
【京都】1500本の桜が満開「嵐山」
2025.4.6
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舞鶴市の「松榮館」は、明治時代に建てられ、東郷平八郎をはじめとする旧海軍関係者に愛された海軍御用達の歴史的な場所です。映画「海賊と呼ばれた男」や「日本のいちばん長い日」のロケ地としても利用され、今では洋食レストランとして当時の海軍食を再現した料理が楽しめる貴重なスポットです。また2階には無料で見学できる資料館があります。舞鶴と海軍の歴史が詰まった空間です。
「松榮館」は、明治37年に開業された旅館の別館として建てられ、舞鶴鎮守府の初代長官・東郷平八郎をはじめ、多くの旧海軍関係者に愛されてきた由緒ある旅館で、その立派な門構えが印象的です。長年使用されることなく老朽化が進み、一時は解体の危機に直面しました。しかし、舞鶴市民の有志による保存活動の結果、保存が決まり、当時の洋食を忠実に再現した「本物」にこだわるレストランとして、見事に生まれ変わりました。
松榮館のレストランでは、「海軍割烹術参考書」に基づいて再現された料理が楽しめます。ただ、分量などがアバウトなので、料理長が試行錯誤して再現しています。監修は海上自衛隊元一佐・高森直史氏や「辻学園調理・製菓専門学校」の西尾智治氏が担当。
「海軍割烹術参考書」は、旧日本海軍の調理法を紹介した教科書で、原本は海上自衛隊舞鶴・第四術科学校に保存されています。
庭では松の形が錨マークになっており、この松は手入れが難しいものの、海軍の息吹を感じさせ、当時の栄華を今に伝えています。
また、東郷平八郎氏が利用していた部屋もつきあたりの二階に見えます。
明治時代の海軍食文化を再現している「海軍カレー」 は人気メニューの一つ。ターメリックやコリアンダーなど、カレーのルーは、スパイスの香りがしっかり感じられ、粘度はさらっとしており、野菜やお肉が豪快にカットされて入っています。
塩分控えめに味付けられ、ヘルシーながらも味わい深い一品です。海軍の船内食として麦飯と共に食べるスタイルは、当時の海軍を彷彿とさせます。ドーナツ状に盛られ、中央にカレールーを入れるようになっています。揺れる船内で、こぼれないような工夫がされているのでしょう。
セットには牛乳もプラスされており、まさに海軍ならではの食事スタイルが楽しめます。
海軍シチュードビーフ(2,000円)は現代ともそれほど変わらない味付けで、食べやすく、たっぷりのお肉と野菜が入っています。プラスで、スープ、サラダ、麦飯をセットにしました。
海軍プリンは弾力のあるしっかりとした食感です。海軍プリンとトッピングされた干しぶどうは、初めて食べる組合せですが、相性抜群です。長い航海、干しぶどうなら日持ちもしますね。
全ての食器には、「桜と錨」マークが入っています。
松榮館の2階には「小さな鎮守府ものがたり」という展示室があり、東郷平八郎氏の書や海軍に関する貴重な資料が展示されています。舞鶴の歴史を学びながら、当時の海軍の記録や文化を垣間見ることができ、訪れる人々にとって深い学びと感動を提供してくれます。東郷平八郎氏が書いた書も沢山残されています。
展示を通じて、理不尽な時代を駆け抜けて行かれた先人たちの思いを感じ、平和な時代を思うひとときを感じずにはおられなかった筆者です。
舞鶴は港町としての魅力を持ち、舞鶴湾では遊覧船に乗って海上からの美しい風景や海上自衛隊の艦艇を見る事ができます。
また、舞鶴赤レンガパークや舞鶴公園(舞鶴城跡)など、歴史的なスポットも豊富にあります。舞鶴に訪れた際には、これらの観光地と合わせて「松榮館」を訪れ、歴史と美味しい料理を楽しむことができます。
「松榮館」は、歴史と食文化が融合した魅力的な場所です。2階の展示室のほか、1階には立派な能舞台もあり、伝統的な舞台芸能が行われることもあります。日本の文化を体験できる場所としても人気です。(写真は海軍プリンと一緒に掲載しています。)
舞鶴に来た際には、ぜひ「松榮館」を訪れ、本物の海軍料理とともに歴史を感じるひとときをお楽しみください。
■京都府舞鶴市字浜18
■TEL 0773-65-5007
■営業時間
・ランチタイム 11:30~14:00(L.O 13:30)
※ランチタイムは土日祝のみ営業
・ディナータイム 17:30~21:00(L.O 20:30)
※ディナータイムは年中無休
■アクセス:JR東舞鶴駅から1㎞圏内