王宮 (ナポリ)

更新日
2023年9月25日
公開日
2023年9月25日
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17世紀にスペインの王を迎えるため、建築家ドメニコ・フォンターナによって工事が着工された。しかしその王を迎えることのないまま、ブルボン家の王宮として1753年ルイジ・ヴァンヴィテッ
リによって改築・拡張工事が行われた。カゼルタの王宮によく似た3層に分かれた長い正面の前には、ナポリを統治した王の立像が置かれている。現在内部は王宮歴史的住居博物館Museo dell'appartamento storico di Palazzo Realeになっており、18世紀の豪華な室内装飾を見ることができる。

大理石で華麗に装飾された大階段を上った2階が見学コース。2階右手、コース最初の宮廷劇場Teatro di Corte はフェルディナンド4世の婚礼を記念し1768年に造られたもの。
小さいながらも金色に塗られた音楽の女神などで装飾された華麗な空間だ。彫像のように見えるのは
Cカルタペスタartapestaとよばれる紙の張子で当時はよく使われた手法だ。
続いて、「外交の間」La Sala Diplomaticaは、ブルボン家のカルロと妻マリア・アマリアを擬人化した『徳のアレゴリー』Allegoria delle Virtùが描かれているすばらしい空間。「玉座の間」La Sala del Tronoは、壁面上部はナポリ王国が治めた14の県を象徴する金色の彫像で飾られ、ひときわ豪奢な雰囲気だ。壁には王家の人々の肖像画が掛けられ、玉座の正面は「フェルディナンド1世の肖像」。このほか、「王の書斎」Lo Studio del Re、金箔と貴石で飾られた大祭壇が見事な「王の礼拝堂」La Cappella Realeなどが続く。室内装飾のほか、飾られた絵画や調度など、南イタリアの首都として君臨したナポリ宮廷の歴史を如実に物語る豪華な空間が続く。このほか、エルコラーノの遺跡から発掘された炭化したパピルス紙が展示される国立ヴィットリオ・エマヌエーレ3世図書館Biblioteca Nazionale Vittorio Emanuele IIIがある。

写真

  • 博物館には王宮の中庭から
  • スペイン王(ハプスブルグ家の)カルロ像
  • 金色の彫像で彩られた「玉座の間」
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