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高雄は台湾南西部最大の都市であり、アジア有数の港町。西は台湾海峡、南はバシー海峡に面しています。日本から直行便で高雄国際空港へアクセスできるほか、街中には地下鉄(MRT)や路面電車(LRT)が通っていて便利なため、初めての台湾ローカル旅という人にはおすすめです。高雄市内では、旗津諸島をはじめとする澎湖諸島で取れた海鮮を提供するレストランが多く、町の中心部でもおいしい海鮮にありつけます。台湾南西部に来たら食べてほしいのがフルーツ。高雄では、6月にライチ、7〜8月にリュウガン、6〜9月にパイナップル、6〜12月にグアバそして通年でバナナが味わえます。気候は1年を通して温暖で、冬季でも日中は半袖にサンダル姿の人を見かけます。バイクの交通量が多く、台北に比べて交通ルールがユルいので赤信号でも右折してくる車が多いです。横断歩道を渡る際は注意しましょう。
目次
台南市の南、台湾南端の屏東縣の北に位置します。港町として知られていますが、郊外には田園風景が美しい美濃(メイノン)、バナナの産地である旗山(チーシャン)などがあり豊かな自然に恵まれています。
飛行機は、東京・成田、関西、新千歳、沖縄からの直行便があります。
台北からのおもなアクセスには、①高鐵(新幹線)、②台鐵、③バスがあります。
公共交通機関の利用で1番便利なアクセスは、①高鐵で左營駅まで行く方法で、台北駅から最短1時間34分、1490元でアクセスできます。高雄中心部へは地下鉄(MRT)で約15分です。新幹線のチケットは、日本語のHPよりオンライン予約可能で、早期予約で最大20%割引があります。また、期間内乗り放題になる外国人限定パスもあるのでチェックしてみてください。
・URL:https://www.thsrc.com.tw/jp
費用を抑えたい、ローカル旅を満喫したい場合は、②台鐵の普悠瑪号(所要時間約3時間36分、843元)。③バス利用の場合は、台北轉運站(駅)前バスターミナル(台北市大同區市民大道一段209號)から高雄行きバスで約4〜5時間、530元〜。深夜運行のバスもあるので、夜の間に高雄へ移動してしまうのも選択肢としてありです。
1年で最も気温が高い7月は平均32度、1番気温が低い2月は平均16度。夏季は高温多湿になるため、体感温度は高く感じます。また日差しが強烈なため、帽子や日傘、サングラスなどで紫外線対策もお忘れなく。5〜9月は高温多湿でスコールのような雨や台風が多いシーズン。この時期の天候は変動しやすいので、晴れていても折りたたみ傘を携帯しましょう。屋内はエアコンが効いている場合が多いので、ストールや薄手の上着を持っておくと安心。11〜翌3月頃は雨が少なく天候が安定し過ごしやすいです。日中は半袖の陽気になっても朝晩は気温が下がることがあるので、パーカーなどの上着を持っておくとよいでしょう。
高雄市街地に位置する淡水湖。約7ヘクタールの湖を囲むように、道教の廟やそれらの関連施設が点在しています。湖面にはケーブルウェイクボードを楽しむ人の姿も。サイクリングロードが整備されているので、レンタサイクル「City Bike」を借りてサイクリングすることもおすすめ。City Bikeは、新幹線「左營」駅や台湾鉄道「新左營」駅があるMRT紅線「左營」駅もしくはMRT紅線「生態園區」駅前で借りるのが便利。龍虎塔だけピンポイントで行きたい場合は、新幹線「左營」駅・台湾鉄道「新左營」駅・MRT紅線「左營」駅からタクシーで約10分、もしくは台湾鉄道「左營(舊城)」駅から徒歩約10分が便利です。
蓮池潭の観光スポットをいくつかご紹介します。
