サンタ・キアーラ教会

更新日
2023年9月12日
公開日
2023年9月12日
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アンジュー家の王妃サンチャの依頼により1310年ガリアルド・プリマルドの設計によって建設された。18世紀バロック様式の豪華な装飾を用いて改装されたが、1943年に砲火を被りすべてが失われてしまった。その後、高い天井をもつゴシック様式で再建され現在の姿となった。ファサードには高
い位置にバラ窓が付いている。教会の左側に独立して建つ鐘楼の基礎の部分には14世紀の建築が残っている。
単廊式の内部は、フランチェスコ会の典型的な簡素な造り。側面は礼拝堂で区切られている。主祭壇の裏のアンジュー家のロベルト1世の墓Sepolcro di Roberto d'Angio'は、フィレンツェのジョヴァンニ・ベルティーニとパーチョ・ベルティーニの共作。その右手にはティーノ・ディ・カマイーノ作
カラブリア公カルロとその妻マリア・ディ・ヴァロアの墓がある。

祭壇右側の聖具室を抜けると階上廊(トリビューン)がめぐらされクラリッセ(クララ会の修道女)の内陣席Coro delleClarisseへ出る。('19年12月現在、閉鎖中)独立した教会としてレオナルド・ディ・ヴィートが設計したもので、14世紀の見事な大理石の扉が残る。ここもかつてはバロック様式に装飾されていたが、今日ではナポリのゴシック様式の傑作である簡素な構造を見ることができる。
クラリッセのキオストロChiostro delle Clarisseへは、一度教会を出て左側から裏手に回る。1742年、ゴシック様式の回廊の四方に田園式の庭園をドメニコ・アントニオ・ヴァッカロが設計し、ジュゼッペ・マッサGiuseppe Massaとドナート・マッサDonato Massaがマヨルカ焼の回廊の装飾を担当した。黄・緑・青色をふんだんに使って描かれた白いタイルが、乾いたナポリの空気に調和している。

隣接の付属美術館Museo dell'Operaは、古代ローマ時代の浴場が発掘された部屋に教会の歴史を物語る展示品が並ぶ。このほか、18世紀のプレゼーピオが飾られた部屋、キオストロを隔てた反対側のマリア・クリスティーナの間Sala di MariaCristinaには壁からはがされて、ここに運ばれた14世紀のジョット派のフレスコ画を展示。

写真

  • シンプルな単廊式の内部
  • ロベルト1世の墓
  • 回廊のフレスコ画や天井も見事
  • マヨルカ焼がナポリらしい
  • 教会の外は子どもたちの遊び場
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