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こんにちは~山梨特派員の水月です。
「人気の山梨県北杜市”田舎暮らし”の楽しみ方」シリーズ、28回目は「俳句を詠む」。
ここ北杜市は、俳句を詠みたい、楽しみたいという方にぴったりの環境なんです。わたしも2年ほど前に俳句の会に入会し、月に一度の句会に参加するようになりました。
基本は、五七五の17音で、季語をひとつ入れる。
俳句初心者のわたしは、「や、けり、かな」などの切字を有効に使ったりするのはまだ勉強中で、まず季語と親しむところから始めています。
その俳句の核となる季語を日常的に感じられる環境が、ここ北杜市には揃っているんですよ。
例えば、山。登山はほとんどしませんが、日々山々を眺められる土地で暮らしているので、山を身近に感じられます。トップの写真は、4月末の八ヶ岳です。のびのびと穏やかな表情をしています。そんな春の山を詠んだ句がこちら。
春の山四方指したる道しるべ
「飯田蛇笏文学碑・飯田龍太文学碑 第十回碑前祭俳句会」夏井いつき選 入選
また、庭や散歩道には、草花が季節の移り変わりを知らせてくれます。今年の夏は、月見草の苗をいただき初めて花を見ることができました。夕刻花ひらきひと晩だけ咲いて、朝には薄紅色に染まってしぼみます。
庭に咲いた月見草を詠んだ句は、こちら。
闇に咲き闇をまとはぬ月見草
「第59回子規顕彰全国俳句大会」稲畑廣太郎選 特選/本井英選 入選
里山の暮らしているうちに、植物の名前もいろいろ知り、自然に覚えていきました。それでも「俳句歳時記」には、見たことのない植物が数多く載っています。
北杜市は、たくさんの陶芸家やアーティストが暮らす土地でもあります。大泉町の「夢宇谷ギャラリーMUU」や八ヶ岳アート&クラフトマップ「ギャラリーおらんうーたん」などに載っているお店を歩き、器や雑貨を見て歩くのが、楽しみのひとつです。
そんなふうに見つけたお気に入りのぐい呑みを詠んだ句が、こちら。
ぐい呑みの小さき水平秋深し
「NHK学園生涯学習フェスティバル令和五年度秋の俳句大会」津高里永子選 秀作
暮らしのなかのひとこまを、じっくり見つめてみるのも良いものです。
田舎暮らしを始めて、小さな生きものに目を向ける機会も増えました。庭に様々な蝶が遊びに来ます。そんな蝶を詠んだ句は、こちら。
地上から二センチの空冬の蝶
「第31回都留市ふれあい全国俳句大会」高野ムツオ選 入選
俳句を詠み始めて、空や雲も近しいものになったような気がします。
北杜市で田舎暮らしを始めるなら、俳句を詠んでみませんか。日々過ぎてゆく暮らしのなかで、ときには立ち止まって自分の心を見つめてみるのも大切です。季節ごとに、その日ごとに、その一瞬に、違う風を感じることができると思います。
句会を探して出かけてみたり、コンクールなどに投句(応募)してみると、ますます楽しくなりますよ。
山梨を代表する俳人、飯田蛇笏、飯田龍太の俳句を、まずは読んでみるところから始めてもいいですね。
芋の露連山影を正しうす 飯田蛇笏
どの子にも涼しく風の吹く日かな 飯田龍太
「人気の山梨県北杜市”田舎暮らし”の楽しみ方」バックナンバーはこちらです。
第1回「定点観測」
第2回「野鳥観察」
第3回「山菜を満喫」
第4回「空を眺めて」
第5回「薪ストーブ」
第6回「野の草花に親しむ」
第7回「蝶とたわむれて」
第8回「小さい秋みつけた」
第9回「石仏に親しむ」
第10回「甲州弁を学ぶ」
第11回「スモークベーコンを手作りする」
第12回「庭に宿根草を植える」
第13回「アマガエルは友達」
第14回「お庭でバーベキュー」
第15回「マンホールコレクション」
第16回「夕暮れにたたずむ」
第17回「郷土料理をいただく」
第18回「マイ富士山スポットを見つける」
第19回「桜を愛でる」
第20回「水張田のある風景」
第21回「水辺で涼を」
第22回「山の名前を知る」
第23回「縄文時代へタイムスリップ」
第24回「味噌造り」
第25回「梅干しを漬ける」
第26回「ピクチャーウインドウ」
第27回「栗・クリ・くり」