ベイブリッジが見えます。登っていくにつれ真下に見えるリーバイス・プラザがどんどん小さくなり、反対に湾が大きく広がっていきます。
自分の足で登ってきたからこそ見えた移り変わる風景が、戦利品のように感じられます。
コイトタワーについたのが前回と同じ午後3時。前回思わず飛び乗ったミュニバス39がやってきました。
今回はテレグラフヒルからイタリア人街・ノースビーチで途中下車しました。少し散策した後、同じバス停からミュニバス30に乗車してチャイナタウンを通りユニオンスクエア到着。
公共交通機関を駆使し、自家用車に頼らない生活を心がけています。歩いたり、車窓からの景色を眺めながらいつも思うのは、やっぱり街は歩いてみなければ分かりませんね。車で通り過ぎるだけでは発見できない、人の暮らしの気配と、植物の息づかいがありました。
なぜ階段を登るのか?そこに階段があるからーそんな事を思いながらの小一時間、やんわり汗をかいた良い散策でした。