キーワードで検索
旅行・観光の基本情報
ラトヴィアの歩き方
バルト海に面したラトヴィア(ラトビア)は東欧の中でも独自の魅力を放つ国だ。リトアニアやエストニアと並ぶバルト三国のひとつで、その歴史はドイツ騎士団やロシア帝国など、さまざまな支配者によって形作られてきた。首都リーガはその歴史を物語るように、中世からの建築物が美しく残り、ユネスコの世界遺産にも登録されている。美しい自然もラトヴィアの大きな魅力だ。豊かな森林、湖、そしてバルト海に面した長い海岸線が広がり、リラックスするのに最適な場所だろう。物価も比較的リーズナブルで、まだ観光地としてはそこまで知られていないため、静かな旅行を楽しみたい人にもおすすめだ。
ラトヴィアの首都リーガは、“バルトのパリ“と呼ばれ、中世の雰囲気を色濃く残す街だ。旧市街はその代表的な場所で、石畳の道やゴシック建築、聖ペテロ教会などが目に飛び込んでくる。特にリーガ大聖堂は、バルト海沿岸で最大級の中世の教会で、その壮大さは一見の価値あり。リーガ歴史地区は世界遺産にも登録されており、19世紀後半に建てられたアールヌーボー建築が、ヨーロッパでもっとも集中して見られる町でもある。散策しながら、過去と現在が交錯するような感覚を味わいたい。
ラトヴィアは手つかずの自然が広がる国だ。ガウヤ川が流れるスィグルダは深い渓谷と豊かな緑で“ラトヴィアのスイス”と呼ばれている。川沿いには渓谷や洞窟が点在し、ハイキングやカヌー、サイクリングなど、自然の中でのアクティビティが充実している。一年を通してリゾートタウンとしてにぎわい、春の新緑、秋の紅葉、冬のスキーと季節を問わない魅力をもっている。また赤れんがが美しいトゥライダ城や教会など歴史的建造物も見逃せない。自然と歴史が融合した独特の風景を堪能できる。
ラトヴィアは独自の民俗文化が深く根付いており、各地でその魅力を感じることができる。全国的に盛大に祝われる夏至祭りは、カラフルな衣装と歌声が町じゅうにあふれる。また、毎年6月最初の週末に、バルト最大の民芸品市「ガダティルグス」がラトヴィア民族野外博物館で開催され、あらゆる伝統工芸品の店が並ぶ。上質な工芸品を、伝統衣装を着こんだ職人から直接買うことができる貴重なこのお祭りは、民芸品好きなら一度は訪れたい一大イベントだ。
ラトヴィアの海岸線は美しく、特にユールマラはその代表的なビーチリゾート地だ。夏になると、多くの観光客や地元民が訪れ、白い砂浜と温暖な気候を楽しむ。ユールマラは温泉地としても知られており、リラクゼーションにはもってこいの場所だ。カフェやレストランが立ち並び、海を眺めながらの食事も格別。また、海岸沿いの散策やサイクリングもおすすめで、のんびりとした時間を過ごせるだろう。
ラトヴィアの料理は、地元の自然の恵みを活かした素朴で美味しいものが多い。特におすすめなのが、チーズと黒パン。乳製品が豊富なラトヴィアでは、いろいろなチーズに出合える。チョコレートでコーティングされたカッテージチーズや、キャラウェイ入りのチーズなど、お店で見かけたら試してみよう。黒パンはラトヴィアの伝統的な食品で、その香ばしさとモチモチした食感が特徴的。パイやハチミツケーキなどスイーツも甘さひかえめで食べやすい。
ラトビア共和国
約6.5万平方キロメートル
約189万人
リーガ
プロテスタント(ルター派)やカトリック、ロシア正教など。
ラトビア語
日本からラトヴィアへの直行便はなく、通常はヨーロッパの主要都市(フランクフルト、ヘルシンキ、ワルシャワなど)で乗り継ぎが必要。総フライト時間は約13時間〜となる。
四季はあるが、春と秋は短く、冬が比較的長い。また季節の変わり方が急激で、5月に入るといきなり夏のように暑くなったり、9月になったとたん急に寒くなるといったこともある。夏は、日中は海水浴ができるくらい暖かいが、夜は冷えるので何か羽織るものが必要。また天候が変わりやすいので、常に雨具を持ち歩いていたい。冬はバルト海の影響で、緯度のわりにそれほど厳しくはないが、それでも-20度ぐらいまで下がることもある。だいたい1月から3月まで積雪で覆われる。夏は白夜の影響下に入り、夏至の前後は夜22:00頃まで明るい。逆に冬は16:00頃には暗くなる。
以下は一般的な営業時間の目安。店舗によって30分〜1時間前後の違いがある。
日本との時差は7時間。ラトヴィアが日本よりも7時間遅れている。サマータイム実施中は6時間の時差になる。サマータイム実施期間は3月の最終日曜~10月の最終日曜。
キリスト教に関連するものや、歴史的な出来事を記念するものが多い。年によって移動する祝日もあるため、訪れる際には事前に確認しておくと良い。
電圧は230Vで周波数は50Hz。プラグはふたつの丸いピンが付いたヨーロッパタイプ(Cタイプ)。日本の電化製品を使う場合は変圧器とアダプターが必要。使用する機器が外国での利用を保証しているか、必ず確認を。
伝統としてのチップの習慣はないので必ずしも置く必要はないが、観光化が進むにつれチップも受け入れられるようになってきている。地元の人では置く人、置かない人に分かれる。一般に、カフェなどで食事をしたときには、料金プラス1ユーロ前後になるような端数のないお金を置いていくとスマート。レストランなどでは総額の10%程度で十分と思われるが、もちろん気持ちしだいで増やしてもかまわない。
水道水はカルシウム分を多く含むかたい硬水。汚染されてはいないが、パイプが古かったりする場合があるので、生では飲まないほうがいい。沸騰させたものは問題ない。ペットボトル入りのミネラルウォーターは、食料品店やキオスクなどで安価で売られている。炭酸ガスが入ったものが多いが、炭酸ガスが入っていないものは「Negāzēts」などと表示されている。
ラトヴィアでは、ほとんどの商品に最高で21%の付加価値税がかかっている。税込みで価格が表示される内税方式なので気づきにくいが、レシートを見るとわかる。「Tax Free」の表示がある店で一定額以上の買い物をして手続きし、それを使用せず期間内にEU諸国から出国する際申告すると、納めた税から一定額の還付が受けられる。
ラトヴィアの治安は悪くはない。それでも一般常識に則った注意と緊張感は必要。首都のリーガで比較的治安がよくないとされているのは、駅、バスターミナルの周辺、駅の裏側に広がるマスカヴァス地区(Maskavas Forštate)など。観光客を狙ったスリや置き引きなどの被害も多いので要注意。リーガの駅やバスターミナルに到着すると、新旧市街に向かうためにエスカレーターのない地下道を通り抜けなければならず、階段で荷物にてこずっているうちにスリに狙われるパターンが多いので、要注意。
酒類の購入は18歳以上から。たばこの購入と消費は18歳以上から。
日本の度量衡と同じで距離はメートル法、重さはグラム、キログラム、液体はリットル単位。