蓮池潭で一番人気のスポット。向かいに建つ道教廟(城邑左營慈濟宮)が1976年に建てた宗教施設で、ガイドブックでおなじみの観光スポットです。龍の口から入って虎の口から出ると厄が落とされると言われています。塔の中にある壁面は華やかな装飾が施され、龍塔は親孝行の模範とされる「二十四孝」や悪人が地獄で受ける様子を描いた「閻魔大王審罰刑図」が。虎塔には儒教聖人や天国の世界を描いた「十殿玉皇大帝三十六宮将図」などの絵が飾られています。時間外の夜は、虎と龍の中には入れませんが、外観がライトアップされるのでフォトジェニックです。
左營蓮池潭 (龍虎塔)
詳細をみる1951年に武聖關公(関羽)を祀って建てられたふたつの塔。龍の口を潜ると壁面に観音菩薩に関する仏教説話の絵が描かれています。龍のトンネルを抜け、橋を渡ると八角形の五里亭があります。
・住所: 高雄市左營區蓮潭路36號
・営業時間: 5:00〜22:00
1995年に建てられたスポット。道教の神様、北極玄天上帝が祀られています。高さ24メートルの像は夜になるとライトアップされとてもきれい。像の内部は廟になっているので参拝しましょう。
・住所: 高雄市左營區蓮潭路116巷1號
・営業時間: 6:00〜22:00
学問の神様・孔子を祀った廟で、台湾最大規模の孔子廟です。宋代の建築様式の館内には歴史を学べる展示スペースも。孔子の誕生日である旧暦9月28日には式典が行われます。
・住所: 高雄市左營區蓮潭路400號
・営業時間: 9:00〜17:00
・定休日: 月曜
日本統治時代に使われていた砂糖工場などの倉庫群をリノベーションし、雑貨店やカフェとして再利用している人気エリア。若手の芸術家が手がけるアートが点在し、SNS映えするスポットとなっています。週末になるとフリーマーケットも開催され、にぎわいます。
駁二藝術特區
詳細をみるMRT紅線と橘線が通る「美麗島」駅。その改札フロアにある直径30m、総面積660㎡の世界最大級のステンドグラスが人気です。世界的なステンドグラス作家マエストロ・ナルシサス・クアグリアータによる「祈り」を表現した作品で、4年もの期間をかけて製作されました。
美麗島駅
詳細をみる高雄郊外にある絶景スポット。泥岩が雨水や川の水で極度に浸食されたことで作られた荒地はまるで月面のよう。一帯は地景公園に指定され、遊歩道が整備されていて歩きやすいです。影になる場所が少ないので、日傘や帽子を持参しましょう。夜はライトアップされます。田寮月世界へは、MRT紅線「南岡山」駅から紅708路バス、8012旗山行きバスで約1時間、「日月禅寺」下車すぐ。タクシーで行く場合は、MRT紅線「南岡山」駅から600元程度。
・住所: 高雄市田寮區崇德里月球路36號
高雄市内からフェリーで渡る長さ11.3km、幅200mの砂州。元は高雄本土と陸続きでしたが、港の開発にともない独立した島になりました。海鮮料理を味わえるレストランや屋台が多数。冬季になるとカラスミが天日干しされている様子を見ることができます。『旗後燈塔(チーホウドンター)』は、1883年に建てられたバロック建築様式の灯台で、高雄港全体が見渡せる人気スポットです。1673年に建てられた台湾最古の媽祖廟『旗津天后宮(チージンティエンホウゴン)』は海の守り神を祀っています。海沿いでは、海を眺めながらサイクリングを楽しめるほか、点在するSNS映えするグラフィックアートを眺めつつの散策が楽しめます。
・住所: 高雄市旗津區海岸路10號
地元で愛されるショッピングモールですが、センスのよいおみやげやグルメがギュッと詰まっているので、時間が限られた観光客にもおすすめです。
地下1階にあるのは、高雄にしか店舗がないパイナップルケーキ店『呷百二(ジャバジ)』、パンの世界大会で優勝した高雄発の『吳寶春麥方店(ウーバオチュンマイファンディエン)』、高雄に本店をおく伝統菓子『舊振南餅店(ジウヂェンナンビンディエン)』ほか、台北で人気の茶葉・お茶請け『CHA CHA THÉ(チャチャテ)』、ヌガーが人気の『糖村(タンツン)』、品質のよいスーパーマーケット『JASONS Market Place(ジェイソンズ マーケット プレイス)』。台湾メイドの雑貨(『expo 誠品書店(エクスポ チョンピンシュウディエン)』もあります。小籠包の『鼎泰豐(ディンタイフォン)』や高雄発祥の紅茶ドリンクスタンド『樺達奶茶(ホアダーナイチャー)』などグルメも充実。漢神巨蛋購物廣場から5分くらい歩けば瑞豐夜市(後述の人気グルメで紹介)も。
