
【初心者向け】海外旅行で知っておきたいお金事情
2023.3.16
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「台湾に行ってみたいなぁ」と思っている皆さん、または台湾旅行が決まっている!という皆さん、台湾の情報で知っておいて損はないのが、両替などお金にまつわる情報です。旅行時期によって、円高の時期ならばかなりおトクに、円安の時期ならば損をした気分になってしまう為替マジック。加えて両替する場所により、おトクにも損にもなってしまうマジックがあります。数円、数十円の違いでしょ、とあなどることなかれ。これが意外にチリつもなんです。この記事では、台湾のお金にまつわる情報と、両替の方法を紹介します。情報をしっかり集めておトクに旅しましょう!
では、まず台湾ではどんな通貨を使っているのか、どんな種類のお金があるのか、基本を押さえておきましょう。
■通貨
台湾の通貨単位は、「台湾元」です。略称は「元(ユェン)」で、1元、10元、100元、という形で使われています。一般的にはこの「元」という略称が使われることが多いのですが、紙幣やコイン自体には「圓」の文字が使用されているので、混乱しないよう気をつけてください。また、ニュータイワンドル(NTDollar)と表記されることもあり、口語では塊(クァイ)と呼ばれることもあります。
■紙幣
紙幣には、100元、200元、500元、1000元、2000元の5種類あります。通常一般的によく使用されている紙幣は、色が赤系の100元から青系の1000元まで。緑系の200元や紫系の2000元紙幣は、実はあまり使用されていません。日本の2000円札みたいなものですね。
■コイン
コインには、1元、5元、10元、20元、50元の5種類あります。20元硬貨は流通も少なく、あまり使用されていません。また、これらのほかに記念通貨などもあります。
旅行に関わる為替レートで一番気になるのは、「1元が日本円にするといくらか?」ということ。では、現在のレートはいくらぐらいなのでしょうか。2024年12月現在のレートは1元=約4.72円です。
レートを調べる場合は、Yahoo!ファイナンスなどの為替レートが確認できるウェブサイトを参照してみましょう。このサイトなら、【為替レート計算】の欄に記入すれば、1元あたりの日本円換算の金額がわかります。ただし、為替レートは同日であっても取り扱う金融機関等によって異なるので、あくまで目安と考えてください。
現地で両替をする場合、掲示や一覧表などのどこを見たらいいのか、迷うことも多いですよね。その場合は、CASH=現金の【買入】の部分を見てください。例えば、日本円の1万円を台湾元に両替する場合、【買入】に0.2782と表示されているとすると、10000円×0.2782=2782元のように計算できます。
では、実際に旅行に行く場合、どこで両替をしたらいいのでしょうか。通常海外で両替する場合、空港の銀行や両替所はレートが悪いので、最低限の金額のみ両替をし、あとは市中の銀行での両替をした方がいいとすすめられることも多いと思います。ところが、台湾の場合、事情が少々異なります。いくつか例を挙げて、見てみましょう。
まず日本での両替の場合、空港や市中の銀行のほか、最近繁華街などに増えてきた外貨両替所なども考えられます。でも、「台湾の空港に着くのが早朝や深夜だから、空港で両替できるか心配……」と出発前に日本での両替を考えているあなた! ちょっと待ってください! 日本での両替はおすすめしません。なぜならレートが悪すぎるんです。台湾でのレートを見たら、損した気分になりますよ。
基本は現地台湾での両替がおすすめ。とはいっても、台湾でも両替できるところはいろいろあります。台湾内での両替ならどこがいいのでしょうか。
■空港の銀行
LCCなどの到着時間に空港の銀行がやっているか不安な人も、大丈夫です! 台湾の空港にある銀行は、到着便に合わせて営業しているので安心してください。そして意外に思われるかもしれませんが、台湾では空港での両替レートもそう悪くはありません。なぜなら大手銀行が営業しているからです。例えば、台北の桃園国際空港には臺灣銀行と兆豊銀行が両替カウンターを設けています。
ただし、空港での両替の場合、両替する金額にかかわらず、1回につき30元の手数料がかかります(手数料が無料の銀行もありますが、レートは悪いです)。そのため数人で旅行している場合は、一人ひとり別々に両替するのではなく、みんなでまとめて1回で済ませてしまうことをおすすめします。手数料はもったいないですが日本円で100円程度と安いので、滞在分の両替をここで一度に済ませてしまうのもひとつの方法です。
なお、桃園国際空港などは入国審査前に銀行の両替カウンターがありますが、レートが若干悪かったり、混雑していたりすることが多いので、ここはスルーし、入国して荷物を受け取りロビーへ出てからゆっくりと両替しましょう。両替時には伝票をもらい、しっかりと書かれた金額と渡された金額が合っているかをチェックしましょう。また紙幣だけでなく、小銭も少し混ぜてもらっておくと便利です。「スモール チェンジ」と英語で言えば通じます。
■空港の外貨自動両替機
