キーワードで検索
フィレンツェで最古の橋で(1218年にカッライア橋が架けられるまでは、町で唯一の橋であった)、アルノの流れが最も狭まった地点に渡されていた。現在の橋は1345年に造られた(N.ディ・フィオラヴァンテ作といわれる)物で、洪水で壊れた(1333年)以前の橋に代わる物。
橋の上に商店が並ぶのは13世紀以降で、後(15世紀)には肉屋が軒を連ねるようになって悪臭を放ったといわれる。16世紀の終わりにフェルディナンド1世がこれらを立ち退かせて、代わりに貴金属と宝石商が集められ、現在にいたっている。
第2次世界大戦末期のドイツ軍の爆破を免れた唯一の橋で、3つの緩やかなアーチがアルノ川に架かる姿は美しい。
フィレンツェではどんなおみやげを買うか。これはなかなか難しい問題に違いない。革製品はもちろん、シルクのネクタイやスカーフには染の伝統が感じられるし、ヴェッキオ橋界隈にでも行けばキラキラと魅惑的な光を放つ貴金属細工にも心が動く。でも、もしあなたが“フィレンツェにしかない物”を探しているなら、こんな物はどうだろう。
ルネッサンス時代にこの町で発達した、貴石を加工したアクセサリーやインテリアがそれで、現在でもフィレンツェだけに見られる特殊な工芸だ。使われる石はマラカイトやラピスラズリ、大理石、瑪瑙(メノウ)などで、これらをデザインに合わせてカットし、はめ込んで図柄を作っていく、非常に高度でセンスの要求されるアートでもある。小さな物ではイヤリングや指輪、ペンダントトップなど、やや大きい物では壁に飾るプレートや箱物などが大きさも値段も手頃だろう。興味があったら、ヴェッキオ橋あたりやアルノ川沿いのアッチャイオーリ川岸通りなどにある店のウインドーをのぞいてみては?
もしも、買うには予算不足だけれどどんな物かよく知りたいというのだったら、アルファーニ通りにある貴石加工美術館か、サン・ロレンツォのメディチ家礼拝堂内部にある「君主の礼拝堂」を訪れてみることをおすすめしたい。