エッフェル塔と並ぶパリのシンボル。凱旋門の観光ポイント
2024.4.5
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フランス・パリのシンボルであるエッフェル塔。1889年の万国博覧会に合わせて建設され、2019年で130年を迎えました。フランス・パリと言えば誰しもイメージするこのモニュメントを、余すところなく100%楽しむ方法を紹介します。
エッフェル塔は、パリの中心から西寄りのセーヌ川沿いに建っています。列車で向かう場合は、地下鉄6号線のトロカデロ駅、またはビル・アケム駅のふたつが最寄り駅です。RER C線では、シャン・ド・マルス・トゥール・エッフェル駅とで降ります。
上記3駅の中でエッフェル塔にもっとも近いのが、ビル・アケム駅とシャン・ド・マルス・トゥール・エッフェル駅。駅名は異なりますが、この2駅は隣接しています。
両駅からエッフェル塔までの行き方は、駅を出てセーヌ川沿いのブランリー通りを北東へ。駅を出るとすぐにエッフェル塔が見えますので、それを目印に歩けば迷いません。両駅ともエッフェル塔までは、徒歩10分以内の距離です。
トロカデロ駅からの向かい方は、エッフェル塔のビュースポットのひとつシャイヨー宮のテラスを経由して行きます。駅構内にある、エッフェル塔が描かれた看板を目印に歩いて行くと、シャイヨー宮に最も近い出口となります。シャイヨー宮のテラスに出れば、エッフェル塔は眼前にありますので、テラスから塔までは分かりやすいです。こちらは徒歩10分強の距離です。
エッフェル塔は、フランス革命100周年を記念したパリ万国博覧会の目玉として、1889年3月31日に開業しました。建設には、鉄橋建設の際に用いるトラス構造の技術が活用されました。ギュスターブ・エッフェルの指揮のもと、26ヵ月と5日という期間で造られたのだといいます。当初は万博のパビリオンの役割をもって建てられましたが、その後は電波塔としての役割ももつようになりました。
エッフェル塔全体の高さは324m。展望台は3層に分かれ、1階部分が57m、2階部分が115m、3階部分が276mの高さにあります。2階まではエレベーターもしくは階段で、3階まではエレベーターを使って上ります。
今では、エッフェル塔はパリのシンボルとして認められていますが、建設当時は芸術家などが反対の陳情書を出すなど、世間で大きな議論が起きました。パリの景観にとってエッフェル塔があまりに巨大で、鉄骨を使うデザインが当時としては斬新なものだったからです。反対派のひとりだった自然主義派の作家ギ・ド・モーパッサンは「私はパリそしてフランスからも離れた。なぜならエッフェル塔があまりにも私をうんざりさせるからだ」と述べています。パリで唯一、エッフェル塔を見なくても住む場所であるとして、モーパッサンはエッフェル塔内のレストランで食事をしていたという逸話も残っています。
物議を醸したエッフェル塔でしたが、エッフェル塔の公式サイトによると、現在は年間700万人が訪れるパリを代表するモニュメントになりました。そして、来場者の75%は外国人が占めています。
エッフェル塔は、1階、2階、最上階(Sommet:ソメ)の3階建てで構成されています。1・2階はエレベーターまたは階段で、2階から最上階まではエレベーターのみでつながっています。入場券も手段別に3種類(階段で2階まで/エレベーターで2階まで/エレベーターで最上階まで)あり、それぞれ値段が違います。
・階段で2階まで: 10.20ユーロ
・エレベーターで2階まで: 16.30ユーロ
・エレベーターで最上階まで: 25.50ユーロ
※営業時間: 9:30〜翌0:45(季節などによって変更あり)
入場券は当日現地でも買えますが、日にちと時間帯によってはたいへん混み合いますので、エッフェル塔の公式サイトで日時を指定して事前購入することをおすすめします。階段利用の入場券は2階までしかオンラインでは販売しておらず、階段で上った際の2階から最上階へのエレベーター部分は現地でしか購入できません。
エッフェル塔の公式サイト(https://www.toureiffel.paris/jp)からのオンラインによる購入方法を紹介します。
