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新羅の古都慶州で堪能する世界遺産巡りとグルメスポット
2023.2.1
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今行きたい海外旅行先として上位にランキングされる韓国。もちろんソウルもいいけれど、人と違った韓国を楽しみたかったら地方都市を巡るのもあり。ということで、6月29日からの3泊4日、韓国観光公社主催の視察旅行で地方都市へ。前回リポートした釜山に続き、今回は世界遺産の町・慶州(キョンジュ)を紹介します。
韓国東南部に位置する慶州へは、高速鉄道KTXなどで釜山から約30分、ソウルからも約2時間とアクセス至便。そのため、韓国を訪れる海外旅行者が足を延ばす“プラスワンの観光地”としても人気が高いタウンです。慶州最大の魅力は、朝鮮半島を初めて統一し栄華を極めた新羅王国の都だった時代の歴史的遺産。おしゃれなカフェやかわいい雑貨店が軒を連ねる通りの向こうには歴史に彩られた遺産が点在し、その新旧の共存にも心揺さぶられます。
2000年に世界遺産に登録された「慶州歴史遺跡地区」は5つのエリアに分かれ、52の指定文化財が含まれています。そのうちのひとつが町の中心にある大陵苑(テヌンウォン)。東京ドーム約8個分の面積を有する古墳公園で、新羅時代の古墳23基が現存し、なかでものちに国宝に指定された金冠の出土などで有名な天馬塚(チョンマチョン)古墳は必見です。内部を見学することができ、希少な体験も。また、長蛇の列ができている古墳にも遭遇。地元カップルやインフルエンサーに人気のフォトスポットで、訪れた時間は緑のコントラストがきれいでしたが、夕暮れどきには神秘的な撮影ができるそう。
慶州のランドマークとして知られる国宝・瞻星台(チョムソンデ)は、大陵苑のすぐ隣に。解明されていない点がまだ多く推測の域ではあるものの、ドラマにもなった在位632~647年の『善徳女王』の時代に建立。ここから観測する星の動きで農作の時期を決定、国家の吉凶を占う占星術を行うなど、農業・政治においても重要な役割を果たしていたのだとか。今でこそシンプルな造りに見える天文台が、重責を担う場所として長き歴史をわたってきたと考えるととても感慨深いです。
大陵苑の脇道が皇理団通り(ファンニダンギル)で、ここ数年でおしゃれストリートへと激変中。韓国伝統家屋の韓屋をリノベしたカフェや再現したブティックなど、モダンレトロな街並みに魅了された国内外の人々で歩道からはみ出るほどのにぎわいでした。慶州は建築制限があり高層ビルが建てられないため、どんなに進化しても古都の雰囲気はそのまま。そのなかで最旬グルメなどが楽しめるとあって注目度はさらにアップしそう。
皇理団通りや瞻星台から歩いて10分ほどの月精橋へも。『三国史記』によると新羅時代の760年に月城(ウォルソン)と南山(ナムサン)を結ぶ橋として完成。その後朝鮮時代に失われましたが、2013年に韓国最大級の木造橋として復元、2018年に橋の両端のふたつの門楼を公開しました。門楼の2階に出土した遺物や橋の歴史、復元の過程などを展示と映像で鑑賞できるデジタル展示館があり、ここでも1200年以上にわたる悠久の歴史を感じることができます。9~22時まで開いているので、ライトアップを堪能できる夜に行くのがおすすめです。
月精橋のすぐ横にある民俗村・慶州校村村(キョンジュキョチョンマウル)も立ち寄るべき名所。朝鮮時代の両班(ヤンバン/当時の支配階級最上級身分)の屋敷を中心に、その裕福な生活を体験できる観光地として2012年にオープン。村内では陶器やお菓子作り体験、国楽公演などを定期的に開催し、伝統茶や韓定食も楽しめます。今回は新羅29代王の娘、瑤石(ヨソク)公主が暮らした邸宅を引き継ぎリノベしたレストラン「瑤石宮(ヨソックン)」でディナー。慶州一の韓定食と言われるゆえんを五感で実感。崔(チェ)家の伝統レシピも味わうことができました。
市の中心部から少し離れているため紹介が遅くなってしまいましたが、仏国寺は1995年に韓国で最初に世界遺産に登録された寺。約1500年の歴史と6つの国宝や文化財、貴重な建築物をじっくり鑑賞することができます。
最初の門、一柱門をくぐると仏の世界を護る四天王が立つ天王門が見えてきます。ここから先がいよいよ仏の世界への入口。右に紫霞門、左に安養門(アニャンムン)があり、寺の推奨ルートは右側から。紫霞門へ上がる階段が国宝の青雲橋(チョンウンキョ)と白雲橋(ペグンキョ)です。現在保全のため使用することができないので、横の坂道から仏の世界へ入ります。
坂を下って安養門の階段、国宝の蓮華橋(ヨンファキョ)と七宝橋(チルボキョ)を鑑賞したら終了。国宝をメインに紹介しましたが、見どころはほかにもたくさんあるので時間をかけて巡ってみてください。
最後は釜山同様、慶州で食べた衝撃のグルメを紹介。ムルフェはムル(水)フェ(刺身)の名前どおり、氷水に刺身とコチュジャン、キュウリ、梨、薬味などを入れた韓国料理で、刺身は脂の少ない白身魚をメインにした魚介が定番。にもかかわらず、慶州では韓牛ユッケを贅沢にのせたムルフェをサーブ。 特製たれで味付けしたユッケはシャリシャリのスープに浸してもうま味が逃げず、しっかりとしたコクはシメの麵とご飯にもよく合い最高でした。
慶州の魅力をピンポイントでお伝えしてきましたが、いかがでしたか。慶州は現在「遺跡復元・整備事業」の真っ最中で、2025年までになんと総額約1000億円を投じる予定。さらに美しく進化してゆく慶州に今後も目が離せません!
TEXT:井上香菜美
D37 地球の歩き方 韓国 2023~2024
アジア 地球の歩き方 海外
2023/03/23発売韓国をまるごと楽しむならこの一冊!知れば知るほど奥深いお隣の国の名所・グルメ・文化・楽しみ方を各都市ごとに徹底ガイド。
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