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フランス最新観光トピックをキャッチ!「ランデヴー・アン・フランス 2026」

地球の歩き方編集室

地球の歩き方編集室

更新日
2026年4月28日
公開日
2026年4月28日

2026年3月31日~4月1日の2日間、南仏の都市ニースで、フランス最大規模の旅行業界向け商談会「ランデヴー・アン・フランス(Rendez-vous en France)2026 」が開催されました。世界中の旅行会社や観光事業者が一同に会して商談が行われるほか、旅行専門ジャーナリストたちが参加する記者発表会では、フランス旅行の最新トレンドや今後の注目テーマを発表。本記事では、これからフランス旅行を計画している方にぜひ知ってほしい、ここでキャッチしたばかりの最旬トピックをご紹介します。

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「ランデヴー・アン・フランス(Rendez-vous en France )」とは?

ランデヴー・アン・フランスとは、フランス各地の観光事業者と世界中の旅行会社が商談を行う、いわば「旅行の見本市」。開催20周年を迎えた今年は、世界52カ国から約1859人が参加し過去最高記録を突破しました。

旅行会社向けのイベントではありますが、ここで発表される内容は数年先の旅行トレンドに直結します。つまり「これからのフランスにおける観光トピック」をいち早く知ることができる場でもあるのです。

今後注目のフランス観光トピック

今年の公式記者会見で発表されたのは、下記3つのトピック。

① 【2026年】 クロード・モネの足跡を辿る体験型の旅を提案

2026年は、印象派の巨匠クロード・モネの没後100周年。モネとゆかりの深いノルマンディー地方とパリ地方では「モネの足跡を巡る旅」という名のもと、年間を通じて100以上の展覧会や文化イベントを開催。
オランジュリー美術館やマルモッタン・モネ美術館をはじめとする主要美術館での特別展のほか、セーヌ川沿いの風景では代表作《印象・日の出》の着想源となった港の光景、ルーアン大聖堂では光の移ろいを描いた連作、そして晩年を過ごしたジヴェルニーの庭園では《睡蓮》の連作が生まれた池と庭園など、モネが創作に勤しみ、作品のモチーフとした場所を巡る「体験型の芸術旅」を提案し、モネの生涯と作品を多角的に紹介します。

また、2026年5月29日から9月27日にかけて「ノルマンディー印象派フェスティバル」を開催し、ノルマンディー地方各地で音楽やダンス、映像など、現代アートを中心とした約60のプログラムを展開予定。モネへのオマージュである「庭園」をテーマとし、日本からは蜷川実花中谷芙二子が招聘されています。

印象派を巡る旅 公式サイト
https://voyagesimpressionnistes.com/en/
ノルマンディー印象派フェスティバル 公式サイト
https://www.normandie-impressionniste.fr/

② 【2027年】 ヨーロッパをまたぐ大規模プロジェクト「ミレニアム2027」が進行中

2027年は、ウィリアム征服王(1世)の生誕1000年という大きな節目の年。ノルマンディー地方を筆頭に、ウィリアム1世ゆかりの地であるイギリスやアイルランド、デンマーク、ノルウェーなどを含む、ヨーロッパ複数カ国に渡る大規模な記念プロジェクト「ミレニアム2027」が予定されています。
ノルマン人の歴史をテーマにした没入型展示や、バイユーのタペストリーの欠落部分を再現する巨大タペストリーの制作、約1380体の3Dフィギュアによるタペストリーの立体展示など、最新テクノロジーを掛け合わせた多岐に渡る企画を進行中。今後、各参加国より続々と追加情報が解禁予定です。

ミレニアム2027 公式サイト
https://www.millenium.fr

③ 【2030年】 冬季五輪開催を控えるフレンチ・アルプスの展望

2024年のパリ夏季五輪の記憶もまだ新しいなか、2030年はフレンチ・アルプスで冬季五輪の開催が決定。本大会は、オリンピックの持続可能性と魅力を守るための改革案「オリンピック・アジェンダ2020」に完全に準拠した初の大会としても注目されています。
具体的には、既存の会場を最大限活用しオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方2エリア内で計4か所に競技会場を分散予定。コストの削減とともに、南北それぞれのアルプスの魅力をアピールする狙いです。
また、都市部・山岳部ともに誰もがアクセスしやすいよう交通網や宿泊施設の整備・ホスピタリティのさらなる向上を目指すと発表。2030年に向けて、アルプスの名峰や南仏の海辺を巡る旅が一層快適になることが期待されます。

 

