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メキシコに世界最大級の温泉テーマパーク?トラントンゴ温泉
2024.9.1
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あけましておめでとうございます。2025年の1回目は少し趣を変えて、筆者が実際に訪ねた海外温泉1200湯の中から、「ぜひ浸かってみたい絶景の濁り湯」を20ヵ所厳選して紹介します。温泉の効能を目で感じられる濁り湯は日本で人気ですが、海外にも魅力的な濁り湯がたくさんあります。今回は青(白)、緑、オレンジ(茶)、黒系に分けて紹介します(一部濁り湯ではなく、色のきれいな「色付き湯」を含みます)。「今年、行ってみたいな」と思う濁り湯が見つかれば、嬉しいです。
オーロラ観光でも人気がある極北の国、アイスランドは全土に渡って温泉が湧く火山島です。なかでも一番人気はブルーラグーンで、5000平方mに及ぶ広大な露天風呂は息をのむほどの絶景です。隣接する地熱発電所(写真奥)が汲み上げた70℃の地下熱水を再利用した温泉は38℃前後に調整されており、長湯を楽しめます。絶景温泉の全体像を眺めるにはレストラン棟のデッキが最適です。
メキシコにあるトラントンゴ温泉は「1. グルタス(洞窟)」「2. グロリア」「3. パライソ」の3つのエリアに分かれています。グルタスエリアでは、膨大な量の温泉が洞窟内で湧いていて、溢れた湯がミルキーブルーの湯川を形成しています(写真)。
つり橋の先のグロリアエリアには落差のある滝の下に、プライベート感あふれる露天風呂が点在しています。
パライソエリアには人工の石灰棚風露天風呂があって、断崖絶壁からの雄大な眺めを満喫できるなど、1日かけて楽しめる施設として誰にでもおすすめできます。
熱帯雨林で有名なインドネシア・スマトラ島の中で、最も美しい温泉です。
細長い楕円形の池を5区画に区切った露天風呂は、目にも鮮やかな青色で、陽の光に輝いていました。一番手前が源泉池で、たくさんの気泡とともに湯が湧き出しています。溢れた湯が奥側に注いでいくため、徐々に湯温は低下します。全体にぬるめですが、年間を通して高温多湿なスマトラではちょうどよいくらいでした。
かつてグルジアと呼ばれたコーカサス地方のジョージアは知られざる温泉大国です。首都のトビリシにも伝統的な温泉街があるほどです。草を食む馬の群れを眺めながら浸かれる無料のヴァニ温泉は、ジョージアで一番美しい露天風呂でしょう。広大な牧草地の一角に湧く温泉は完璧なまでのミルキーブルーです。湯温は約40℃の適温で、ほのかな硫黄臭が漂っています。まさに日本人好みの野湯といえます。
イタリアのなかでも人気のフィレンツェを州都とするトスカーナ州の温泉の中で、気軽に浸かれる濁り湯としておすすめなのがペトリオーロ温泉です。法王や富豪しか利用できなかった当時に築かれた岩壁の脇に無料の野湯が広がっています。川岸の石灰棚をくりぬいた露天風呂と、川原に石を並べた手作り露天風呂があります。そばには有料の温泉施設もあり、身体や頭を洗いたい人は野湯の後に立ち寄るとよいでしょう。
チリは地球の裏側に位置しますが、日本と同じ環太平洋火山帯上にあるため、多くの温泉が湧いています。首都サンティアゴから日帰りできる温泉としておすすめなのがコリーナ温泉です。
サンホセ火山の近く、標高2500mの高地にミルキーブルーの露天風呂が斜面に9段並んでいます。石灰棚を模した人工の露天風呂ですが、析出物が表面に堆積して自然の石灰棚のようにも見えます。夏の週末はかなり混雑します。
アイスランドには、ブルーラグーン温泉のほかにおすすめの濁り湯がもうひとつあります。島の北側に位置する第2の都市、アークレイリ郊外のミーヴァトン温泉です。約100℃の源泉を冷ました広大な露天風呂はブルーラグーンより白くて硫黄臭が強め、肌のツルスベ感はアイスランド屈指です。夏でも気温は10℃前後の日が多いので、湯の温かさが体にしみます。ユーラシア大陸とアメリカ大陸のプレートの割れ目(ギャウ)に湧く洞窟温泉もすぐ近くにあります。
インドネシア・ジョグジャカルタはジャワ島中部の古都。世界遺産のボロブドゥール遺跡が近くにありますが、周囲に活発な地熱地帯が広がっているのは知られていません。
代表的なシキダン地熱地帯の北西10kmに、とっておきの秘湯があります。浴槽はふたつあって、上段の白濁湯が女性用、下段の青みを帯びた濁り湯が男性用です。午後には地元の人々が入浴に訪れますが、午前中は空いているようです。大自然のなかでの濁り湯体験はまた格別です。
中米のグアテマラは火山活動が活発で、多くの温泉が湧いています。西部のスニルの町から急峻な山道を突き当りまで進むと温泉へ到着です。崖から湧き出す温泉を利用した露天風呂がいくつかありますが、メインはふたつです。手前の温泉は鮮やかで透明な緑色、奥の温泉は少し濁った黄緑色です。どちらも適温ですが、崖から滴る源泉近くはかなり熱めです。中南米には珍しく、群馬県の草津温泉のような強い酸性泉です。