エッフェル塔の公式サイトで、上りたい階(2階までか最上階か)と手段(階段かエレベーターか)を選び、日時と人数を選択します。携帯電話の番号をユーザーネームとして、氏名や住所などを記入してアカウント登録をしたのちに、クレジットカードで決済します。2階までのエレベーターと比べて、最上階へのエレベーターは常に混み合い、直前の購入だと売り切れていることも多いです。日程に余裕をもって購入することをおすすめします。なお、オンラインチケットは、郵送か自宅で印刷かを選択できます。自宅で印刷する場合は、A4の紙にプリントアウトして当日、現地で提示します。スマートフォンの画面にバーコードを表示させる方法でも良いのですが、いくつかのスマートフォンでは、この方法に対応しないことがありますので注意が必要です。
もし日時指定の入場券をお持ちの場合は、指定時間ギリギリではなく、少し余裕を持ってエッフェル塔に到着してください。エッフェル塔内の敷地内に入るためにセキュリティチェックを通る必要があるからです。
セキュリティチェックのゲートは3種類(エッフェル塔内レストランまたは催し物会場への訪問客/入場券あり/入場券なし)ありますので、対応するところに並びます。
セキュリティチェックを通過した後は、階段の場合は階段専用のゲート、エレベーターの場合はエレベーター専用のゲート、レストランなどはレストラン専用エレベーターのゲートから上ります。
4本の脚で支えられている構造のエッフェル塔には、それぞれの脚の部分に沿うように、エレベーターと階段が備え付けられています。どこの脚から上るかは、入場券の種類や訪問目的によって変わります。
1階は地上から57メートルの高さにあります。ここにはエッフェル塔グッズなどを販売する公式ショップやサンドイッチなどを買える軽食コーナー「Le Buffe(ル・ブッフェ)」、レストラン「58 Tour Eiffel(58トゥール・エッフェル)」などが入っています。催し物会場として使われる「Salon Gustave Eiffel(サロン・ギュスターブ・エッフェル)」もあります。
足下が見えるガラス床が敷かれた部分や、エッフェル塔の歴史などを学べる映像コーナーなども用意されています。エッフェル塔は上へ向かえば向かうほど階の広さが狭まっていきます。1階部分は広めのスペースにベンチなどが配されて、景色を眺めながらゆっくりするには最適の階です。
2階は地上から115メートルの位置にあります。ここには1階同様に軽食コーナーの「ル・ブッフェ」や公式ショップに加えて、フランスのパティスリー「Lenôtre(ルノートル)」のマカロンを楽しめる「Bar à macaron(バーラ・マカロン)」があります。2階部分は2重構造になっており、最上階へのエレベーターは上部です。
レストラン「Jules Verne(ジュール・ベルヌ)」では、エッフェル塔からの景色を楽しみながらフランスの美食を楽しめます。料理は、世界的に有名な食のガイドブックで3つ星を獲得したパリのレストラン「Pré Catelan(プレ・カトラン)」のシェフを務めるフレデリック・アントン氏がプロデュースしています。
最上階まで来ると高さは276メートルになります。ここにはエッフェル塔を建てたエッフェル社、ギュスターブ・エッフェル氏のオフィスが、当時を再現して残されています。昭和天皇は皇太子時代にエッフェル塔を訪れており、オフィス内にはその際に日本国がギュスターブ・エッフェル氏を叙勲した書面などが飾られています。
エッフェル塔を上り終えたら塔の全体像も写真に収めたいはず。パリ市内からエッフェル塔を見られる場所は多いですが、定番の2ヵ所は、塔の北側にあるシャイヨー宮のテラスと南側に広がるシャン・ド・マルス公園です。
午前にエッフェル塔を撮影するならシャン・ド・マルス公園から、午後ならシャイヨー宮からが順光になり、おすすめすです。昼間のはっきりとした姿のエッフェル塔も良いですし、夕焼けの赤と空の青が混ざり合う日没前のエッフェル塔もすてきです。
シャイヨー宮側からは、広がるパリの街並みのなかにすっとそびえるエッフェル塔を、シャン・ド・マルス公園からは、芝生や街路樹の緑と青空を背景に、堂々と立つエッフェル塔を収められます。
エッフェル塔は、日没後から深夜1時までライトアップされます。ライトアップされる時間帯の毎正時(0分)には、エッフェル塔全体に配置された照明がキラキラと光ります。エッフェル塔のライトアップは、周囲のどの方向からでも見られます。特にシャイヨー宮側からは、パリの町の灯りの上にそびえ立つエッフェル塔を鑑賞できてきれいです。