観光局へのインタビュー

プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方観光局

プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方観光局 ヤニック・ル・マガデュールさん

「ランデヴー・アン・フランス2026」の開催地となったニースは、2025年にNetflixで配信された恋愛リアリティショー「オフライン ラブ」をきっかけに、日本の若年層から注目を集めている南仏の中心都市。
ニースを含むプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方は、マルセイユやエクス・アン・プロヴァンスなどを擁するプロヴァンス、地中海沿岸のコート・ダジュール、そして山岳地帯のアルプ(アルプス)の大きく3つに分かれ、それぞれ異なる魅力を持っています。
同地方観光局のマーケティング部長ヤニックさんによると、
「日本人旅行者は他国と比較して回復スピードが遅めでしたが、2025年は宿泊数ベースで前年比36%増と、大きく伸びました。訪問先の7割はコート・ダジュールで3割がプロヴァンスです。」
とのこと。そのうえで、
「ニースはビーチリゾートとしてだけでなく、すぐ近くにマティスやシャガールの美術館があり、エズに行けば香水作り、ビオットに行けばガラス工芸体験など、豊かな文化を楽しむことができます。また、山岳エリアに行けばハイキングはもちろん、ツール・ド・フランスの名物コースを実際にマウンテンバイクで走ることもできるなど、あらゆるタイプの旅行者のニーズに応えられるのがプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地方です。」
とカラーが異なる3エリアを有する強みを語りました。
次回の冬季五輪フレンチ・アルプス2030では、同地方の一部も競技会場となります。
「コート・ダジュール、プロヴァンスと比較すると、アルプについては日本の旅行客に対して情報発信が十分でないと感じています。2030年の冬季五輪も控えているので、今後はアルプを積極的にご紹介する予定です。今まであまり知られていなかったこの地方の新たな魅力を知っていただけたらうれしいです。」

パリ地方観光局

パリ地方観光局 ファブリス・ムーランさん(左)イングリッド・ハチキアンさん(右)

パリを中心に、ヴェルサイユ宮殿を擁するイヴリーヌ県やフォンテーヌブローのあるセーヌ・エ・マルヌ県など、計8つの県からなるパリ(イル・ド・フランス)地方。
「2025年は旅行者数が約5,000万人と、コロナ禍以降で最も多くなりました。内訳はフランス国内と海外からがほぼ半数ずつで、海外からの旅行者は欧米圏が上位を占めています。日本は現在13位で、旅行者数は前年比4%増と回復傾向にあります。」(イングリッド・ハチキアンさん)
今年の観光トピックについては、「直近では、2026年3月にディズニーランド・パリ内のディズニー・アドベンチャー・ワールドに『アナと雪の女王』の新エリアがオープンしました。(ディズニーランド・パリが郊外にあるように)パリ地方は中心部以外にも見どころが多く、より長く滞在してエリア全体の魅力を発見してほしいという思いから、『PARIS & BEYOND』をテーマに掲げています。」(同氏)
近年、パリでは食のトレンドにも変化が。「注目されているのが『ブイヨン(Bouillon)』の復活です。予約なしで気軽に、かつ手ごろな価格でフランスの伝統料理を楽しめる大衆食堂で、クラシカルな内装も魅力です。」(ファブリス・ムーランさん)
19世紀にパリで労働者向けの食堂として広まったブイヨンは再び人気を集め、ミシュラン星付きシェフのティエリー・マルクスがパリ近郊サン・トゥアンに「ル・ブイヨン・デュ・コック」をオープンするなど、「新世代ブイヨン」の広がりも注目されています。
「パリ地方はフランスの玄関口であり、その魅力は市内だけにとどまりません。ぜひパリの「その先」まで足を延ばし、地方全体の奥行きを体感していただければと思います。」(イングリッド・ハチキアンさん)

ノルマンディー地方観光局

ノルマンディー地方観光局 サビーヌ・パニエさん

フランス北西部に位置し、モン・サン・ミッシェルやルーアン、カーン、バイユーなどを擁する、海岸線と中世の町並みが広がるノルマンディー地方。

「旅行者の中心はフランス国内、とくにパリ圏から。国外ではドイツ、イギリスが上位を占め、アメリカからの旅行者も多く訪れています。アジア市場はコロナ禍以降やや落ち込みましたが、中国は回復傾向にあり、日本人も少しずつ増えています。」(サビーヌ・パニエさん)

象徴的な観光スポットであるモン・サン・ミッシェルは依然として高い人気を誇り、とくに日本人旅行者の間では日帰りで訪れるケースも多く見られます。
「せっかくノルマンディー地方を訪れるなら日帰りではなく、パリから向かう途中でルーアンに立ち寄って、中世の町並みを散策し、モネが描いたことで知られるルーアン大聖堂を訪れるのがおすすめです。その後、カーンやバイユーを巡れば、ノルマンディー公ウィリアム1世の歴史にも触れることができますし、海に面した地域ならではの新鮮なシーフードも魅力です。バイユーでは、中世の物語を伝える『バイユーのタペストリー』を展示する博物館が現在改修中ですが、大規模なリニューアルを経て2027年頃に再オープンが予定されています。」

2024年には、鉄道や自転車など環境負荷の少ない移動手段を利用して訪れた旅行者に対し、宿泊施設や観光施設で割引が受けられる取り組み「低炭素割引(Low Carbon Rate)」を開始。
「開始当初は約80だった協賛パートナーが、現在は100以上になりました。地域全体でサステナブルな観光が推進されています。」

パリからアクセスしやすいがゆえに短期間で旅する旅行者も多いなか、こうした取り組みは、ゆっくりと時間をかけて巡る滞在型の旅を促す施策のひとつとなっています。

「ノルマンディーは1日では回りきれません。ぜひ数日滞在して、体験や人との出会いを通じて、この土地のライフスタイルそのものを感じてください。」

 

■取材協力

フランス観光開発機構
www.france.fr/ja/
プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局
www.provence-alpes-cotedazur.com/
パリ地方観光局
https://www.visitparisregion.com/en
ノルマンディー地方観光局
https://en.normandie-tourisme.fr/

PHOTO・TEXT 髙見ひかり

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