・住所: 高雄市左營區博愛二路777號
・URL: https://www.hanshin.com.tw
1955年創業の台湾で愛される文房具メーカー。店内には創業当時からの商品や以前使われていた製造機械が展示されています。看板商品は万年筆で名入れも可能。ノック式のボールペンは10元〜と、リーズナブルながら書き心地抜群でバラマキ土産にぴったりです。不定期でボールペン製作のDIY教室をやっているので、お店のFacebookをチェックしてください。
・住所: 高雄市鹽埕區五福四路153號
・URL: https://shop.skb.com.tw
日本統治時代の1914年に建てられた倉庫をリノベーションした新名所。1階のKW2 Select Shopでは、昔の高雄の写真を使ったレトロかわいいポストカードをはじめ、台湾の伝統柄をモチーフにした雑貨『印花楽(インホアラー)』、台北迪化街に本店をおくブランド『大春煉皂(ダーチュンリエンザオ)』の石鹸など、注目の台湾メイド雑貨を販売しています。屏東産カカオを使ったチョコレート専門店『福湾荘園巧克力(フーワンヂュアンユエンチャオクーリー)』も入っています。同フロアの101Expoでは、SKB文明鋼筆などの文房具が入手可能。花布雑貨や漁師バッグは2階のLan wan shopにて購入できます。施設内には飲食店も多数入っているのでのんびり過ごしましょう。
住所: 高雄市鼓山區蓬萊路17號
・URL: https://www.kw2.com.tw
1984年に高雄で創業した台湾料理店。第一号店の中正店をはじめ、百貨店のフードコートや高雄国際空港の出発ロビー3Fなど高雄に8店舗、台北に1店舗を展開しています。創業者はフランス料理店で腕を磨いたシェフ。注文方法は、まずカウンターで食べたいものを指差し注文して支払いを済ませ席に座ります。小皿料理なので少人数でも安心。肉料理、魚料理、野菜が常時約30種類ほど並んでいます。人気メニューは、煮込み料理の滷味(ルーウェイ)。
【中正店】
・住所: 高雄市中正三路82號
・URL: https://www.chefteng.com
1953年創業の牛肉麺店。ここでぜひ食べておきたいのは、牛肉拌麵(ニウロウバンミエン)。汁なしの牛肉麺で、モチモチの自家製麺の上に、オーストラリア産の牛肉とネギがのります。麺にたれが染み込んでいるのでそのままでも十分おいしいけれど、テーブルに置かれたニンニクやトウガラシをかけるとさらに旨味が増すのでおすすめ。セットの牛肉スープも絶品です。混雑時は時間がかかる場合があるので、セルフサービスの滷味を先にいただくのもあり。
・住所: 高雄市鹽埕區大成街55號
旗津半島で海鮮を食べるならこちら。フェリー乗り場からタクシーで約15分、自転車で約30分の海鮮料理店です。店頭の生簀にはエビやカニがたくさん。店長のおすすめは、蒸しエビ、牡蠣のフライ、カボチャのビーフン炒め。3人以上で訪問したら、タラバガニ粥の螃蟹粥(パンシエヂョウ)もおすすめです。メニューがないので少しハードルが高く感じるかもしれませんが、食べたい魚は店頭で指差し注文できますし、親切なスタッフが対応してくれるので安心です。
・住所: 高雄市旗津區中洲巷68-22號
高雄でスイーツといえば、高雄発祥の金桔豆花がおすすめです。鹽埕吳家金桔豆花は1925年に創業し、リアカー販売からスタートした豆花専門店。金柑は季節によって産地を変えていますが、主に屏東産で有機栽培されたものを使い、毎朝手作業で一つひとつ選別しています。豆花に使う大豆は遺伝子組み換えでないもの。小豆がトッピングされた紅豆豆花も素朴で美味!