台北の桃園国際空港第2ターミナル1階ロビーの外貨自動両替機では、1人1日10万台湾ドル相当まで両替が可能。しかも手数料無料です。運営しているのは兆豐銀行ですので、両替のレートは兆豐銀行のレートと同様です。レートも悪くない銀行ですので、両替機はかなりおすすめです。ただし、両替にはパスポートが必要です。
レート的にオススメなのは、町なかの外貨自動両替機もしくは銀行です。
外貨自動両替機は町なかへの設置も増えており、台北では新光三越百貨 台北駅前店の1階にも設置されています。観光で立ち寄る人も多い迪化街にあるスーパーのHi-Lifeにも設置されました。外貨自動両替機は24時間稼働しているので、旅行者にとっては非常にありがたいですね。
町なかの銀行は、銀行によりレートが異なり、手数料を取るところもあります。そこで利用したいのが、FindRateというウェブサイト。 台湾の主要な銀行のレートや手数料の有無がわかる便利なサイトです。
この表の見方ですが、左側は銀行名、その右隣の「現鈔買入」の欄は両替の為替レート、一番右の「現鈔手續費」の欄は手数料が記載されています。「現鈔買入」の欄の数値が高い銀行ほどレートのよい銀行になります。「現鈔手續費」の欄に「免手續費」と記載されているのは、「手数料なし」という意味です。
例を見てみると高雄銀行の方がレートはいいのですが、手数料がかかることがわかります。たいていレートのよい銀行は手数料がかかります。そして、臺灣銀行はレートを比べてみるとよくないですが、手数料はなく、店舗数が多めです。レートが多少悪くても、両替する金額によっては、手数料のない銀行の方がおトクになることもあります。そのため自分の両替金額により、レートと手数料の有無を検討し、両替する銀行を決めるとよいでしょう。
なお、下記の銀行が手数料安めで、比較的レートがいい銀行です。
ただし、レートのよい銀行が、すぐ近くにあるとは限りません。店舗数が少なく、手軽に行くことができない銀行もありますので気をつけましょう。ほかに旅行者が利用しやすい銀行として、若干レートは下がりますが手数料がなく店舗数が多いのが、臺灣銀行や兆豐銀行です。なお、町なかの銀行での両替ではパスポートが必要な場合もあるので、両替の際には念のためパスポートを忘れずに!
空港や銀行のほか、知っておくといざというときに便利な場所を紹介します。
中山エリアにあるお茶屋さんですが、ここでも両替をすることができます。レートは臺灣銀行のものを元にしているといわれているので、良心的なレートです。営業時間は9:30~23:00まで、旧正月を除くと無休ですので、夜に両替したくなった場合、銀行がやっていない週末などは便利に使えます。ただし、お茶屋さんですので多少のセールスなどはあるかもしれません(笑)。
台湾には、両替ができる郵便局もあります。台北のメインステーション・台北車站(駅)の郵便局も両替を行っており、朝8:30から営業しているので便利です。レートはFindRateにも掲載されており、各銀行より若干悪いのですが、手数料無料なのがうれしいですね。また、意外ですが、國立故宮博物院の故宮郵局、中正記念堂の臺北中正堂郵局でも両替が可能です。これらの郵便局は、土曜の両替は午前中のみですので気をつけてください。
レートは銀行などに比べ決してよくはないですが、土・日曜や遅い時間帯まで両替できるのが大型デパートと台北101です。
なお地方では、土・日曜や遅い時間は両替できるところが限られてしまいますが、下記の都市には強い味方の新光三越百貨があります。
宿泊しているホテルでは、ほぼ24時間両替可能ですが、小規模の宿などでは「両替用の多額のお金がない」、または「ちょうどいい金額がない」と、希望額を両替できない場合もあります。ちなみに、2019年10月に両替をした時、高雄國際空港の銀行のレートと市内のホテルのレートは大分差があり、1万円両替をすると、239元も違いました。 日本円にすると約850円~1000円程度の差額。驚きの金額ですね!!! ホテルは銀行などに比べてレートが非常に悪いので、ホテルでの両替はほかで変えられない時間帯に限定し、少額にしておきたいですね。
現在台湾での両替や現金の調達で一番レートがいいといわれているのが、現地ATMでのキャッシングです。台湾のATMでのキャッシングのメリットはなによりもレートのよさ。さらには引き出しのできるATMが町中に多くあり、24時間いつでも利用可能なこと。台湾にたくさんある日系のコンビニでは、ほとんどの店舗でATMを設置しています。
そのため最近の台湾リピーターは買い物については極力カード払いにし、現金は必要最低限の金額をATMで引き出している人も多いようです。Visaなどの国際ブランドのクレジットカード、デビットカード、トラベルプリペイドカードなら、ほとんど現地のATMで利用できます。
ATMの利用方法は次のとおり。なお、ATMを利用する場合はPIN(暗証番号)が必要となるので、わからない場合は事前にカード発行金融機関に確認してみましょう。さらにクレジットカードの場合には、キャッシングの可否(申し込みをしているか)、キャッシングの利用限度額(ショッピングの金額と異なる)も確認しましょう。
