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ボンジョルノ~北杜・山梨特派員の水月です。
「山梨特派員ローマへ行く~2022秋」シリーズ第8弾は「B級グルメを食べよう!」です。
レストランで食べる本格イタリアンもいいけれど、ローマのB級グルメは、あなどれないおいしさ。市場やカフェで食べられるリーズナブルで気軽なB級グルメを紹介します。
トップの写真の左、ブラウンのお花のようなものが「カルチョーフィ・アッラ・ジュディア」。直訳すると「ユダヤ風アーティチョーク」。アーティチョークの唐揚げです。
ハーブを利かせて煮込んだローマ風「カルチョーフィ・アッラ・ロマーナ」もありますが、わたしは断然アッラ・ジュディア派です。油で揚げた花びらはチップスになっていてカリッカリ。やわらかな芯をかじると、心地よい苦みとコクを感じます。ローマのゲットー(ユダヤ人街)で食べられていたものだそうです。
「フィオリ・ディ・ズッカ」は、ズッキーニの花。フリットなので「フィオリ・ディ・ズッカ・フリッティ」などとも呼ばれます。塩味で、花の優しい甘みが魅力。日本でも最近、食べられるようになってきましたね。
「テスタッチョ市場」の「FOODBOX」ではオーダーしてから揚げてくれるので、揚げたて熱々を堪能しました。
「スップリ」と「アランチーニ」は、どちらも肉や生ハム、魚介などの具をトマトソースやサフラン、ハーブなどで煮込んだご飯をフライにしたライスコロッケです。
右の小さめの2つがローマ生まれの「スップリ」。語源はフランス語の「驚き」だとか。なかに思いがけずモツァレラチーズが入っていて、それが糸を引いて伸びる。まるで糸電話みたい、ということで「スップリ アル テレフォーノ」とも呼ばれます。ローマの代表的なストリートフードですね。
「アランチーニ」は、シチリアやナポリのストリートフード。こぶし大のまん丸い形が特徴です。なにしろ「小さなオレンジ」という意味なんですよ。もちろんオレンジは入っていません。小さなオレンジみたいなライスコロッケ。ネーミングも洒落ていますね。
こちらも「テスタッチョ市場」の「FOODBOX」で。オーダーしてから揚げてくれます。「5分待って」と言われて店の前で待つ人たちが、和やかにおしゃべりしていました。
「スップリ」と「アランチーニ」は具材や味付け、形もどんどん発展していて、チーズを入れる、入れない、トマト味、サフラン? など、その違いはわかりにくくなっています。はっきり言えることは、ひとつ。どちらもおいしい! 揚げたてが一番、ということかな。
「切り売りピザ」の店は、街角にたくさんありました。トラステヴェレでランチした「Alice(アリス)」です。「焼き立てだから、こっちもいかが?」と言われ、つい追加オーダー(笑)スプリーも揚げたて!
「テスタッチョ市場」の「Da Teo (ダ・テオ)」です。オレンジの箱に入れてくれるのが洒落ていて、街でも箱を持った人をよく見かけました。ちょうど食べたいだけ、でも”本格的”に焼いたピザを手軽に買う。いいですよね。切り売りピザは、ローマのファーストフード的存在になっています。
トラステヴェレ駅近くのビストロ「DOC」で食べた「ピンサ」です。めっちゃおいしかった! じつは「ピンサ」というものを初めて知りました。見た目はピザみたいですが、違いはなんでしょう。
①低カロリーでヘルシー。
②小麦粉のほか、大豆粉、米粉などが使用されていて、長時間発酵させた生地を焼く。
③生地の水分は、80%以上。表面はカリっとしていて、中はふわっとライトな食感。
④具は、後のせ。(のせてから、ふたたび焼くこともあるみたい)
「切り売りピザ」でお手軽になる一方、「ピンサ」では手をかけてヘルシーなものを求める。不思議だけれど、それが人のサガかなあ。
4週間イタリアを旅して、何度も何度もリピートして食べたのは「ポルケッタ(子豚の丸焼き)」でした。市場で、フードコートで、肉屋で、パニーニのお店や露店などで、どこでも食べられるのがポルケッタなんです。
切って量り売りもしてくれるし、パニーニに挟んでとオーダーもできます。店ごとに、微妙に違うハーブだったり皮のパリッと感だったりを楽しめるのもいいし、なんといっても、ハズレがない! 日本人好みの味です。
「テスタッチョ市場」でオーダーしてから具を挟んでくれるお店「Mordi e vai(モルディ・エ・ヴァイ)」で食べたトリッパのトマト煮込みパニーノ。15種類以上の具が選べる人気のパニーノ屋さんです。おいしかった~
「パニーニ」は、いまや日本でもスタンダードになっていますよね。そうそう。日本では「パニーニ」と呼ばれていますが、じつは「パニーノ」なんだって知っていましたか? 「パニーニ」は「パニーノ」の複数形。ひとつオーダーするときには「ウン パニーノ」と、ふたつなら「ドゥエ パニーニ」と言いましょう。
B級グルメって、安価で気軽に何度も楽しめて、じつはものすごーくおいしくて、その土地の歴史がからんでいたりして興味深くもあり、人の笑顔やぬくもりをストレートに感じられて、旅を思いで深いものにしてくれるスパイス満載ですよね。
イタリアに、ローマに行ったら、ぜひぜひ楽しんでいただきたいです。
☆「山梨特派員ローマへ行く~2022秋」シリーズバックナンバーはこちら
第1回 「旅の始めに」
第2回 「市場を楽しむ」
第3回 「バスの乗り方」
第4回 「ピンポイントスポット」
第5回 「アッピア旧街道巡り」
第6回 「サッカー観戦セリエA」