・住所: 高雄市鹽埕區富野路70號
約1000坪の広い敷地内に、1000軒以上の屋台が並んでいます。滷味や臭豆腐(チョウドウフウ)などのB級グルメの定番をはじめ、エスニックやケーキ専門店などバラエティ豊富。台湾南部特有の餅を揚げて砂糖をまぶした白糖粿(バイタングイ)屋台もあります。グルメ屋台以外にも衣類や携帯アクセサリーなどのショッピングエリア、ダーツやパチンコゲームなどのゲーム屋台があります。海鮮を満喫したい場合は六合觀光夜市(リウフーグアングアンイエシー)へ。
瑞豐夜市
詳細をみるMRT(Kaohsiung Rapid Transit System。KMRTと表記することも)は高雄中心部を走る地下鉄のこと。南北(小港駅〜南岡山駅)を走る紅線と、東西(大寮駅〜西子湾駅)を走る橘線があります。今後は紅線の延伸と黄線も開通予定。駅構内では無料Wi-Fiが使えます。
LRT(Light Rail Transit)は、架線がない路面電車のこと。スペイン製の蓄電走行システムを採用しており、減速時に発生するエネルギーも電気に変えて充電します。全線がバッテリー式で電線がない路線は世界初! 2020年1月現在、籬仔内駅〜哈瑪星駅が開通していますが、最終的には環状線になる予定です。MRT、LRTともICカードは台北でも使える悠遊卡(ヨウヨウカー)か一卡通(イーカートン)が利用でき、車内での飲食は禁止です。
南北に伸びる紅線は、高雄国際空港から高雄中心部の紅線「美麗島」駅まで直通で約20分。新幹線への乗り換えは紅線「左營」駅。台湾鉄道への乗り換えは、紅線「左營」駅・「高雄車站」駅。アートスポットの駁二藝術特區へは橘線「鹽埕埔」駅、旗津へのフェリー乗り場へは橘線「西子湾」駅で下車します。
LRTでは、駁二藝術特區へは駁二大義駅か駁二蓬莱駅、アジア最大級のジオラマが楽しめる哈瑪星台灣鐵道館(ハマシンタイワンティエダオグワン)へは哈瑪星駅で下車します。
MRTは、現金の場合は券売機でプラスチック製のトークンを購入して改札を通ります。料金は20〜60元。ICカード利用の場合は1.5割引。駅構内にはトイレがあり便利です。
LRTは、改札がないのでそのまま駅構内に入ります。現金の場合はホームにある販売機で切符を購入。切符は購入から1時間以内であれば何度でも使えます。ICカードの場合はホームか車内の端末にタッチします。駅構内、車内にトイレはありません。
日本からのフライトは、台湾に午前中に到着する便にして少しでも長く滞在しましょう。現地では自分のペースに合わせて旅を満喫できるフリープランがおすすめ。2泊以上あれば、高雄からほど近い台南や屏東も組み合わせて楽しめます。
1年を通して暖かい高雄。台北に比べて時間の流れがどこかゆったりしています。フルーツが豊富な夏季もよいですが、寒い日本を抜け出せる冬季もおすすめ。北部では出合えないグルメやスポットを満喫しましょう。
少し長い休みを取って、特色が違う台南や屏東も一緒に訪れるとより楽しめます。旅のお供には、南台湾を網羅した『地球の歩き方 ガイドブック D13 台南 高雄 屏東&南台湾の町』がおすすめです。
TEXT: トラベル・キッチン 大西稚恵
PHOTO: 熊谷俊之、上原浩作、竹田武史、大西稚恵、iStock
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