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ドゥオーモ広場とスカラ広場を結ぶ美しいアーケード。単に「ガッレリア」とも呼ばれ、鉄とガラスを使った巨大アーケードは南北約200m、東西約100m、高さは約30mにもおよぶ。1865年から12年もの歳月を経てメンゴーニによって完成された。見事な床のモザイク、光の差し込むガラスの天井、漆喰のレリーフなど、新バロック様式と新ルネッサンス様式の混ざり合った独特な建造物となっており、その繊細な装飾を見て歩くだけでも優雅な気持ちになる。
ガッレリアには高級ブティック店をはじめ、有名レストランや老舗カフェが多く軒を連ねている。
なかでも世界的ハイブランド「PRADA」は本店がガッレリアにあり、創業当時にプラダ兄弟がガッレリアにプラダ1号店をオープンさせた名残で、お店にの看板にはPRADAの表記のほかに「FRATELLI PRADA(プラダ兄弟)」の表記もある。兄弟が始めた皮革製品店が世界的ハイブランドとして認められた功績を感じられる。
ガッレリアの床は全面にモザイクタイルが敷き詰めて様々な絵が描かれている。その緻密で美しい作品を見て回るだけでも十分に楽しいのだが、地元民や観光客がひときは集まっている場所がある。それがガッレリア中心に位置するガラスのアーチの真下にある「雄牛のレリーフ」だ。
この牛の股間部分にかかとをのせてくるりと3回まわると(1回でも良いという説もあり)幸せになれると言われており、多くの人が順番待ちや写真撮影をしている。
このおまじないが行われていることもあり雄牛の股間部分はすり減って陥没してしまっているが、それだけ長年たくさんの人の心をつかむおまじないだと思うと、試さずにはいられない。
ガッレリア中央にある十字路の頭上の4枚のフレスコ画は、ミラノを中心として東西南北にある、アメリカ、中国、アフリカ、北ヨーロッパを象徴的に描いたもので、繊細なタッチで気品があふれ見る者を魅了する。
毎年クリスマスシーズンになると巨大なクリスマスツリーが飾られる。アーケード全体の雰囲気と相まってロマンチックで贅沢な空気に包まれる。ここは何よりもミラノっ子にとって、伝統、華やぎ、そして開放感が混在する特別な社交場だ。