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山梨特派員ローマへ行く~2022秋〈その9〉ローマ近郊オルヴィエートへ

水月

水月

山梨特派員

更新日
2022年12月13日
公開日
2022年12月13日
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ボンジョルノ~北杜・山梨特派員の水月です。
「山梨特派員ローマへ行く~2022秋」シリーズ第9弾は「ローマ近郊オルヴィエートへ」です。

ローマ、テルミニ駅から電車(トレニタリア)で北へ約1時間半、ウンブリア州の南に位置する、丘の上の都市「オルヴィエート」へ行ってきました。
トップの写真(写真提供:YasuoMaeda)は、バスで少し離れた場所から見たオルヴィエートの中心街です。トレニタリアの駅からは、フニコラーレ(ケーブルカー)で約3分ほど上ってこの中心街へ到着します。

オルヴィエート大聖堂

(写真提供:YasuoMaeda)

オルヴィエートといえば、「オルヴィエート大聖堂」です。なんと美しいファザードなのでしょう。
この大聖堂建築には、シエナの建築家&彫刻家ロレンツォ・マイターニほか、33人の建築家、152人の彫刻家、68人の画家、90人のモザイク師が力を注いだといわれています。
「ミラノ大聖堂」「シエナ大聖堂」と並ぶ、イタリアの3大ゴシック建築のひとつに数えられるそうです。

(写真提供:YasuoMaeda)

夕焼けに染まった姿が、また素晴らしい。
黄金色を背景にしたモザイク画。アーチや付け柱の精巧かつ繊細な浮き彫り。レース編みを思わせるバラ窓。新旧の聖書のシーンが彫られた4本の大きな柱。
2泊したのですが、その美しさに見飽きることはなく、4度も足を運びました。

大聖堂の内部、右翼廊奥には、見どころのひとつ「聖ブリッツィオ礼拝堂」のルカ・シニョレッリのフレスコ画があります。黙示録をテーマに描かれているそうです。左下に描かれた黒い服をまとったふたりは、同じくフレスコ画を描いたフラ・アンジェリコとシニョレッリ自身の肖像だとか。

また左翼奥「コルポラーレ礼拝堂」には、「ボルセーナの奇跡」の聖遺物を収めた聖遺物箱が置かれています。貴金属と七宝をふんだんに使った中世期金属工芸の傑作といわれています。

サン・パトリッツィオの井戸

もうひとつ、ぜひ足を運んで欲しいスポットがあります。「サン・パトリッツィオの井戸」です。
およそ500年前の16世紀、法王クレメンテ7世が、丘の上の都市オルヴィエートが包囲攻撃を受けたときに水源確保が必要だと作らせたのがこの井戸です。約70もの窓が大きく空いていて、ひとつひとつの窓をのぞきながらゆっくり降りていくと、まるで騙し絵のなかに入り込んだような不思議な感覚に陥りました。

深さ50m以上、直径13m、階段は248段あるそうです。
実用性にも重きを置き、上り下りとを別ルートの二重螺旋階段にしたのは、フィレンツェの建築家アントニオ・ダ・サンガッロ。水を汲んで上る人と下る人が鉢合わせないよう考えられているんですよ。
窓から顔を出し、旅のパートナーと写真を撮りあうこともできます。その際は、落ちないようにくれぐれもご注意を。

地下探訪ツアー

オルヴィエートの地下には、約2500年ものあいだ人々が掘り続けていた地下通路があります。
"Parco delle Grtte"Orvieto underground(オルヴィエートアンダーグラウンド”地底都市”への旅)」という、1時間ほどのガイド付き地下探訪ツアーに参加しました。
チケットは、オルヴィエート大聖堂向かいのインフォメーション隣で購入できます。

曲がりくねった地下道には天井部分が屋根の形をした部屋がいくつもあり、人が暮らしていた様子を想像することができました。写真の四角い穴は、鳩小屋。鳩を飼い、その肉や卵を食べていたのだと考えられているそうです。ほかにも地中深く掘られた井戸や、ワインの貯蔵庫、オリーブオイルを作っていた部屋などがありました。
歴史的、考古学的情報の宝庫として、今なお調査、研究が進められている遺跡です。

ウンブリア料理を楽しむ

ウンブリア州は、黒トリュフが代表的な特産品。ということで、黒トリュフのカルボナーラが人気のトラットリアでランチしました。テーブルに置いた熱々のカルボナーラに、その場で黒トリュフをたっぷりすりおろしてくれます。う~ん、香り立つ!

猪肉のラグーソースパスタも、人気メニュー。
海のない、森や山々が広がるウンブリア州は「緑のハート」と呼ばれ、ジビエ料理を食べられるレストランも多いとか。

ランチしたトラットリア「La Palomba(ラ・パロンバ)」。とても感じのよいお店です。
美しく盛りつけられた前菜や、絶品と評判の牛フィレ肉の赤ワインソースやトリッパ、ジビエは猪のほか鳩やウサギも食べられます。

夜更けにレプッブリカ広場から月のように見えた「モーロの塔」の時計

ローマから日帰りできる近郊の街として知られているオルヴィエートですが、できれば宿泊して、ローマとはまったく違う、田舎時間が穏やかに流れる雰囲気を味わっていただきたいです。
オルヴィエート大聖堂は、何度観ても美しいし、朝と昼と夕方では、また違う顔を見せてくれますよ。

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