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ヴェネツィアの北東9㎞にある、4つの島からなる漁師の島。緑、ピンク、黄色などの鮮やかな色に塗られた家は、漁師が霧の中からでも遠くからでも自分の家を見分けられるように工夫されたといわれている。レースを売るみやげ物屋を除けば、観光地の雰囲気から遠く、ゆったりと人々が暮らすのどかな島だ。この島の特徴といえば、16世紀に漁の網から派生したといわれる細かなレース編みメルレットMerletto。針を使って編み上げてゆくPunto in aria(空中刺し)と呼ばれる技法は手が込んでおり、継承者も今は少ない。かつては上流階級の人々の装飾品として手厚く保護されていたが、共和国の崩壊後に廃れてしまい、後年学校が作られて伝統が何とか維持されようとしている。かつては島のいたるところでおしゃべりをしながらレース編みに精を出す婦人たちを見かけた。またみやげ物屋などで売っているレース編みはほとんどが輸入品。これを見てメルレットと思うのは早計。まずはレース博物館で本物を見てみよう。