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1624年、オランダ東インド会社によって築かれた台湾最古の城古堡。台湾の歴史が台南から始まったとすれば、いわば台湾発祥の地ともいえる場所だ。当初はゼーランディア城と呼ばれ、建材にはインドネシアから運んだ赤レンガが使われていた。その後、1662年に鄭成功がオランダ人勢力を駆逐し、ここを安平城と改称して、鄭氏政権3代にわたって居城とした。清代になると荒廃したが、日本統治時代には城砦が整地されて税関宿舎用地となった。
第2次世界大戦後は「安平古堡」と命名され、日本統治時代の建築も博物館や展望台などに転用されて今にいたっている。敷地の北側にはガジュマルがからみついた城壁が残り、わずかにオランダ時代の面影を伝えている。
安平古堡のある安平は台南市街の中心部から南西へ約5kmのところに広がる牡蠣が名産ののどかな港毎。町の歴史はとても古く17世紀にオランダ人が上陸し開拓された町で、いわば台南発祥の地だ。現在は観光地として連日多くの人でにぎわいを見せる。門前町の延平街と安北路にかけては昔からの住宅地で、清代のれんが造りの家屋が残る静かな町並みが残っており、まるで200年前にタイムスリップしたような感覚にとらわれる。
安平の定番の見どころは安平古堡と安平樹屋だが、時間をとって清代の面影が残る路地裏散策も楽しみたい。北の湿地沿いにサイクリングロードが整備されているので、アウトドア派は5kmほど離れた近郊の四草緑色隧道を目指して湿地帯をサイクリングするのもおすすめ。