インタビュー連載【地球の歩き方 MY TRAVEL STORY】
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いま旬の“あの人”が「旅」をテーマに語るインタビュー連載。第7回は、俳優、モデルとして活躍する庄司浩平さん。前編では、イタリア・ミラノコレクションに挑戦した日々の思い出や、ドラマ『俺たちの箱根駅伝』の撮影エピソードなどを語ります。
――庄司さんはミラノコレクションのオーディションに挑戦するために、単身でイタリアへ渡られたそうですね。
もう4年も前の話ですが、コロナ禍と重なって本当に大変だったんですよ。渡航申請の際には、その国が認定しているPCR検査の証明書を取らないといけなくて。そのときはパリに行く予定もあったので。イタリアとフランスの2ヵ国分の証明書を準備する必要がありました。費用も3万円ほどかかりましたし、オーディションがうまくいってランウェイが歩けた場合は給料が発生するので、その際は税務局でまた別の申請が必要だとも言われました。イタリアではミラノのロレト地区に滞在しまして。都心のミラノ中央駅までも歩いて25分ぐらいなので、便利な場所でしたね。
――事前に調べて滞在先を決められたんですか。
いえ、ほとんど調べませんでした。それこそ行く前に「地球の歩き方」は見ましたが、現地にそういった資料は持っていかず、Google Mapsも開かないと決めていて。お金のない若造だったので、そんないきあたりばったりの旅がいいと思ったんです。
――もともとバックパッカー的な旅の経験があったのでしょうか。
まったくないです。ひとりで海外に行ったのもそれが初めてでした。ただ、両親はよく海外に連れて行ってくれていたんです。赤ちゃんの頃にシンガポール、10歳ぐらいのときはハワイ、台湾には2回行きましたし、韓国にも行きました。ずっとアメリカに留学したかったんですが、この仕事を始めたこともあってかなわず……。だからこそイタリア行きにも迷いはなかったですね。
――家族との海外旅行で印象に残っていることといえば?
ハワイは父親の会社の福利厚生のおかげで、テニスコートやプールがあるような豪華なホテルに泊まったのを覚えています。それと現地での乗馬体験では、僕の乗った馬がアボカドの実か何かにすごく興奮してしまい、まったく歩かなくなってしまったんです。周りの子供たちの馬はどんどん進んでいくのに僕だけ取り残されてしまって、スタッフの方も助けてくれるわけでもなく、ひたすら泣いていました。で、やっと走り出したと思ったら今度は止まらないし、あれは恐ろしい時間でしたね(苦笑)。
――イタリアはあくまで武者修行としての渡航ですか? 観光はされなかったのでしょうか。
そうですね。当時はモデルとして活動したくて、オーディションに参加してランウェイを歩ける可能性があるなら行ってみよう!”という意気込みでしたから観光どころではありませんでした。男性モデルって筋肉質なマッチョタイプか“ヒョロヒョロ”っとした細身タイプかの二択なんです。モデル業界に詳しい方に相談したところ、僕の場合は後者を目指すのがいいんじゃないかと言われて、出発前には体重を過去最低の62kgくらいまで落としました。向こうでもそれをキープしていましたし、そのうえ毎日慣れない出来事の連続で、目の前がチカチカして半ば意識がもうろうとしていましたね。日々の様子を撮影してSNSにアップしていたんですが、普段、まったく連絡してこない父親が、滞在8日目ぐらいの動画を見たあとに電話をかけてきて、「金は出すから、ちゃんと飯を食え。おまえ、危ないぞ」って言われましたよ(苦笑)。
――過酷ですね。では現地のおいしいものは一切、味わえなかったのでしょうか?
