
アムトラックで行くカリフォルニア・ヨセミテ国立公園
2020.7.3
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トラベルアドベンチャーのイベントでロサンゼルスに行ってました。せっかくなので兼ねてから乗ってみたかったアムトラックビギナーに一番のおすすめ「パシフィック・コーストスターライト」ロサンゼルスからサンフランシスコに乗車しました。果てしない大海原のマジ感動の乗り鉄”鉄子”の覚書です!
アメリカはかつて鉄道王国でしたが、第二次世界大戦前には、航空機や自動車との競争に直面していて、大戦時の輸送需要増大、軍需優先、ガソリンの配給制限により一旦は息を吹き返しましたが、戦後、工業生産は民間に戻り、ガソリン配給制限も解除されると、輸送需要は他の交通手段へと移行してしまい、1960年代になると多くの鉄道会社は廃止に追い込まれました。わずかな旅客列車にしても存続は危機的状況となってしまいました。しかし何とか鉄道旅客輸送を維持するため、1970年、鉄道旅客輸送法 (Rail Passenger Service Act of 1970) ができ、一致団結。1971年5月1日アムトラックの運行が開始されました。
と前置きが長くなりましたが、鉄道旅好きの鉄子と呼ばれている私。以前から乗ってみたかったアムトラック「コーストスターライト」に初乗車。このルートロサンゼルス〜シアトルを結んでいて、特に南カリフォルニアの太平洋の海岸線を望みながらの列車旅が楽しめます。
出発は始発のLAユニオン駅。2023年アムトラック乗降客数 ランクで、西海岸で最も混んでいる駅なのだそうですが、比較的こじんまりとしていて移動しやすい駅かもしれません。
空港にはないゆったりとした空気が漂う駅。かれこれ90年近くどれだけの旅行者を送り出し出迎えたのかしらと思う。コーストスターライトは、ロサンゼル〜シアトルを結ぶ約2240km、35時間一泊二日のルートです。今回はそのうちロサンゼルス〜エメリービル・サンフランシスコの14時間ほどの旅で、朝乗車して、夜目的地に到着します。
コンコースの一角にチェックインカウンターには「コーストスターライト#14」と表示されていました。
シートはすでに決まっているのでコンビニでスナック買って、いよいいよトラック10に向かうと、オールダブルデッカー車両のスーパーライナーが待っていました。いよいよ14時間のコーストスターライト列車旅が始まると思うとワクワクしかないです。あとで分かったのですが、1971年アムトラックになってからシアトル〜ロサンゼルスは直通で行けるようになってたのですがそれ以前は、複数の鉄道会社が運行していて、乗り換えないといけなかったみたいです(楽になりました)。
見所は列車の名前の通り、太平洋岸を走ることです。ロサンゼルスから北西に100kmほど走り、11時過ぎオックスナード(OXN)駅を通過する辺りから海岸線が見え始めます。この日は快晴で、青い空・青い海を眺められる区間。サンルイス・オビスポ(SLO)まで約4時間。サンルーム様パノラマウィンドーのラウンジカーで大海原の景色を楽む人が非常に多く、かなり混んでいるので、なかなか席は空きません。まぁ一人旅だと案外と一席空いてるなんという幸運に当たります。混雑時は譲り合いましょうとアナウンスもありますが…
サンタバーバラ(SBO)〜サンルイスオビスポ(SLO)は、コーストスターライト屈指の景勝区間。マジですかというくらい海岸線ギリギリを走行し、覗き込むと車両ごと砂浜に落ちちゃうんじゃないかくらいのコース。もう思い切り景色を堪能してください!サンルイス・オビスポを過ぎると列車は徐々に内陸部に入り、景色は一変。峠越えとなり、春先の柔らかい緑の丘陵地帯を軽快に進んでいきます。もう少しすると一面黄色いお花が咲くそうですよ。そして映画サイドウエーで一躍有名になったパソロブレス(PRB)周辺はやはりワイン畑が多くなり、農業地帯サリナス(SNS)では整然とした畝が夕闇に隠れ始め、目を凝らすと(私の好物)アーティチョークかなぁ?という作物が植えられていました。
列車の旅の楽しみの一つは、ダイニングカーでの食事です。席数に限りがあるので、コーチクラスは予約したお客さんが優先なので、予約はお忘れなく。3時半頃になると車掌さんがコーチクラスのお客さんに伺いに来るので、この日は、5時前と7時過ぎのどちらにするか聞いてきてくれました。実はチェックインの際、予約ができるか確認を忘れてしまい、慌ててダイニングカーに行ったものの席がなく。アンガスビーフのハンバーガーを食べ損ねてしまいました。ディナーでは、夕暮れの景色を見ながらシグネチャーステーキを何としてでも実現させたく予約が取れたときは、ホッと一安心。車内放送を聞き逃さないよう過ごしました。
ディナーは3コースで、アルコール類も含め1ドリンク付きで45ドル。アペタイザーは2種類から選択。メインコースは4種類から、デザートは2種類からの選択。真っ白なテーブルクロスでの食事が45ドル(チップ10ドルは別途お渡ししました)が高いか安いは皆さんはどう思いますか?4人テーブルなので相席になることもありますが、多少のハンディも旅の楽しみです。日本に興味のあった同席者さん、日本の新幹線について聞かれ、いつがベストシーズンか?食べるべきものは何?日本がブームになっているのを垣間見た気がしました。
ちなみに、カフェカーには軽食が売られていますので安心してください。ラウンジカーで食べている人もいましたし、私は、デザートをラウンジまで持っていきました。
*座席での飲酒は固く禁止されています。車掌さんの判断で次の駅で下車になります*
20:00頃、見覚えのあるカルトレインの車両。サンノゼ駅到着で、帰ってきたと感じた瞬間でした。と同時にこの旅もそろそろ終わりなんだと昼間の海岸線の風光明媚な風景が思いうかびすごく遠い日のように感じました。
21:45頃、エメリービル着ここからコネクティングバスに乗り換えました。数台がバスパーキングに待機しており、もう少しすると、サンワキン線がヨセミテ方面から到着します。合わせてある程度の乗客が集まったら順に出発のようでした。ベイブリッジを渡りサンフランシスコの摩天楼を観ながら、22:15頃セールフォース・バスセンター前で全員下車。今回の鉄道の旅は終了です。
周辺は比較的安全な場所なので歩いてマーケット通りに行けます。そこからバート(BART)に乗る人。バスセンターからミュにバスに乗る人。ユニオンスクエアまでなら歩けなくもないですが、夜間でもありライドシェア(Uber・Lyft)を利用する方がよいでしょう。
アムトラックで初めて太平洋の海岸線を走ってみましたが、いかがでしたか?コーチクラスの席でも、リクライニング&フットレスト付き一昔前のビジネスクラス並みの広さ。窓からの雄大な景色も常に変化に富んでいて飽きることもありません。南北の路線で時差もなく、始発〜終点まで乗車しなくても、今回のルートは鉄道旅初心者には無理もなく、なかなかおすすめなよい列車旅と思いました。
発車オーライな列車旅いかがですか!