D07 地球の歩き方 西安 敦煌 ウルムチ シルクロードと中国西北部 2026~2027
2026.5.21
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2026年8月16日(日)まで、東京・飯田橋の日中友好会館美術館で「宇宙考古学から見たシルクロードの西と東展」が開催されています。
本展では、宇宙考古学の最先端の研究成果をもとに、衛星観測によって解明された古代中国・エジプト文明の姿を紹介。古代遺物や複製品なども展示されています。
今回は実際に会場を訪れ、秦の始皇帝陵や秦帝国、シルクロードにまつわる展示を中心に見どころを紹介します。
宇宙考古学とは、宇宙からの観測技術を考古学に応用する研究です。
衛星が捉えた地球の姿を、歴史学の知見や考古学資料と組み合わせることで、遺跡の分布や古環境を広域的、長期的な視点から読み解きます。
本展は全8テーマで構成され、宇宙考古学の基本から、秦の始皇帝陵や秦帝国、シルクロード、古代エジプト遺跡まで、さまざまな研究成果を紹介しています。
今夏、秦と六国の戦いを描く映画『キングダム 魂の決戦』が公開されました。映画をきっかけに秦の歴史に興味をもった人にとっても、注目したいのが始皇帝陵や秦帝国に関する展示です。
中国を初めて統一した始皇帝の陵墓は現在まで残され、その周辺からは8000体にものぼる兵馬俑が発見されています。一方、始皇帝が埋葬された地下宮殿は、今も発掘されていません。
展示では、衛星画像を使って、いまだ謎に包まれている地下宮殿に迫ります。
始皇帝陵に続いて紹介されるのが、秦帝国の空間に関する展示です。
巨大な領域をもっていた秦帝国は、都・咸陽を中心に、南北と東西の軸線を意識していたとされています。展示では、東の海に「東門」を設けたという文献の記録を、衛星画像から検証しています。
地上から遺跡を見るだけではわからない、秦帝国の壮大な広がりを感じられる展示です。
会場で特に目を引くのが、全長約5mの「シルクロードサテライトマップ」です。
衛星データと標高データをコンピューターで画像処理し、ローマから奈良までをカバーする高精細な大型衛星画像図を制作。シルクロード沿いの都市や遺跡、ルートが重ねられています。
シルクロードが東西にどれほど広く延びていたのか、その壮大なスケールをひと目で実感できます。地図好きや旅好きなら、時間をかけてじっくり眺めたくなる展示です。
展示の後半では、宇宙考古学による古代エジプト遺跡の調査成果も紹介されています。
東海大学情報技術センターと早稲田大学エジプト学研究所は、衛星データと古環境の研究から、古代エジプトに残る「道の遺跡」の位置を特定し、遺跡の発見と発掘に成功しました。衛星データによって道の遺跡を特定した例は、エジプト学史上初めてとされています。
また、東海大学が所蔵するエジプト・中近東コレクションの一部も公開。ミイラの棺蓋の一部やウシャブティ、コプト布など、貴重な作品を見ることができます。
衛星画像と考古学資料を組み合わせ、宇宙から古代文明の謎を読み解く「宇宙考古学から見たシルクロードの西と東展」。
始皇帝陵の地下宮殿に迫る展示や、ローマから奈良までをつなぐ全長約5mのシルクロードサテライトマップなど、壮大なスケールで歴史を眺められるのが本展の魅力です。
遠く離れ、それぞれ異なる文化を育んだ秦と古代エジプト。しかし、宇宙考古学という共通の視点から見ていくと、ふたつの古代文明が不思議につながって見えてくるのも、この展示のおもしろいところです。
歴史や考古学が好きな人はもちろん、地図や旅が好きな人にもおすすめ。この夏は飯田橋を訪れ、宇宙からシルクロードの西と東を巡る旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。