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19世紀後半の木造車両内はレトロな風情で、牽引するディーゼル機関車の車体には、熱帯雨林にすむカーペットスネーク(ニシキヘビの仲間)をモチーフにした先住民アボリジナルの絵が描かれている。もともとは1886年にアサートンテーブルランドへの物資輸送手段として敷設開始された鉄道で、完成まで5年の歳月をかけ29人もの人命を失うほどの難工事だった。
現在この列車が走るのはその一部であるケアンズ〜キュランダ約34km。車窓には、熱帯雨林の山の斜面に開けた景色のよい場所が次々と現れる。レトロな雰囲気のフレッシュウオーター駅Freshwater Station を出て、サトウキビ畑の中をしばらく走ると線路が大きくカーブを切るホースシューベンドHorse Shoe Bend。ここを抜けるとゆっくりと勾配を上げながら世界遺産の熱帯雨林の森の中へと入っていく。
山を上り始めていくつかのトンネルを抜けたあとに現れるのがストーニークリーク峡谷Stoney Creek Valley。峡谷に架かる大きく弧を描くストーニークリーク橋を渡るときは、橋のすぐ脇に45mもの落差をもつストーニークリーク滝が見える。ルート内で最も人気のあるポイントだ。またキュランダ到着前にはバロンフォールズ駅Ballon Falls Stationに停車し、展望台風に造られたプラットホームやすぐ脇にある見晴らし台から迫力あるバロンフォールズの瀑布を見ることができる。