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1559年のシエナ征服の後、コジモ1世がヴァザーリに命じて造らせた。当初は行政機関を1ヵ所に集める目的で建てられたもので(ウッフィツィ=オフィス、役所の名はここからきている)、敷地を確保するために町のほぼ1区画が取り壊された。川に近い砂地の土壌にこのように大きな建物を建てるのは容易ではなく、ヴァザーリは初めてコンクリート工法を試みている。コジモの跡を継いだフランチェスコ1世は上階の柱廊を封じてギャラリーとし、そこにメディチ家所有の美術作品を収めた。これが現在のウッフィツィ美術館の始まりで、トスカーナを中心にイタリア絵画の傑作を数多く有し、世界中に名を知られている。美術館の入口はヴェッキオ宮寄りの6番地にあり、見学者の絶えることがない。
見学は建物の3階から。階段を2階分上がっていくとローマ時代の胸像が並んだ部屋を抜け、長い廊下に出る。展示室はこの廊下に沿って並んでいる。
特に見逃せない作品を展示室順に挙げてみよう。まずはフィレンツェに育まれたルネッサンスを代表する画家の作品から、2室:ジョットの『玉座の聖母子』、8室:ピエロ・デッラ・フランチェスカの『ウルビーノ公夫妻の肖像』、10~15室:ボッティチェッリの『春/プリマヴェーラ』、『ヴィーナス誕生』、28室:フィリッポ・リッピの『聖母子と二人の天使』、32室ルカ・シニョレッリの『聖家族』、35室:レオナルド・ダ・ヴィンチ『受胎告知』、『マギの礼拝』など。41室:ミケランジェロの『聖家族』、ラファエッロ『ひわの聖母』、ヴェネツィア・ルネッサンスの代表作、83室:ティツィアーノの『ウルビーノのヴィーナス』、『サンタ・マルゲリータ(フローラ)』は優美な作品。91、96、97室:カラヴァッジョの『イサクの犠牲』、『メドゥーサ』、『バッカス』。カラヴァッジョはルネッサンスの後のバロック期を代表する画家。ローマの教会やボルゲーゼ美術館などを除けば、ウッフィツィ美術館はまとめて3点が見られる貴重な場だ。
ウッフィツィのチケットを予約するには、以下の公式サイトから購入するか、各種ツアーサイトなどの代行購入、現地で時間指定券を購入する(時間が読めないのでおすすめしない)、当日券に並ぶ(おすすめしない)、フィレンツェカードを利用するなどの入場方法がある。ここでは、個人旅行者に一番おすすめできる公式サイトからの予約と、繁忙期以外におすすめのフィレンツェカードを利用した予約を紹介する。
ウッフィツィのチケット販売サイトから、Buy Onlineを押すと、フィレンツェの色々な施設のチケット予約ができる販売サイトに飛ぶ。販売サイトに直接行くと施設選びが面倒なので、公式ホームページから飛ぶのがおススメだ。
上記までの作業をすると、その日付のボタンが複数でるが、一番上のボタンを押す。他のボタンを押しても結果は同じだ
ピッティ宮などの施設見学もまとめて見たい方はここで、Passepartout Namedというチケットを取る。この複数施設用チケットは5日間有効で、最初に訪れる予約をした施設(この場合はウッフィツィ)だけは優先入場が付いているが、そのほかの2施設については優先入場はできない仕組みになっている。
10ユーロ以上得になるので、時間がある程度フレキシブルに対応できて、ウッフィツィとドゥオーモ(23年現在フィレンツェカードで見学できない)、ピッティ宮が見られればとりあえずはOK、という人にはおすすめ。しかし、旅程が限られていて待ち時間なくたくさんスポットを回りたい旅行者や、時間をとって多くの美術館を回りたい、という旅行者には下記のフィレンツェカードの利用をおすすめする。
また、春~秋(3/1~10/31)のハイシーズンにかけては30ユーロの入場料が予約に必要になるが、オフシーズン割引(11/1~2/28)などが入ると16ユーロでチケットが買える時期もある。料金は追加のフィーなどでたびたび変更されるので、必ず事前に確認しよう。
購入するチケットが決まったらアカウントを作成する。住所など入れるのは面倒だが、予約なしでウッフィツィに行ったら並んでも入れない日があるくらいなので、もう少しの辛抱だ。
フィレンツェカードは72時間フィレンツェの60以上の施設に入場可能になる便利なカードだ。値段は85ユーロと安くはないものの、多くの美術館や建築を回りたいという旅行者にとってはとてもお得なカードになりうる。以前はフィレンツェカードがあればウッフィツィにもすぐに入場ができたが、現在では要事前予約となっている。フィレンツェカードの「要予約」施設の中でも2、3時間並ぶこともざらにあるウッフィツィは最大の鬼門と言えるだろう。
オンラインでの購入も可能だが、このカードを利用してウッフィツィに入りたい人はウッフィツィの2番窓口でフィレンツェカードを作る際に日時予約をする方法がよいだろう。(重ねてだが、繁忙期の状況によって予約が埋まっているので、基本的には事前予約の方がおススメだ)
他にもバルジェッロ国立博物館とピッティ宮などで、カード購入時の予約が可能だ。