なお、キャッシングで要注意なのが、1日ごとに利息がつくこと。10万円キャッシングをした場合、年利18%を365日で割ると、1日あたりの利息は49.31円程度。1日約50円ですね。キャッシングをしてから引き落とし日までの日にちが長い場合、この利息がどんどんついてしまうことになります。そこで行いたいのが繰り上げ返済です。繰り上げ返済は、通常引き落とされる日よりも、もっと早く返済を行い、利息分がかさむのを避ける方法です。
繰り上げ返済の方法は次のとおり。なお、セディナカードやアコムACマスターカードなどは、インターネット上の手続きだけで繰り上げ返済が可能です。
ただし、すべてのカードで繰り上げ返済が可能なわけではないので、自分のカードについてATMキャッシングをする際は、利息がいつまでかかるのかよく確認をしておきましょう。
台湾の物価は日本の約7割といわれています。特に交通費が安く、タクシーは日本の3~4割ほど。地下鉄のMRTやバスなども安い運賃です。また、グルメ天国ですのでおいしい×格安というメニューもたくさんあり、麺ならば50元くらいから、台湾名物・牛肉麺でも150元ほどで食べられます。小籠包も150元くらいからあり、それだけでおなかがいっぱいになります。物価が安く旅しやすい天国のような台湾ですが、航空券の代金はすでに日本で支払ったと考え、1回の旅行でどれくらいの金額を両替したらよいでしょうか。
2泊3日なら3万円。よく言われるのはこのぐらいの金額です。食事代+交通費+観光費が基本となり、これらは大体2泊なら2万円程度で十分です。これにお土産の買物なども含め余裕をもたせると、3万円両替しておけば安心ということになります。お金を余らせて再両替をするとレートがよくないので、とにかくギリギリに抑えたい!という場合は、まずは2万円替えて足りなければ、再度両替するという方法もよいでしょう。使う金額は人それぞれですので、切り詰めたければもっと安くできるのが台湾です!
鍵となるのは、宿泊代です。旅の予算の大きな部分を占める支払いですが、カード払いをすれば現金は必要ありません。もし現金で現地払いの場合は、この分がさらに必要となります。
日本同様、台湾でも近年キャッシュレス化が進んできています。特に旅行者に便利なのが、MRTで使える交通系カード。乗り物のIC乗車カードとしてだけでなく、日本の交通系ICカードのようにコンビニやスーパーマーケットなどで使用できます。
交通系ICカードの中でも旅行者の間で最も利用が進んでいるのが、悠遊カード(ゆうゆうカード、現地読みでヨウヨウカー)。Easy Cardとも呼ばれています。チャージ式のICカードで、台湾全土で使用が可能。一部タクシーでも導入が進み、使用範囲が拡大しています。特にMRTを利用することの多い台北では、チケットレスで入改札ができるので、旅行者にも欠かせないカードになっています。ちなみにこのカードを使用しない場合、MRTに乗るときには、コインのトークンの購入が1回ごとに必要となります。
なお、チャージ金額が残った場合払い戻しも可能ではあるのですが、旅行者にとってはかなり手続きが面倒です。その場ですぐの払い戻しはできず、一旦カードをカード会社に送って残金を確認後、振り込みや払い戻し通知書が送られてくるなど、旅行者にとって払い戻しは非常に手間がかかる状況なので、残ったチャージ分はできるだけ使いきってから出国しましょう。
台湾のスマホ決済で一番使用されているのが、LINE Payです。最近はLINE Payのロゴ表示をしている店舗も増えてきており、インターネット上では日本で登録したLINE Payがそのまま台湾で使えるという情報も多くみられます。ただし、すんなり使用できたところ、できないところなど、まだまちまちの状態です。使用できた場合も、登録しているクレジットカードで支払われるApple Pay方式なので、クレジットカードの情報を登録していない場合は、台湾で初めて使用する場合に「クレジットカード情報を登録してください」という表示が出たりもします。
台湾のクレジットカード事情ですが、台北、台中、高雄などの大都市は、クレジットカードを使用できる店舗が多く、問題なく使えます。海外ではJCBが使用できないところが多いのですが、台湾の場合、クレジットカードが使える店舗ではVisa、MasterCard、JCBはほぼ通用し、アメリカン・エキスプレスやダイナースも多くの店舗で使用が可能です。
クレジットカードのように使えて、支払いは発行人口の預金口座から原則「即時引き落とし」になるのがデビットカード。クレジットカード同様、現地ATMで現地通貨の引き出しが可能です。
VisaやMasterCardなどの国際カードブランドの加盟店で使えるチャージ(事前入金)式のカード。出発前にコンビニATMなどで円をチャージし(預け入れ)、その範囲内の利用となるので、使いすぎの心配がなく、予算管理にも便利です。また、台湾のATMで台湾ドルで引き出すことができる。カード残高が足りなくなった場合には、再チャージも可能です。
旅の目的に合わせ、現地通貨が余らないように両替をしたいものですね。また、キャッシュレスの波が台湾にも及び始めているので、情報をしっかりアップデートして旅行に出かけましょう!
TEXT:トラベル・キッチン ぬくい ゆかり
PHOTO:iStock、大西稚恵、ぬくい ゆかり
※情報更新: 2024年12月