エッフェル塔内には、いくつかの飲食施設があります。手軽に利用できてエッフェル塔らしいロマンチックさを楽しめるのが、最上階にあるシャンパンバー(Bar à champagne)です。簡易カウンターが設けられていて、昼はパリの町並みの地平線を眺めながら、夜は一面に広がる夜景を望みながらグラスを傾けることができます。シャンパンは、1杯20ユーロ以下でさまざまな種類と銘柄を楽しめます。
■シャンパンバー(Bar à champagne)
・営業時間: 10:15〜22:15
・URL: https://www.restaurants-toureiffel.com/en/champagne-bar.html
本格的な料理を楽しみたい場合は、1階にあるレストラン「58 Tour Eiffel(58トゥール・エッフェル)」はいかがでしょうか。2009年に開業したオープンキッチンのレストランで、内装をフランス人デザイナーのパトリック・ジュアンが手がけています。
「58」という数字は1階部分までの高さ57mに、キッチンの高さを足した数字によるもの。塔の1階部分のシャイヨー宮側にあり、シャイヨー宮側の窓からは沈む夕日を見ながら食事を楽しめます。食事はミシュラン2つ星のシェフ、ティエリー・マルクス氏によるプロデュースです。ランチは41ユーロ〜、ディナーは95ユーロ〜(2019年9月現在)で提供されています。
■58トゥール・エッフェル(58 Tour Eiffel)
・営業時間: 11:30〜15:30、ディナーは18:30〜20:30と21:00〜23:30の2回(7月14日のディナーは休み)
・URL: https://www.restaurants-toureiffel.com/en/58-tour-eiffel-restaurant.html
記念日など、さらに豪華な時間を過ごしたいときは、2階にあるレストラン「Jules Verne(ジュール・ベルヌ)」がおすすめです。レバノンの建築家アリーヌ・アスマール・ダマン氏による内装のなか、ミシュラン3つ星シェフのフレデリック・アントン氏が手がけた料理を堪能できます。ランチは105ユーロから、ディナーは190ユーロから(2019年9月現在)。ドレスコードは「スマートカジュアル」という指定があります。ネクタイやジャケットの着用は義務ではありませんが、Tシャツや短パン、スニーカーは認められていません。
■ジュール・ベルヌ(Jules Verne)
・営業時間: 12:00〜13:30、18:00〜21:30(7月14日のディナーは休み)
・URL: https://www.restaurants-toureiffel.com/en/jules-verne-restaurant.html
エッフェル塔は、パリで最も有名なの観光スポットのひとつです。観光客を狙うスリが多いため、手荷物は常に目が届く範囲に置きましょう。撮影に熱心なあまり、カバンの口などが開きっぱなしになっていないかなど、確認を怠りなく。スリはプロです。誰が観光客であるかすぐ見分けられますし、たいへん手際よく財布などを抜き取ります。実際にスリの被害にあった日本人観光客から話を聞くと、「まさか自分がスリ被害にあうとは思わなかった」という感想を漏らす人がほとんどです。
また、エッフェル塔の周辺には「スピーキング、ジャパニーズ?」と言いながら、何らかの署名を求めてくる人がいます(多くは女性が行なっていることが多いようです)。彼女たちにも注意が必要です。署名をすると、いくらかの寄付金を要求されたり、署名している隙を狙いスリを働かれることもあるのだといいます。
エッフェル塔周辺には、エッフェル塔のキーホルダーや置物などのグッズを路上販売する露天商がいます。これらは、違法行為です。同じようなエッフェル塔のグッズは、エッフェル塔にある公式ショップで売られていますので、そちらで購入するようにしましょう。
エッフェル塔を訪問したら、一緒に訪れたいスポットを簡単に3つ紹介します。
【1】シテ建築遺産博物館
シャイヨー宮内
【2】ケ・ブランリー博物館
エッフェル塔から徒歩5分
【3】凱旋門
エッフェル塔の最寄り駅・トロカデロ駅から地下鉄6号線でシャルル・ド・ゴール・エトワール駅下車、徒歩すぐ。
いかがでしたか。フランス・パリのシンボルであるエッフェル塔を余すところなく100%楽しむ方法を紹介しました。永遠に人々を魅了し続ける塔へでかけてみませんか。