体重のこともありますし、とにかくお金もなかったですからね(笑)。当時、円安が進んで1ユーロ133円くらいだったと思います。格安のホステルに泊まっていたとはいえ、宿代も思った以上の出費で。食費を削るためにヨーロッパ各地にあるリーズナブルなスーパー「カルフール」で1kg0.6ユーロくらいの激安パスタを見つけて、「これがあれば生き延びられる!」と思って喜んだんですが、食べてみたらまるでゴムみたいな味でがっかりでしたね(苦笑)。そうそう、泊まっていたホステルが2段ベッドで1部屋8人ぐらいの相部屋だったんですが、僕の上のベッドがインド人のおっさんで、その人は僕にいろいろとよくしてくれましたね。「コウヘイ、Let’s go!」って言ってはハンバーガーを奢ってくれたり、近くのジェラート屋さんに連れて行ってくれたり。そのとき生まれて初めてピスタチオジェラートを食べたんですが、本場・イタリアのジェラートはとにかくおいしくて感動でした。おっさんは、「いいか、コウヘイ。夢を追うというのは大切なことなんだ。Just do it!」なんて、いろいろと泣けることも言ってくれましたね。ただ、このおっさん、お祈りの期間中だったのか、全然体を洗っていなくて。臭いし、夜はいびきがうるさいしで、総合的にはマイナス評価でしたけどね(笑)。
――英語も堪能でいらっしゃるから、現地の旅行者とも深いコミュニケーションがとれたのでしょうね。
そうですね。英語のやりとりには困らなかったので、インド人のおっさんがいなくなったあとはエジプトから来た女子学生やフランス人の男子学生とも仲良くなって、一緒にごはんを食べたりお悩み相談会をして過ごしましたね。あるときその男子学生が友達を連れてきて盛り上がったので、みんなでミラノのドゥオーモの隣にあるおしゃれなカクテルバーに行ったんですよ。1杯20ユーロとかとられるような高級店で、みんな貧乏学生だから「高っっ!」って言いながら1杯だけ飲んで(笑)。ほろ酔い気分になったところでたまたま見つけたパーティー会場に入ったんですが、そこには明らかに目がうつろな人たちが大勢集まっていて、危険を察して速攻で逃げ出しました。ほろ酔い気分も一瞬で吹き飛びましたが、今となってはそれもいい思い出です(笑)。
――ところで10月10日スタートのドラマ『俺たちの箱根駅伝』では、武蔵野農業大学の陸上競技選手・猪又丈を演じ、そうとう体を絞られたそうですね。
走り込みと食事制限で最終的には体脂肪率3%までもっていきました。昨夏の終わりから2週間に一度の合同練習が始まって、その練習に備えるために、普段からキャプテン・隼斗役の虎さん(小林虎之介)やマネージャー・計図役のおっくん(奥智哉)と一緒に走り込むようになったんです。厳しい合同練習についていけるように走り込んで、次の練習日までにさらにパワーアップして……の繰り返しでした。追いつけ、追い越せのその期間は、ヒリヒリするような緊張感もありましたが同時にとてもおもしろかったですね。
――撮影中は陸上競技部の学生たちに加え、新監督・甲斐真人役の山下智久さんとも交流があったかと思います。
そうですね。僕ら学生チームは、1月から始まった撮影で山下さんとお会いしました。真冬なのに学生たちのなかにはずっとタンクトップ姿のキャラクターも何人かいて、みんなで「これ、ほぼ全裸と変わらないよね」なんて笑いながら撮影していたんです。そんななか、山下さんは毎日アイスコーヒーを飲まれていて。僕らは寒さで震えていたので、驚いて、あるとき緊張しながら話しかけたんですよ。「それ、アイスコーヒーですよね。寒すぎません?」って。さらりと「アイスコーヒーが好きなんだ」って返されたのが印象的です(笑)。
▶インタビューの後編は10月16日(金)に公開します!
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【応募締切】
2026年10月30日(金)23:59まで
【応募方法】
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※応募規約についてはこちらをご確認ください。
https://www.arukikata.co.jp/webmagazine/365060/
庄司浩平(しょうじ・こうへい)
1999年10月28日生まれ、東京都出身。2020年にスーパー戦隊シリーズ『魔進戦隊キラメイジャー』で俳優デビュー。主な出演作は、『仮面ライダーガヴ』『40までにしたい10のこと』『Tシャツが乾くまで』など。『NHK俳句』に3年連続レギュラー出演中。ドラマ『俺たちの箱根駅伝』が10月10日スタート、映画『劇場版 40までにしたい10のこと』が2027年1月22日公開、ドラマ『熊は嘘をつかない』が2027年春放送予定。
公式Instagram https://www.instagram.com/shoji_kohei_official/
●staff
Photo/徳永 徹 Text/土屋華夏 Hair&make/清末めぐみ Stylist/平松正啓