インドネシアのバリ島は人気のリゾートアイランドですが、数多くの温泉が湧く島でもあります。一番のおすすめはバンジャール・テガ温泉(単にバンジャール温泉とも)です。
大きな露天風呂は美しいミルキーグリーンが印象的です。38℃と少し温めですが、暑いバリではちょうどよく感じます。インドネシアでは打たせ湯のように勢いよく注ぐ湯口が人気で、パンチュランと呼びます。せっかくの機会ですので、ぜひ体験してみましょう。
メキシコシティの南東に位置するオアハカは歴史ある町で、旧市街が世界遺産に登録されています。郊外の山中に湧く温泉にはふたつの露天風呂がありますが、おすすめは奥側の大露天風呂です。薄く濁った緑色が美しく、まさに天空のインフィニティ・プールです。ここは巨大な石灰棚の真上にあり、少し離れた場所から全景を見渡せます。かなりぬるめの炭酸泉なので、暑い季節向きです。
ニュージーランドで一番有名なロトルア温泉の南に位置するレポロアは美しい丘の町です。北海道の美瑛を彷彿させるような丘を町外れまで進むと、素朴な無料温泉が湧いています。水深が1.2m以上と深いためか柵が設置されていますが、自己責任での入浴が許されています。
湯の色は、日によって黄土色にも淡い緑色にも見えます。炭酸を含む湯が足元から大量に湧いていて、湯温も41℃とベストです。
ヨーロッパ大陸の最も西に位置するポルトガル。そこから西へ1000kmの大西洋上に浮かぶ9つの島がアゾレス諸島です。最も大きいのがサンミゲル島で、島のあちこちに地熱地帯と温泉があります。
なかでも観光客に人気なのが、フルナスにあるテッラ・ノストラ・ガーデンホテルです。直径30mほどの大きな露天風呂は42℃の湯がかけ流しです。鮮やかなオレンジ色の温泉は鉄分を含むため、気をつけないとタオルや水着が染まってしまいます。
前述したチリのコリーナ温泉と13kmしか離れていませんが、泉質はまったく違います。浴槽の底から30℃未満の炭酸泉が猛烈な勢いで湧いていて、浸かると身体が気泡に包まれます。源泉自体は透明ですが、空気と触れて鮮やかなオレンジ色の濁り湯に変化します。
傍らを流れるボルカン川の渓流とマダラ状に雪をかぶったサンホセ火山の雄姿を望めます。湯温が低いため、夏向きの温泉といえるでしょう。
南米のコロンビアも環太平洋火山帯に位置し、多くの温泉が湧いています。濁り湯でおすすめなのがグアスカ温泉です。500年以上前から知られた温泉で、地元の人に利用されていましたが、長らく廃墟となっていました。今の施設は2014年に、源泉の湧く場所にそのまま大きな露天風呂を作ってオープンしたそうです。最も温かい場所は約40℃ですが、全体にはもう少しぬるめです。あちこちから気泡が立ち昇っています。
石灰棚で有名なトルコ・パムッカレは年々湧出量が減少して、今では足湯程度しか楽しめません。一方、5km離れたカラハユットは湯量が豊富で、何軒もの温泉ホテルが軒を連ねています。白いパムッカレに対し、鉄分を含む赤茶系の濁り湯が特徴的です。析出物が堆積しやすい泉質なので、各ホテルは競うようにユニークな露天風呂を作っています。写真のパム・テルマル・ホテルは人工の石灰棚風露天風呂で有名です。
瑞穂温泉は台湾の東海岸にあり、特急列車で行くことができます。有馬温泉(兵庫県)と似た泉質から、戦前は黄金温泉と呼ばれていました。新鮮な湯がかけ流しで、浴槽の縁や床面は湯に含まれる析出物でコーティングされています。小高い丘の中腹にあるため、見晴らしも抜群です。もとは一軒宿でしたが、周辺にいくつもの入浴施設が誕生したので、散歩しながらの湯めぐりを楽しめます。
日本の温泉を研究して開業したというだけあって、親しみを感じる露天風呂が広い園内に並んでいます。琥珀色の湯の源泉は約50℃ですが、湯温は露天風呂ごとに異なります。斜面の階段を上っていくと、グループ単位で利用しやすい小ぶりな露天風呂が次々と現れます。圧巻なのは丘の頂上にある露天風呂です。周囲に広がる牧草地や原生林など、360℃見渡せる絶景湯でした。
ハンガリー・ブダペストから南東へ240km。ルーマニア国境近くにジュラの町があります。国防上、重要であったジュラ城の敷地内にヨーロッパ屈指の「黒湯」が湧いています。その名もずばり「城温泉」です。ヨウ素を豊富に含む植物由来の湯で、鼻を衝くようなアブラ臭が強烈です。普通の水を利用した浴槽もありますが、強烈な黒湯が好きで、毎日のように通う人が少なくないとのことです。
ニュージーランドの北島の北部にはメジャーな観光地もなく、訪れる観光客はまばらですが、貴重な濁り湯がポツンと湧いています。
温泉の湧く場所を木枠で囲っただけの露天風呂は砂地なので、足を動かすと足裏が刺激されて気持ちよく感じます。高温の炭酸泉で強烈な硫黄泉、しかも灰褐色の泥湯という、世界的にもまれな温泉です。ふたつあった入浴施設は統合されましたが、素朴な雰囲気は変わっていないようです。