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以前はロマネスク様式の大聖堂があった同じ場所に、1298年から現在のゴシック様式のものへと建て替えられた。完成は1448年だから、約150年をかけての大作だ。
ファサードから中に入ると、中央に聖歌隊席Coroが見える。この聖歌隊席の周りの大理石には、バルセロナの守護聖人であるサンタ・エウラリアの生涯が刻まれている。そして、その左右には小さな礼拝堂がいくつも続く。礼拝に来る信者には、それぞれごひいきのマリア像や聖人があるようで、手前にあるろうそくの火の明るさがそれを物語っている。なかでも、左側のいちばん奥にあるモンセラートの黒いマリア像は、いつも火が絶えることがないほどの人気だ。
さて、聖歌隊席の向こう側、主祭壇Capilla Mayorの前まで出てみよう。ここから眺めるステンドグラスは、ため息が出るほど美しい。そして簡素な主祭壇の下が、伝説の守護聖人サンタ・エウラリアの墓。階段下にあるさい銭箱に小銭をれると照明がつき、聖人の眠る棺が照らし出される。
主祭壇を右に出ると、回廊Claustroへの門があり、その手前、左上に小さなふたつの木の棺が見える。カテドラルの創設者であるバルセロナ伯爵とその妻のものだ。
回廊へ出た瞬間、内部の暗さから解放されて目がくらくらする。噴水のあるパティオは、シュロやオレンジの木の緑がすがすがしい。庭にはガチョウが放されていて、ときどき静寂を打ち破るような合唱を始めたりする。回廊から美術館Museuに入ると、14〜18世紀の宗教画と13世紀以降の彫刻が展示されている。ゴシック画の巨匠ジャウマ・ウジェットの作品、バルトロメー・ベルメッホの『聖母マリアLa Pietat』は必見。