神話が息づく街、出雲へ。古代ロマンと美肌の湯に浸る秋の大人旅

公開日 : 2024年09月06日
最終更新 :

今年はうだるような暑さが続きましたが、夏のお疲れは出ていませんでしょうか。今回は、日頃のお疲れを吹き飛ばし、心も体も元気になる大人旅をご紹介したいと思います。

海外もさることながら日本には魅力あふれる場所がたくさん! そこで、「日本の美しさを再発見する、忘れられない秋」をテーマに旅の候補地を考えて浮かんだのが……島根県東部にある、神話のふるさと「出雲」。この秋は、日本のルーツを肌で感じる旅へ出かけませんか? 

神話の舞台となった「出雲」

島根県出雲市は、様々な神話が残る土地。さらには縁結びのために全国から神々が集う場所でもあります。その空気感は独特で、至る所に古代を彷彿させる神話の舞台やパワースポットが残っています。

私はときおりこの地を訪れ、有名なスポットからちょっとマニアックなところまで色々な場所を巡っています。

今回はその中でも、旅の軸となる宿にフューチャー! 島根らしさを感じる2つの宿をご紹介したいと思います。

おすすめの宿1. 「湯の川温泉」古代の追憶に浸るテーマ性のある宿へ

まずピックアップしたのは「古代」をテーマとした、ちょっとおもしろい宿。出雲空港から車で6分の場所にある「湯の川温泉」にあります。

湯の川温泉は、自然豊かな日本の原風景の中に数軒の宿がある温泉地。出雲神話によると、大国主大命に恋心を抱いて出雲を訪れた八神姫が、温泉地で旅の疲れを癒してより美しくなったという逸話をもつ「日本三美人の湯」のひとつです。こちらのお湯は、驚くほどとろんとして柔らかなんですよ。美肌効果バッチリの泉質。

最大8名まで宿泊できる広めの特別棟「健部の郷の宮処」の室内
最大8名まで宿泊できる広めの特別棟「健部の郷の宮処」の室内

そこに、古代の暮らしを体験できる歴史ロマン溢れる宿「松園(しょうえん)」があります。

こちらの宿で注目なのは、建築物と食事。本館と別に、離れの部屋が2棟あるのですが、これがとにかくおもしろい! 歴史好きのオーナーが文献を読み解き、古代の建物を再現した、国内でも希少な建物に宿泊できるのです。1棟は古代の宮殿を模した「健部の郷の宮処(たけるべのさとのみやど)」、そしてもう1棟は高床式倉庫を模した「宇夜都弁(うやつべ)」。その特別棟の存在感といったら、まるでタイムスリップしたかのよう! 異空間に入り込んでしまったような不思議な感覚に。どちらも1日1組限定です。

「宇夜都弁」の外観はまさに歴史書で見る建物そのもの
「宇夜都弁」の外観はまさに歴史書で見る建物そのもの

離れ専用の貸切半露天風呂「健の湯」と「勾玉の湯」もユニークな建築で、「宇夜都弁」の部屋とともにJIA中国建築大賞にて優秀賞を受賞したことがあるのだとか。お湯も、もちろん湯の川温泉源泉を100%使用し、加水・加温・循環なしの源泉掛け流しと文句なしです。

ピンクとブルーの玉砂利を使用した「勾玉の湯」
ピンクとブルーの玉砂利を使用した「勾玉の湯」

さらに、こちらに来たら絶対に体験して欲しいのが「古代の食事」。文献から得た知識をもとに、研究に研究を重ねて作られています。現代にある食材で、古代食を見事に再現しているのですが、これがまさに発見と驚きの連続!

古代食は宿泊日の5日前までに予約を(2名~受付可)
古代食は宿泊日の5日前までに予約を(2名~受付可)

「縄文の舞」「弥生の宴」という2種類がありますが、素材は地元の黒米や赤米、粟、稗などを用いて、調味料もほぼ自家製のものを使用するという徹底ぶり。今でいうチーズのような料理があるなど、古代の人々はこうしたものを食していたのね……と遥か昔の人々の暮らしに想いを馳せることができます。
歴史好きの方や、ひと味もふた味も違う旅を楽しみたい!という方には真っ先におすすめしたい宿です。

松園

住所
島根県出雲市斐川町学頭1683-5
電話番号
0853-72-0024

おすすめの宿2. 「玉造温泉」美肌を求めて山陰屈指の名湯へ

玉造の中でも、堂々たる風格の宿「佳翠苑 皆美」
玉造の中でも、堂々たる風格の宿「佳翠苑 皆美」

さて、次にご紹介するのは松江市に近く、古来より1300年近く「神の湯」として親しまれてきた名湯「玉造温泉」。旅館やお店、観光スポットが数多くあり、温泉地ならではの街の風情が感じられる場所です。

ここ玉造温泉の魅力も、やっぱり「天然の化粧水」と呼ばれる泉質。出雲風土記に「ひとたび濯げば形容端正しく、再び浴すれば万の病ことごとに除こる(一度入浴すればお肌が若返るようになり、二度よくすればどんな病も治してしまう)」と記された、とろりとしたやわらなお湯が、すべすべお肌に導いてくれるので、私も定期的に通っています。

ホテルラバーの私はこれまで数多くの宿に宿泊しましたが、島根らしさを感じられる宿なら、老舗の大型旅館「佳翠苑 皆美(かすいえん みなみ)」
なんといっても源泉掛け流し温泉付きの客室が素晴らしく、「天然の化粧水」に頭から足の先までたっぷり浸かる時間はなんとも贅沢。また最上階の展望風呂からは、眼下に出雲の山々や温泉街を眺めることができます。美肌はもちろん、神経痛や慢性皮膚病、慢性婦人病、慢性消化器病、動脈硬化にも聞くと言われていて、保温効果と保湿効果が高いと感じています。

さらに、温泉街の屈指の大型老舗旅館なので、施設が充実しているのも嬉しいポイント。館内で、岩盤浴やよもぎ蒸しなども楽しめますし、サロンやお土産ショップも。

「出西生姜」と出雲地方産の国産紅茶をブレンドした「しょうが紅茶」
「出西生姜」と出雲地方産の国産紅茶をブレンドした「しょうが紅茶」

お土産ショップには、玉造の温泉水を使用したコスメや、地元の名産を使ったアイテムが豊富にありますが、私のおすすめは幻の野菜と言われる地元の名産「出西生姜」を使った品。辛味が少なく香り高い生姜を使ったお茶などは必ずチェックしています。

名物「鯛めし」のセットは取り寄せも可能
名物「鯛めし」のセットは取り寄せも可能

また、ぜひ!味わってほしいのが「鯛めし」。そぼろにした鯛の身、たまご、大根おろし、ねぎ、のり、わさびを温かなご飯にのせ、出汁をかけていただく皆美の名物です。秘伝出汁の香りが豊かで、あっさりと食べられます。食事の際にリクエストができますよ。

佳翠苑 皆美

住所
島根県松江市玉湯町玉造1218-8
電話番号
0852-62-0331

最後に

湯の川温泉や玉造温泉には、ほかにも魅力的な宿がたくさんありますが、それはまたの機会に。今回は、島根らしさを感じる、魅力あふれるふたつの宿をご紹介しました。
次回は、出雲旅行の大本命「出雲大社」をご紹介!境内の注目スポットや周辺の気になるお店までたっぷりお届けする予定です。皆さま、また来月お会いしましょう。

筆者

小笠原リサ

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