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【アメリカ:旅行業界】IPWは“旅の最前線”、TASは旅の誘惑? 二大イベントで見えた“旅”の本質

美丸(Mimaru)

美丸(Mimaru)

アメリカ・カリフォルニア州特派員

更新日
2026年5月25日
公開日
2026年5月25日

「旅のイベント」と聞くと、観光パンフレットを集めたり、現地の人からおすすめ情報を聞いたりする場を想像する人も多い。しかしアメリカには、そのイメージを覆す巨大イベントが存在。今回私が参加したのは、フロリダ州フォートローダーデールで開催された米国最大級のインバウンド商談会「IPW」。世界中の旅行会社、観光局、メディアが集まり、15分単位で商談を繰り返す様子は、まさに“旅業界最前線”。一方で、昨年LAで参加した全米各地を巡る「TAS(Travel & Adventure Show)」には、もっと自由で開放的な空気が流れていた。同じ「旅イベント」でも、両者の思想は驚くほど違っていたのです。

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①15分で世界を動かす、巨大商談会「IPW」

IPWでは、その徹底した効率性にとにかく面食らった。事前に組まれたアポイントメントに基づき、世界中のバイヤーとサプライヤーが15分ごとに商談を進めていく。会場には緊張感が漂い、「とりあえず名刺交換」という空気は皆無。先方はすでにこちらの媒体力や送客力を把握しており、軽くあいさつしてすぐ本題に入る。隣のテーブルでは観光局と海外バイヤーが真剣な表情で数字を確認し、別の場所では大型案件と思われる話、真剣な表情から重要さが伝わる。朝から夕方まで続く商談ラッシュに、コーヒーを飲む時間すらないくらいだ。今回メディアとして参加した私自身も、その張り詰めた空気に圧倒され、オロオロするばかり。IPWとは単なる観光イベントではなく、アメリカの観光産業を世界へ売り込む巨大ビジネスの最前線だった!

  • 主催者側で用意してくれたランチタイム以外は、東奔西走
  • 真剣な眼差しでラップトップを覗き込む

②旅好きが主役になれる、自由な「TAS」

一方、全米主要都市で開催される「TAS(Travel & Adventure Show)」は、IPWとはまったく異なる魅力を持つイベント。こちらは業界関係者だけでなく、一般の旅行好きも気軽に参加できる“旅の文化祭”。会場には観光局やツアー会社のブースが並び、各地の文化紹介や試食、ステージイベントなども行われる。
IPWが「契約の場」なら、TASは「旅心を刺激する場」と言った方が近いかもしれない。ブース担当者との会話もどこかフレンドリーで、「次はどこへ行こうかな」と考えながら歩くだけでも楽しい。ネット検索では見つからないローカル情報や、現地スタッフの生の声に触れられるのも貴重なところだ。旅先を“商品”として見るIPWに対し、TASにはもっと純粋な「憧れ」や「発見」が流れていた。

  • LAの会議場。ダウンタウンからアクセスしやすい
  • ジャパンブースは大変な賑わい。根強い日本人気

③必要なのは“契約”か、“好奇心”か

この二つのイベントの最大の違いは、参加者が何を求めているか?だと思う。IPWでは、成立させるための具体的な商談がかなり綿密に行われる。求められるのは明確なビジネス戦略と過去の実績。一方のTASでは、旅のアイデアや新しい行き先との出会いが主役だった。

どちらが優れているという話ではなくて、もし旅行業界の最前線で巨大な送客ビジネスを動かしたいなら、IPWは圧倒的な価値を持つだろうし、「今アメリカで何が流行っているのかな」「次はどんな旅が面白いのか」を自由に探したいなら、TASの開放感はやはり魅力的なイベント。

実際に両方に参加してみて、アメリカという国が「旅」をどう扱っているのかも垣間見えた気がした。ビジネスを追求する一方で、誰もが自由に旅に出よう的空気も大切にしている。その両方が共存しているのが、まさに多様性の国、アメリカっぽい。

  • クルーズの街。フォートローダーデール
  • ロードトリップと言えば、ルート66

まとめ・感想

フォートローダーデールの強い日差しとIPWの熱気の中、改めて「旅の情報」の価値について考えることができた。それは大きなビジネスを動かし、時には旅人の好奇心を刺激する。IPWのような緊張感あふれるビジネスシーンも、TASのような自由な旅人の空間も、どちらも旅を始めるエネルギー。結局のところ、旅に必要なのは「契約」だけでも「憧れ」だけでもなくて、次はどこへ行こうか?その空気が両者には確かに存在していた。さて次はどこを歩こうか。

■イベント名:IPW

URLhttps://www.ipw.com

■イベント名:TAS

URLhttps://travelshows.com

 

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