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【アメリカ】サンフランシスコ・ミッション地区の台所を歩く

美丸(Mimaru)

美丸(Mimaru)

アメリカ・カリフォルニア州特派員

更新日
2026年11月9日
公開日
2026年11月8日

サンフランシスコのミッション地区は、今もラテンの空気が色濃く残る街。壁画を眺め、メキシコ系のデリや食材店、地元スーパーを訪ねながら、街の台所をのぞいてみました。MUNIバスで巡る、少しオタクで充実した散策です。壁画アーティストに冷たくあしらわれるハプニングあり!

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①青空ミュージアムのなるほどな現実

出発はパウエル駅近くの5th St & Mission StからMuni#14に乗り、バート24th Street駅で下車。まず最初に見たかったのは、24thと25thストリートの間にあるバルミー・アレイです。壁一面に中南米の歴史や社会へのメッセージが描かれた、まさに青空美術館。理解できるかどうかは別として色鮮やかで、見てるだけでスカッとします。

そこに黙々と絵を描いている人がいました。何を描いているか聞ききたくて「何してるんですか?」と聞いたもんだから、背中を向けたまま「絵を描いてる最中だ」。「聞きたいことあるんだったら近くに来て喋ってくれ、俺今ふり向けないから」。と返ってきた。かなりぶっきらぼうですが、そもそも失礼な質問したのはこちら。気を取り直して、このお家の壁に絵を描くにはどうすればいいのかと聞いてみた。

「大家がいいって言ったら描けるんだ」。あまりに当たり前の答えに、一瞬ムッとしながら「ほう、あなたは大家さんと知り合いですか?」かえってきた答えは「市で申し込むところがあるそこに行くんだ。でも言っとくが、大家がこの絵が気に入らなかったら消されるんだぜ。気に入れば次が決まるまでこのまま」なかなか厳しい。

あとで聞いたら、バルミー・アリーで壁画を描くには、地域住民の意向や家主の許可が必要です。他に公募等への応募や、直接相談・申請が可能のようです。
参照:Precita Eyes Mural Arts

  • 型紙を元に作品制作中。もう少しで完成する
  • 絵の具。いろんな道具を使うのにたまげる

②メキシコデリ:忙しすぎて手も足も出ず

昼時に訪れたのが「ラ・パルマ・メキシカテッセン」。マサ(トウモロコシ生地)やできたてのトルティーヤ、乾燥チリ、サルサが揃う街の台所です。フードコーディネーターとして、食卓を支える食材を眺める時間は何よりの勉強…のつもりが、時はちょうどランチどき。店も買い物客もランチタイムの短期決戦です。スペイン語が飛び交い、ゆっくり食材を眺めてる場合ではありません。うっかり、とんでもない時間にきてしまいました。

奥のキッチンは、活気に満ちていて手際よく次々と商品や注文されたランチが次々と出ててきます。揚げ物を調理しているのに店内に油の匂いがほとんどありません。天晴れ!これが1953年から続く底力かもしれません。

  • 地元メディアでも紹介されてるメキシカンデリカテッセン
  • キッチンで揚げ物。店内には油の匂いがほとんどない(嬉)

③異国情緒万歳の24th:必ず見つかるお好みのホットソース

勢いに押され、フランしか買えずそれをお腹に納め、気を取り直して「カーサ・ルーカス・マーケット」に入ってみた。店先の商品には日差しを遮るシェードが施され、店内はそのためやや薄暗いものの品ぞろえは圧巻です。メキシコや中南米の料理に使われる食材がズラリ。生鮮コーナーで目を引いたのが、ユニークな円形ディスプレー。120度の扇形を三つ合わせて円を作り、仕切り板によって商品の量と種類に応じて大きさを調整できる仕組み。なるほど、これは無駄がないね。

次の訪れた「エル・チコ・プロデュース」もメキシコ、中南米の食材が中心ですが、肉売り場は対面販売でした。チャイナタウンの食材店ではよく見かけるスタイルですが、ミッション地区でもおなじみスタイルなんですね。

アメリカ西海岸のスーパーは、ホットソースの種類が多いのに驚きますが、ここはそれにもましてすごい種類。裏のラベルを見るだけで一日が終わりそうです。故郷のホットソースが必ず見つかりそうです。

  • 地元客で賑わう。会話はほぼスペイン語だ
  • 量によって幅が自由調整できる棚。アイディア素敵
  • オーガニックは別棚。
  • 食材店で緑色の外観が多いのは野菜のイメージからか

④オンリー・サンフランシスコのスーパー

17thストリートとハリソン通りの交差点近くにあるのが、「ガスズ・マーケット」。ヘイトアッシュベリーの食材店から始まり今やサンフランシスコを代表する地元スーパーです。新鮮な青果、チーズ、デリが並ぶ。ローカル食材を中心にした品ぞろえ。近隣で働く人がランチやスナックを買いに来ていたり、夕食の食材を調達したり、地元に溶け込んだスーパーという感じです。

意外だったのはクラフトビールの品揃え。しかも一本ずつ買えるので、いろんな銘柄を試したいビアテイスターには嬉しい限り。

続いて訪れたのは、言わずと知れたサンフランシスコの老舗ローカルスーパー「バイ・ライト」。こちらは地元ブランドの存在感が際立ちます。さらに目を引いたのが、コーヒーやワイン、オリーブオイルなど、店のロゴを入れたオリジナルラベルの商品。スーパーの名前そのものが、ブランドになっているのです。惣菜売り場の奥がキッチンになっていてできたての料理が並び、夕方になるとデリは混み合います。

スーパーを覗くのは旅の楽しみで、食材や調味料はお土産にも最適です。

  • ガス’ズコミュニティマーケット。SOMA地区を中心に店舗展開
  • バイライト。ロゴがすでにブランドになっている

締め:バレンシア通りを歩きながら思ったこと

18thストリートとバレンシア通り周辺を歩く。ビンテージショップを覗いたり、ダンデライオン・チョコレートでひと休みもいいだろうな。ビアジャーナリストとしては、「フォートポイント・バレンシア」も外せません。オンリー・サンフランシスコのスーパーからラテンの食材店まで、ミッション地区の台所を覗いてみるといろんな顔が見えてきました。そしてIT企業に勤める人の生活とラテン文化が共存しているのは、この街の魅力のひとつです。

14thストリート付近から再びMuni#14に乗ってパウエル方面へ。今日歩いたのは1万5000歩。
皆さんも次の旅は、台所から歩いてみませんか。

  • 露店で黙々とビーズを組み合わせてる職人。こんな手仕事の風景も残っている
  • バレンシア通り。ビールを飲む人、コーヒー飲む人が一緒の空間
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