【石川】ポケモンが彩る能登の空の玄関口!「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」を歩いてみた
2026.8.14
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福井県あわら市の最北端、石川県との県境近くに位置する吉崎。ここは浄土真宗の僧・蓮如が布教の拠点「吉崎御坊」を開いた地として知られています。
そんな吉崎にある「吉崎御坊 蓮如上人記念館」で、現在ちょっと気になる特別展が開催されています。その名も「船乗りたちは何を拝んだのか―神仏と共に荒波を越えた北前船―」。
北前船といえば、江戸時代から明治時代にかけて日本海を行き交い、寄港地で品物を売買しながら大きな富を生み出した商船です。しかし、今回の特別展が焦点を当てているのは「商い」ではなく、荒海を渡った船乗りたちの「祈り」です。
命がけの航海に挑んだ人々は、いったい何を拝み、何に航海の無事を託したのでしょうか。
特別展を訪ねながら、蓮如ゆかりの吉崎を歩いてみました。
吉崎めぐりの拠点に便利なのが、2023年にオープンした「道の駅 蓮如の里あわら」です。
和モダンな建物の中には、福井ならではのお土産や特産品がずらり。道の駅自体は新しい施設ですが、周囲には吉崎の歴史を感じさせるスポットが点在しています。
そのひとつが、道の駅の駐車場からつながる本願寺吉崎別院の「念力門」です。
豊臣秀吉が京都の本願寺に寄進したと伝わる北門に由来し、のちに吉崎へ移築されたもの。道の駅に立ち寄っただけでも、ここ吉崎が長い歴史を持つまちであることを感じさせてくれます。
■道の駅 蓮如の里あわら
所在地:福井県あわら市吉崎1丁目801番地
道の駅のすぐ近くにあるのが、今回の目的地「吉崎御坊 蓮如上人記念館」です。
その名のとおり蓮如上人をテーマにした博物館で、蓮如上人直筆の名号(南無阿弥陀仏など)の掛け軸の所蔵数は日本一なのだそう。
館内はコンパクトですが、蓮如と吉崎の歴史をじっくり知ることができます。見学時にはスタッフの方が、蓮如上人と吉崎との関わりについてわかりやすく解説してくださいました。
ここで9月28日まで開催されているのが、特別展「船乗りたちは何を拝んだのか―神仏と共に荒波を越えた北前船―」です。
北前船は、江戸時代から明治時代にかけて、大阪と北海道を結び、各地の港に立ち寄って商品を売買しながら日本海を行き交いました。「動く総合商社」とも呼ばれ、大きな富を生み出した一方、当時の航海は「板子一枚下は地獄」といわれるほど危険なものでもありました。
現代のような精密な気象予報はない時代。木造船で荒れる日本海を進む船乗りたちにとって、航海の無事は決して当たり前のことではなかったことでしょう。
そんな彼らが心のよりどころとしたのが、神仏への祈りでした。
特別展では、船内に祀られた「船仏壇」や「懐中仏」、航海の安全を祈願した「船絵馬」などを展示。北前船の船主や船頭には浄土真宗の門徒も多かったそうで、航海と信仰の深い関わりを知ることができます。
華やかな商いの歴史の陰にあった、船乗りたちの不安や祈り。
「祈り」という視点から北前船を見つめることで、荒海を渡った船乗りたちの姿が、少し身近に感じられました。
文明3(1471)年、蓮如上人は吉崎に御坊を開き、ここを拠点に北陸で布教を行いました。吉崎での滞在はわずか4年余りでしたが、その教えは北陸各地へと広がり、浄土真宗の信仰はこの地域の人々の暮らしに深く根づいていきました。
一方、北前船が日本海を盛んに行き交うようになるのは、それから数百年後のことです。
時代だけを見れば、蓮如と北前船は離れた存在です。
しかし、蓮如によって北陸に広まった浄土真宗の信仰と、その後、日本海を渡った船乗りたちの祈りに目を向けると、二つの歴史が一本の線でつながって見えてくるようでした。
■吉崎御坊 蓮如上人記念館
所在地:福井県あわら市吉崎1丁目901
開館時間:9:00~17:00
休館日: 毎週火曜日・年末、年始(道の駅蓮如の里あわらに準じる)
入館料:大人¥500 小中学生¥400
※特別展は2026年9月28日(月)まで
記念館を見学したあとは、同じ敷地内に建つ「鳳凰閣」の「イクスカフェ 吉崎鳳凰閣」でひと休み。
ゆったりとした店内の大きな窓の向こうには、北潟湖と鹿島の森が広がります。
この開放感のある美しい景色を眺めながら、和パフェとドリンクがセットになった「吉崎坊パフェセット」をいただきました。見た目以上にボリュームがあり、お腹もすっかり満たされました。
■イクスカフェ 吉崎鳳凰閣
所在地:福井県あわら市吉崎1丁目901
営業時間:10:00~18:00
カフェでひと息ついたあとは、「吉崎御坊跡」へ向かいます。
吉崎御坊跡は、標高約33mの吉崎山にある国指定史跡。かつて蓮如上人が北陸での布教の拠点とした場所です。現在、御坊の建物そのものは残っていませんが、黒松に囲まれた山上には御本堂跡や蓮如上人像などがあります。
ここに多くの人々が集まり、蓮如の教えに耳を傾けていたんですね。
500年以上前、蓮如上人が吉崎を拠点に教えを広め、その後、浄土真宗の信仰は北陸の人々の暮らしに深く根づいていきました。
そして数百年後、日本海を行き交った北前船の船主や船頭たちもまた、神仏に航海の無事を祈りながら荒海へと船を出していました。
北前船というと、つい豪商や交易、寄港地の繁栄といった華やかな歴史に目が向きがちです。
けれど、その船に乗っていたのは、荒れる海を恐れ、無事に帰れることを願った一人ひとりの人間でした。
北前船を「船」や「商い」の歴史だけでなく、荒海を渡った人々の「祈り」という視点から見つめてみる。特別展をきっかけに、そんな北陸の歴史に触れる吉崎の旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。