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イスラム教最大の祝祭イード・アル=アドハー(犠牲祭)とは?期間中のバングラデシュの町の様子

アイ・シー・ネット株式会社

アイ・シー・ネット株式会社

更新日
2026年6月24日
公開日
2026年6月26日

坂根 優奈
学生時代にパラグアイやトンガへ訪れたことをきっかけに、栄養改善と国際保健の面白さに目覚める。大学院修了後、衛生商材メーカー、国際機関を経て、2023年にアイ・シー・ネットに入社。現在は栄養・保健分野のコンサルタントとして、JICAや省庁、国際機関の技術協力プロジェクトや研修、調査案件に従事。バングラデシュやコートジボワールのほか、国内外で活動。

イスラム教最大の祝祭、イード・アル=アドハー(犠牲祭)は、バングラデシュの人々にとって年に一度の大切なお祭りです。数週間前から首都ダッカもお祝いに向けて町の雰囲気が変わり始めます。バングラデシュの人々はどのようにお祝いをするのか、現地で体験しました。

 

 

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イードとは?

イスラム教最大の祝祭といわれる「イード」は、ラマダン明けに祝う「イード・アル=フィトル」と、今回ご紹介するイスラム暦の12月10日に行われる「イード・アル=アドハー(犠牲祭)」のふたつがあります。
いずれもイスラム暦で祝祭日が決まるため、2026年のイード・アル=フィトルは3月20日~21日、イード・アル=アドハーは5月27日~28日に行われました。

筆者はバングラデシュで看護師の能力強化に取り組んでおり、年に数回、毎回1ヵ月程度滞在しています。人口の90%がイスラム教のバングラデシュにとって、大切な祝祭であるイードは、その期間中と前後は祝祭モードで長い休暇となります。今回はイード・アル=アドハーを首都ダッカで過ごし、いつもと違う町の様子に驚きの連続でした。

カウ・マーケット出現!

犠牲祭で忘れてはならないのは、捧げられる動物たち。中東ではラクダなどを捧げることもありますが、バングラデシュでは牛、水牛、ヤギを捧げます。各家庭で捧げた動物の1頭を3等分し、3分の1ずつ貧しい人々、親戚、自分たちで分けていただくのが通例です。

バングラデシュでは、1週間ほど前から牛を購入し、自宅で餌をあげ、清潔にし、神に捧げるためにていねいに世話するのが伝統的な方法とのこと。ただ人口密度が東京都23区の3~4倍に匹敵するダッカ市内では、牛の面倒を見る場所がない人も多く、比較的直前に購入したり、前日まで別の場所で面倒を見てもらったりすることも近年は多いそうです。

では、肝心の牛はどこで売られているのでしょうか? 人口密度も高く、場所も少ないダッカ市内ではいくつか大きな市場(カウ・マーケット)が展開され、売買が行われます。バングラデシュの同僚には「ダッカでも約1週間前から、道のそこかしこで売られ始めるよ」といわれたものの、にわかに信じがたい。なかなか見つけられない日々を過ごしていましたが、なんと休暇数日前に突如、通勤経路の道路脇にも出現! 首都の中心部で、大使館や外資企業などが集まるエリアでも路上での販売は需要があるようです。

 

コブウシ:南アジアでメジャーな牛。背中のコブには、ラクダのように栄養が蓄えられている

神への捧げものであるため、健康的で活発な牛が人気の様子。販売業者も牛の健康状態や衛生状態には気を配り、また立派な牛には名前が付けられて販売されることもあるようです。今年もとある牛に世界的な有名人の名前がついたことで話題になり、世間を賑わせました。休暇前の週末に立派な牛を購入した同僚は、購入した立派な牛の写真を得意げに見せてくれました。

町の様子は

地方間を結ぶバスが日々運行。イード前後は帰省ラッシュで混み合う

雨季の近づくバングラデシュでは雨が続く日が多くなっていたものの、5月27日は天気も良く、快晴でした。当日は朝から道のあちらこちらに牛、牛、牛、そしてヤギ。朝の礼拝が終わり、犠牲獣の屠畜作業が始まっていました。バングラデシュでは家の前の道端で捌くので、町中のそこかしこで屠畜が行われ、賑わっています。牛やヤギを捌くのは男性の仕事。きれいに捌くために決まったお作法で手際よく進めます。2時間ほどで作業は終わり、午後には見慣れた普段の町の様子に戻っていました。

多くの男性は捌き方を知っているようですが、屠畜作業を進める人々のなかには地方からやってくる“捌きのプロフェッショナル”もおり、筆者の滞在場所周辺で屠畜作業を担っていた人々のなかには、ダッカから北西に約300km離れた田舎町、サイドプールから来ていた人もいました。

イード休暇中、多くの人々は地元に戻り家族との時間を過ごします。娘家族がアメリカに住んでいる同僚は、娘家族が8年ぶりにバングラデシュへ帰国予定とのことで、休暇前から楽しみにしていました。イスラム教を信仰していないバングラデシュの人々にとっては宗教的祭事ではありませんが、彼らは彼らでイードの期間を家族と過ごし、楽しむとのことです。

休暇中は町中の商店も、レストランも、新聞も数日間はほとんどお休みとなります。いつもは人で賑わうダッカ中心部も、もぬけの殻状態に。普段は交通渋滞がひどい大通りも、賑やかすぎる車のクラクションの音もなく、人々のお祝いムードは感じつつも静かで穏やかな数日間を過ごしました。

まとめ

イード・アル=アドハー期間中のバングラデシュでは、普段と違った町の雰囲気とお祝いを楽しむ人々の様子に驚きと新しい発見がありました。

また家族と過ごす時間を大切にすることは、世界共通であることを改めて感じる温かな体験になりました。

アイ・シー・ネット株式会社について

アイ・シー・ネット株式会社では、新興国・途上国150ヵ国以上で社会課題の解決を行っています。下記のサイトで事業内容を紹介していますので、ぜひご覧ください。

事業紹介(アイ・シー・ネット株式会社)

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